感性マーケティング~元気をもらえる、やる気が出る、人の心に寄り添う写真ギフトのためのKANSEI分析例~

公開日:2023年12月09日最新更新日:2023年12月26日JMLA 事務局

写真、特に自然風景の写真は、人の創造力や集中力を高めたり、ストレスを軽減したり、心理的な効果が認められています。

今回は、そんな写真を題材にして、「心に寄り添う写真集を、ギフトとして贈るための感性分析を行う」という場面設定で、分析例をご説明します。

候補の写真16枚を抽出 写真を見てどんな気持ちになる?

この写真集づくりの目的は、長期入院などで外出が難しい方々に、外の空気を感じられる写真集をプレゼントして、明るい気持ちになってもらうことを目指している(仮設定)とします。

ターゲット:長期入院などで外出が難しい人

長期入院などで外出が難しい方々をターゲットにするので、ターゲットに合った写真を選別します。

Step1 ターゲットにヒアリングするための素材の準備

まず、スタッフ自身が撮影した数百枚の写真の中から、明るい気持ちになりそうな写真を16枚に絞りました。

(1)

写真集をつくる設定で、適切な写真を選択するために感性分析を行います_数量化理論Ⅲ類分析のための写真1_100段を超える神社雛段飾り_赤系_日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)スタッフ撮影写真

(2)

写真集をつくる設定で、適切な写真を選択するために感性分析を行います_数量化理論Ⅲ類分析のための写真2_飛行機の翼と上空_青系_日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)スタッフ撮影写真

(3)

写真集をつくる設定で、適切な写真を選択するために感性分析を行います_数量化理論Ⅲ類分析のための写真3_湾を囲む森林と町並み_緑系_日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)スタッフ撮影写真

(4)

写真集をつくる設定で、適切な写真を選択するために感性分析を行います_数量化理論Ⅲ類分析のための写真4_線路_茶系_日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)スタッフ撮影写真

(5)

写真集をつくる設定で、適切な写真を選択するために感性分析を行います_数量化理論Ⅲ類分析のための写真5_崖の上に咲くアジサイ_青系_日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)スタッフ撮影写真

(6)

写真集をつくる設定で、適切な写真を選択するために感性分析を行います_数量化理論Ⅲ類分析のための写真6_夕焼け_赤系_日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)スタッフ撮影写真

(7)

写真集をつくる設定で、適切な写真を選択するために感性分析を行います_数量化理論Ⅲ類分析のための写真7_砂丘と海_青系_日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)スタッフ撮影写真

(8)

写真集をつくる設定で、適切な写真を選択するために感性分析を行います_数量化理論Ⅲ類分析のための写真8_カラフルな傘たち_赤黄緑白紫の色彩_日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)スタッフ撮影写真

(9)

写真集をつくる設定で、適切な写真を選択するために感性分析を行います_数量化理論Ⅲ類分析のための写真9_寺とお坊さん_緑系_日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)スタッフ撮影写真

(10)

写真集をつくる設定で、適切な写真を選択するために感性分析を行います_数量化理論Ⅲ類分析のための写真10_ひまわり_黄系_日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)スタッフ撮影写真

(11)

写真集をつくる設定で、適切な写真を選択するために感性分析を行います_数量化理論Ⅲ類分析のための写真11_ひょっとこ_赤系_日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)スタッフ撮影写真

(12)

写真集をつくる設定で、適切な写真を選択するために感性分析を行います_数量化理論Ⅲ類分析のための写真12_未来的形状の海上バス_銀系_日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)スタッフ撮影写真

(13)

写真集をつくる設定で、適切な写真を選択するために感性分析を行います_数量化理論Ⅲ類分析のための写真13_祭り、和太鼓パフォーマンス_赤系_日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)スタッフ撮影写真

(14)

写真集をつくる設定で、適切な写真を選択するために感性分析を行います_数量化理論Ⅲ類分析のための写真14_湾岸を走るモノレール_銀系_日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)スタッフ撮影写真

(15)

写真集をつくる設定で、適切な写真を選択するために感性分析を行います_数量化理論Ⅲ類分析のための写真15_レインボーブリッジ_青系_日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)スタッフ撮影写真

(16)

写真集をつくる設定で、適切な写真を選択するために感性分析を行います_数量化理論Ⅲ類分析のための写真16_川を走るクルーザー_青系_日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)スタッフ撮影写真

Step2 準備した素材を元に、ターゲットのニーズを把握するためヒアリングする

選んだこれらの写真について、次は、思うように外出できない人たちに、写真を見てもらい、それぞれの写真についてどんなことを感じるかを聴きました。

(誰が)どの写真を見るとどんな気持ちになる? 感性分析

写真を見てもらい、感じることを聴いたところ、さまざまな意見が出ました。

16枚の写真それぞれについて、さまざま意見が出たので、情報量が増えました。

Step3 収集した情報(データ)を分析し、写真作りの企画に役立てる

いろいろな意見からニーズを理解するため、分析します。分析手法は質的データを分析することに向いている数量化理論Ⅲ類を使います。

■数量化理論Ⅲ類手法とは
質的データを要約する際に用いる分析手法です。
似たもの同士が近くに寄る特徴があり、今回の場合、「写真」と「感情」が近くに位置した関係から、どの写真を見るとどんな気持ちになるか、写真ごとの特徴を確認することができます。

分析した結果が下図です。

数量化理論Ⅲ類という質的データを上手に要約してくれる手法を使って、どの写真を見るとどんな気持ちになるか、写真ごとの特徴を確認した図_日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)作成

*ピンクの円は、写真の番号です。 *黄色い円は、写真から感じる気持ちです。

図の番号に写真を載せてみます。

数量化理論Ⅲ類手法を使用して、写真と感情の親和性を分析した図_日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)作成

写真ごとの特徴と適した写真とそうでない写真

上図の分析結果を読み取ると、下記の特徴を掴むことができました。

(1)

親和性の分析結果_癒し・元気に分類された写真_ひな壇

(5)

親和性の分析結果_癒し・元気に分類された写真_崖の上に咲くアジサイ

(13)

親和性の分析結果_癒し・元気に分類された写真_祭と和太鼓のパフォーマンス

図の中央付近にプロットされた3枚の写真は、ほぼすべての病状の人の、

  • 「癒される」
  • 「元気をもらえる」

という気持ちに寄り添える写真として活用できることが読み取れます。

(3)

親和性の分析結果_温かみ・心が静まる懐かしさに分類された写真_湾を囲む森林

(9)

親和性の分析結果_温かみ・心が静まる懐かしさに分類された写真_寺とお坊さん

図右下にプロットされた2枚の写真は、故郷から離れて過ごしている人々の

  • 「温かみを感じる」
  • 「心が静まる」
  • 「懐かしく感じる」

という気持ちに寄り添える写真として、活用できることが読み取れます。

(6)

親和性の分析結果_若さ・生き生き・生命力・笑顔・楽しさに分類された写真_ひまわり

(7)

(8)

(10)

(11)

親和性の分析結果_若さ・生き生き・生命力・笑顔・楽しさに分類された写真_ひょっとこ

図左下にプロットされた5枚の写真は、毎日をほがらかに過ごしたい人たちの

  • 「若さを感じる」
  • 「生き生き新鮮な気持ちになる」
  • 「生命力を感じる」
  • 「笑える」
  • 「思い出して楽しくなる」

という気持ちに寄り添える写真として、活用できることが読み取れます。

(2)

親和性の分析結果_着実さ・未来・ココロが燃えるに分類された写真_飛行機の翼と上空の景色

(4)

親和性の分析結果_着実さ・未来・ココロが燃えるに分類された写真_線路

(12)

親和性の分析結果_着実さ・未来・ココロが燃えるに分類された写真_未来を感じさせる外観の水上バス

図左上にプロットされた3枚の写真は、リハビリをしている人たちの

  • 「着実に進もうとやる気が出る」
  • 「未来を感じる」
  • 「ココロが燃える」

という気持ちに寄り添える写真として、活用できることが読み取れます。

(14)

親和性の分析結果_見つめ直す・しこりがとれる・日常に戻ったように感じるに分類された写真_湾岸を走るモノレール

(16)

親和性の分析結果_見つめ直す・しこりがとれる・日常に戻ったように感じるに分類された写真_川を走るクルーザー

図右上にプロットされた2枚の写真は、心の健康を目指す人の

  • 自分を見つめなおせる
  • ココロのしこりがすっととれるように感じる
  • 日常に戻ったように感じる

という気持ちに寄り添える写真として、活用できることが読み取れます。

(15)

親和性の分析結果_落ち込むというネガティブな反応だった写真_写真そのものがやや暗く見えるもの

この写真は、残念ながら、

  • 「落ち込む」
  • 「落ち着かない気持ちになる」

という反応が出たため、活用することは避けた方がよいことが読み取れます。

写真ごとの特徴を示す「ことば」は、あまりくくり過ぎない方が良いです。
くくり過ぎると抽象的になり過ぎてしまい、ニーズがわかりにくくなるためです。
ちょっとカッコ悪いかな、ちょっと中途半端かなと思う程度にとどめておくのが、のちの施策に役立ちます。

勿論、広告やチラシづくりの際は、この分析結果をオリエンテーションして、カッコいいキャッチコピーに仕上げます。

説明が前後してしまいましたが、回答者(人)の「属性」が無いとお気づきの方もいらっしゃるでしょう。

■回答者(人)の「属性」とは
写真を見てどのように感じるかを回答してくださった回答者の特性データのことです。年齢・病状・職業・性別などのことです。

回答者の特性を詳しく知るためには、属性情報も必要です。ヒアリングする前に、回答者属性を整えておくと、分析の際にその属性情報と写真との関係を見ることができ、より多面的にニーズを把握することができます。

まとめ ターゲットに合った適切な写真の選択で心に寄り添うことができる

今回は、「心に寄り添う写真集を、ギフトとして贈るための感性分析を行う」という仮のシーンで、写真という感性データと、写真を見て何を感じるかという感性データを、感性分析の一例としてご説明しました。

「長期入院などで思うように外出ができない人たち」の中でも、身心の状態の違いや、回復が見込まれる人とそうでない人とでは、過ごし方が違うでしょう。それぞれの人の心に響く写真は違いますよね。

このような分析結果を基に、写真集をつくると、心に寄り添える写真集が作れるでしょう。

『感性マーケティング』は顧客の感性価値を分析し「もっと売れる!」を実現する

「感性」とは、外界からの刺激を感覚(五感等)で受容し処理し表現する能力です。

よって、顧客から発せられた意見・言葉・声や、表現したもの(写真やその他)は、感性情報です。

「感性」に関する詳細はこちら:「感性とは、感性マーケティングとは」

人は、意識的にも無意識にも言葉を発したり、行動をとっています。人が何かを購買するという意識決定ではそのどちらも(意識的/無意識)影響しています。したがって、表層ニーズと深層ニーズが行ったり来たりします。そのため、マーケティング戦略上、顧客や消費者の表層ニーズだけでなく深層ニーズをしっかり捉えておくことが重要です。

企業を作り手、顧客や消費者を使い手とすると、

  • (顧客や消費者の目線で)「作り手の感性に共感する」
  • (企業目線で)「使い手の感性に響く」

両者が共創するという関係を構築できると、「もっと売れる!」を実現できます。
そのために、感性を捉えて適切に分析することが大切です。

顧客の声、人の感性を捉えて「もっと売れる!」を実現し、商売繁盛をもたらすものが『感性マーケティング』です。

今よりさらに商売繁盛を目指してお仕事をされている方は、新しい知識『感性マーケティング』を勉強してみませんか。↓ ↓ 必ず役立ちます。

JMLAマーケティング解析士プロフェッショナル感性_感性マーケティングの実用資格講座_定性データを定量的に分析し戦略立案を行う力を養います_日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)主催

「データ分析・感性データ分析」と「マーケティング戦略」を結び付けられる力は、基礎マーケティングを理解できているかがとても重要になります。3C、4P、STP、SWOT、5F、PESTといった基本のフレームワークは使いこなせていますか? 戦略を考える立場を目指す方にとってはマストの思考です。ちょっと自信ないかなと思う方はご覧になってみてはいかがでしょうか。↓ ↓ 必ず役立ちます。

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一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)は、「マーケティング」および「商品開発/事業開発」において、人財育成(認定資格講座、企業研修)および企業様の事業支援・開発支援を行っています。また、商品開発/事業開発の系統的なメソッド「Neo P7」を用いて企業の社員様が自分たちで持続的に開発を実現できるようにするための内製化支援を行っています。