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JMLA 事務局 について

一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)は、商品企画開発とマーケティング戦略立案の領域で、ヒトの感性を起点にマーケティングサイエンスで「売れる」を創り出す2つのソリューションを提供しています。 また、2つのソリューションに関する、人財育成(認定資格講座、企業研修)も行っています。商品企画領域では系統的なメソッド「Neo P7」を用いて再現性ある開発を推進する内製化支援を行っています。

AI時代にマーケターが磨くべき「人間の力」とは?~顧客の感性を読み解くマーケティング~

人工知能(AI)という高機能で便利なツールが様々な分野で大活躍してくれています。

多くの企業がその機能に期待する一方、労働者側は自分の仕事が奪われるのではないかと戦々恐々としているのではないでしょうか。

今後AIという存在と人間はどのような関係を築くべきなのでしょうか。
そのヒントの一端を考えたいと思います。

「バルコニーなし」の住宅出現

2018年から2022年のセキスイハイムの戸建て住宅では、バルコニーを設けない割合が10.8%から30.6%に増加しているそうです。

土地価格や建築費の高騰という要因に加え、ライフスタイルの変化が大きいといいます。
共働き世帯の増加により、夜間に洗濯したり、乾燥機を使う家庭が増え、ランドリールーム(※)を設けて家事動線を効率化する間取りが望まれているということです。

ランドリールームとは
洗濯機を置くだけでなく、物干し竿を設置して室内干しが出来るスペースの事。

仕事や食事の準備、子育てなどに追われる毎日に、洗濯物をバルコニーに干し、取り入れるよりも、洗濯機の横に干して収納した方が負担が減るということです。

また、和室を設けない比率も2018年度の59.4%から2024年度は23.5%へ減少しているそうです。

来客や法事のためという用途で使われていた和室ですが、こうした用途は現在ではほとんどありません。限られた住空間を無駄なく使いたいという意識から日常的に使う空間を優先させるという考え方によるものです。

但し、畳という存在は、子供の遊び場、着替え、室内干し場など多目的に使えるから便利で、あった方が良いと回答しているそうです。

このように消費者のニーズは、社会環境やライフスタイルの変化により変化していきます
皆さんの会社の商品も時代背景を顧みて、対応できているか今一度考えることが重要でしょう。

参考:「潮流に乗る戦略を立てるために」「トレンドの表層と深層 潮流を読むマーケティング力 ”持続性”&”Why?”」

ところで、このような現象をAIは予測していたでしょうか?
正解は私にも分かりませんが、次のような現象が起きていることは現実です。

AIで人員削減した企業が再雇用促進

人工知能(AI)の進歩により、人員を削減したグローバル企業が、相次いで人の再雇用を始めているそうです。

AIの限界を経験し、人員削減計画を撤回するか採用を大幅に増やしているということです。

米国の世界的な自動車メーカーであるフォード社は、自動化システムが解決できなかった品質問題に対して、その問題対処のために、数百人の熟練エンジニアを再雇用したそうです。

幹部は、「AIは素晴らしいツールだが、訓練に使う情報の質を超えることはできない」と述べています。

オーストラリアの銀行最大手のコモンウェルス銀行(CBA)は、40人以上のカスタマーサービス担当者を解雇し、AI音声ボットを導入したが、結果、顧客の不満による通話量が急増するという事態に見舞われたということです。

CBAは「人員削減を発表した当時、関連するビジネス要素を充分に考慮していなかった。影響を受けた従業員に謝罪した。必要な役割に対する評価がより徹底されるべきだった」と過ちを認めたそうです。

グローバルIT企業のIBMも人事業務の約94%をAIに代行させたが、倫理的判断や複雑な例外情況を含む残り6%の問題は解決できず、結果新卒採用を3倍に増やすことを決定したそうです。

最高人事責任者は、「今、新卒採用への投資をやめれば、3年から5年後に何が起こるでしょうか? 後継者となる人材はもはや存在しなくなります」と警告したそうです。

専門家たちは、AI導入の過程で教育やアップスキリング(職務能力の強化)なしに、やみくもにコスト削減のための解雇を断行した企業が苦しむのは当然の成り行きだと指摘しています。
「人間を代替する技術」にのみ予算を割り当て、「教育投資」を怠った企業が、AIを監督すべき「中核人材」までも削減し、後悔する事例が多いと分析しています。

米国のキャピトル・テクノロジー大学の研究チームは、「AIが職場を変えているのは明らかだが、企業は今、人間の仕事をAIが完全に代替するよりも、人間とAIの協業体制を構築する方がはるかに価値があるという事実に気づき始めている」と診断したそうです。

また、アニタ・ウィリアムズ・ウーリー氏(米国のカーネギーメロン大学テッパー・スクール・オブ・ビジネスで組織行動学の教授を務める研究者)は、「AIは会議の要約には非常に優れているかもしれないが、部屋の雰囲気を感じ取ったり、議論のより広い文脈を把握したりするのは、やはり人間の役割だ」と述べています。

保護者の料理スキルが子供のレジリエンス向上

一方、家庭内における仕事を考えてみると、興味深い研究結果が発表されています。

東京科学大学の研究による【保護者の料理スキルが高いほど子供のレジリエンスや向社会的行動が向上する】という論文が発表されました。

親の調理技術が子どもの心の成長を支える
―食習慣や家族のつながりを通じて 子どものレジリエンスや思いやり行動に寄与―

日本の小学4年生とその保護者3,641組を2年間追跡調査したところ、保護者の調理技術が高いほど2年後の子供の「困難に対処する力(レジリエンス※)」や「人にやさしく接する行動(向社会的行動※)」が高いことが判明したそうです。

※レジリエンスとは
レジリエンスとは、逆境やストレスから立ち直り、適応して成長する力を指す言葉です。
心理学では「心の回復力」、ビジネスでは「危機からの復元力・適応力」として使われます。

※向社会的行動とは
向社会的行動とは、他者や社会の利益になることを意図した行動のことで、人にやさしく接する行動力です。

研究によると、保護者の調理技術は、家庭のつながりや、健康的な食習慣を通じて、子供の精神的発達に大きく影響を及ぼすということです。

「保護者の調理技術向上は、次世代の健全で前向きな心の発達に大きく貢献すると期待される」と結んでいます。

現在、家庭・職場を問わず、AIという素晴らしいツールが多様に使われていますが、AIと共存し、適切な協業体制を構築するためにも、それを使いこなす知識や能力は、これからますます重要なこととなっていくでしょう。

マーケティングの仕事も”AI vs 人間” ではなく ”人間 × AI”

マーケティングも、AIに任せればすべてが解決するわけではありません。

市場データの分析や情報収集、アイデアの発想など、AIが得意とする領域は積極的に活用すべきでしょう。

一方で、「なぜ今、この商品が求められているのか」「顧客は何に困り、何を感じているのか」といった問いに答えるには、データの背景にある生活や価値観を読み解く力が欠かせません。

特に、顧客自身も言葉にできていない「なんとなく嫌」「こうだったらうれしい」といった感覚を捉えることは、マーケターの重要な役割です。

AIを便利なツールとして使いこなしながら、人間ならではの「考える力」「感じ取る力」「意味を見いだす力」を掛け合わせることが、これからのマーケティングにはますます重要になるのではないでしょうか。

まとめ

AIは、これまで人間が時間をかけて行ってきた仕事を、速く、効率的に進めてくれる強力なツールです。

しかし、AIに任せるほど、人間には「何を考えるべきか」「何を大切にするべきか」を判断する力が求められます。

マーケティングにおいても、知識を持っているだけでは十分ではありません。AIを使いこなしながら、顧客の変化を捉え、データの背景を読み解き、新たな価値を考える力が必要です。

そのためには、マーケティングの基本を体系的に学び、さらに顧客の「感性」まで読み解く力を身につけることが重要です。

AI時代にマーケターが磨くべき「人間の力」とは、顧客の感性を読み解くマーケティング力です。

そのための学びの場として、JMLA(日本マーケティング・リテラシー協会)では、「基本知識」を学ぶ資格講座と「感性を読み解く力」をより高める資格講座をご用意しています。

1.マーケティングの基本を体系的に学ぶ →JMLAベーシックパスポート

2.データだけでは捉えにくい顧客の感性を分析する → JMLAマーケティング解析士プロフェッショナル 感性

1. マーケティングの基本を体系的に学ぶ

「JMLAベーシックパスポート」は、マーケティング戦略の基礎理論を使いこなせるようになる資格講座です。

2. データだけでは捉えにくい顧客の感性を分析する

「JMLAマーケティング解析士プロフェッショナル 感性」は、お客様の声から売り伸ばし戦略を立案できるスキルを習得する資格講座です。

売れる商品は「新しい価値」を提案する~コンビニおにぎりに学ぶ変化対応力~

最近、海苔を巻いていないおにぎりが売れているそうですね。

物価高の中で少しでも安い商品を届けようという売り手側の思いが、買い手側のニーズにもぴったりと適合し、共創価値を生んだ結果と言えるでしょう。
高価で、具材に凝ったおにぎりが売れ始めていた矢先の出来事です。

人というのは、その時々の社会的状況により、常に新しい価値を求めるという心理によるでき事と言えるでしょう。
今回は、コンビニおにぎりを題材に人間心理探索をしたいと思います

日本における「コンビニエンスストア」の出現

日本のコンビニエンスストアの歴史は、国鉄が岐阜県に出店した店や札幌のセイコーマート、埼玉県狭山のファミリーマートなどいくつか歴史の開始とされるみせがありますが、1974年に東京都江東区に出展されたセブンイレブンの一号店が日本型コンビニエンスストアの一号店とするのが一般的でしょう。

それまで、小売業界では部門管理(調味料類や麺類というカテゴリー部門管理)で行われていた売上・利益管理を、『TANPINKANRI』という、個々の商品単位で管理する管理システムを導入し画期的な収益管理を行うことで飛躍的な店舗拡大を実現しました。

セブンイレブンは、伊藤雅敏氏により創業されましたが、伊藤氏は人情味溢れる人格者として有名で「資本と経営の分離」を明確にし、経営を任せた鈴木氏の経営には一切口を挟まなかったといいます。そのような伊藤氏の後ろ盾もあり、鈴木氏は約40年間グループの長として活躍されました。

写真:JMLAスタッフ撮影

コンビニおにぎりの出現

その鈴木氏の経営哲学は、「常にお客様視点」というものでした。
この哲学の基、セブン銀行など他社が導入するほどの業態拡充が行われてきたのは周知の事実でしょう。

おにぎりの発売も、その思いから生まれたものと言えます。

鈴木氏がおにぎりを発売しようと言われた最初の際には、役員や関係者からもコンビニでおにぎりなどは売れませんと、強く反対されたそうです。

当時おにぎりは各家庭で手作りするのが当たり前で、「買う」という考えはもたれるはずがないという考えだったのです。

しかし、周りの反対を押し切って発売開始したところ、驚異的な売り上げを獲得していくことになります。

皆さんとしてはコンビニおにぎりなどというものは当然あるべき商品と捉えられているかもしれませんが、発売当初は売れるはずがないと思われる商品だったのです。

当時の社会変化から、消費者はおにぎりを手軽に手に入れたいと思うはずという、まさしく「常にお客様視点」の成果と言えるでしょう。

新たな変革と成長が必要

鈴木氏が素晴らしいのは、そのような成功に胡坐をかかずに、常に変化対応という、変革と成長の必要性を認識し、実践されたことでしょう。
その成果の一つが前述のセブン銀行でしょう。

これらのセブンイレブンの成功事例から我々が学ぶべきことは、人間は、常に新しい価値を求めるということです。

【火】というものを手に入れた人間は社会的文化的に驚異的な発展を遂げました。便利なもの、自分にとって役に立つもの、人は常に新しい価値を求めているのです。

かの、世阿弥(※1)がこんな言葉を残しています。

『お客様がうれしくなること』
『常に新しい驚きをお客様に届けるという意思と能力を組織の仕組みとして持っていること』

まさに、鈴木氏の経営哲学そのものですよね。

マーケティング活動も同様です。
人のため、人に役立つ商品やサービスをお客様に届けるという使命を全うするからこそ、顧客の自我(※2)を呼び起こし、顧客にとってかけがいのない商品となり、企業のブランド評価をも高め、収益を向上させる結果につながるのです。

(※1)世阿弥(ぜあみ)とは:
室町時代に活躍した能楽師・能作者。芸能事の開祖(かいそ)。

(※2)自我とは:
「私」という存在のアイデンティティや、意志・感情・記憶の源泉を指します。

売れる商品は「新しい価値」を提案する~コンビニおにぎりに学ぶ変化対応力~ まとめ

顧客の自我と企業ブランドが強く結びつく状態にあること、つまり顧客にとって「かけがえのないブランド」になっていることを意味します。

しかし、人間は常に新しい価値を求めるので、「役立つ」商品やサービスをお客様に届けるために、変化に対応できるマーケティング力が求められます。

その力を養うためには正しいマーケティング知識を学び、なおかつその知識を実際に使いこなす力が重要になります。

当協会(JMLA:日本マーケティング・リテラシー協会)では、社会ニーズ・顧客ニーズの変化に対応し「売り上げ」「ヒット商品」を生み出し続ける力を養う3つの資格講座をご用意しています。
1. マーケティング戦略の基礎知識を身につける
2. 消費者や顧客のニーズを深く知る
3. 顧客ニーズに応じた感動商品を科学的に創出する

ご興味をお持ちの方は、ぜひ下記をご覧ください。

1. マーケティング戦略の基礎知識を身につける

「JMLAベーシックパスポート」は、マーケティング戦略の基礎理論を使いこなせるようになる資格講座です。

2. 消費者や顧客のニーズを深く知る

「JMLAマーケティング解析士プロフェッショナル 感性」は、お客様の声から売り伸ばし戦略を立案できるスキルを習得する資格講座です。

3. 顧客ニーズに応じた感動商品を科学的に創出する

「JMLA商品企画士プロフェッショナル」は、感動商品の企画を系統的に実現するNeo P7(ネオ ピーナナ)(新・商品企画七つ道具)のスキルを身につける資格講座です。

実務【伴走型】サポート

マーケティング推進や商品企画の実務ご支援に関して、

  • 顧客起点のリサーチに取り組みたい
  • 生活者・消費者向けの商品企画に初めて取り組む
  • 商品企画Neo P7/P7に沿ったアンケートに取り組みたい
  • 再現性ある企画開発を推進したい

に関するご相談は、JMLA(日本マーケティング・リテラシー協会)にお任せください。

地域愛はどう生まれるのか~カードゲームに学ぶマーケティングの本質

『さがみヒーローズ』というカードゲームをご存じでしょうか?
詳しくはホームページを見ていただくとして、地域振興を目的として開発されたカードゲームです。
相模原市内の企業や名産品・人物などをカード化し、遊びながら相模原市のことを知ることができるという、地域の人々の交流を深め、つながりの輪を広げることで地域活性化を目指すという趣旨で生まれたものです。
既に地元の有力企業も賛同し、参加されています。

さまざまなカードゲームが遊ばれている中、有意義で面白い試みだと思います。
カードゲームの歴史を振り返りながら、カードゲームが秘める力と魅力を探りたいと思います。

日本における「カードゲーム」の歴史

日本のカードゲームは、安土桃山時代にポルトガル人が持ち込んだカードゲームが、「かるた」の原型になったと言われています。
トランプに似せた絵札を用いた遊びが、日本の文化や和歌と結びついて、百人一首かるたや、いろはかるたなど教育要素を併せ持つ日本独自のカード遊びへと発展してきました。

江戸時代には、かるたや花札が庶民の娯楽として広まり、賭博的な要素も含んだ遊びとして定着していきます。

明治時代以降は、トランプも普及し広く遊ばれるようになりました。

昭和時代になると、歴史や地理などを学べる学習かるたや人物かるたなど、遊びながら知識を身につける教材としての側面を持つ教育色の強いカードゲームが学校や家庭で使われるようになりました。

1990年代になると、アメリカ発の「マジック:ザ・ギャザリング」というトレーディングカードゲームが日本でも一気に認知され、これが日本におけるトレーディングカードゲーム(TCG)ブームの先駆けとなりました。その後「遊戯王」や「ポケモンカード」など、アニメやマンガを題材としたTCGがオタク文化やホビーショップ文化(※1)と結びついて大きな市場を作っていきます。

(※1)ホビーショップ(文化)とは
趣味の商品を提供する販売店機能だけでなく、初心者から愛好家まで楽しめる、人々が集うコミュニティ機能を併せ持つ場。

2000年代以降は、アーケードゲーム(※2)や家庭用ゲーム機、スマホ上でのデジタルカードゲームが増え、コレクション要素とオンライン対戦を組み合わせた作品が多数登場しています。また日本史や世界史などをテーマにした「歴史カードゲーム」も作られ、歴史や文化を学ぶ教材ホビーとしても展開されています。

(※2)アーケードゲームとは
ゲームセンターや商業施設などの公共の場に設置されたお金を支払って遊ぶゲーム機。

社会背景とカードゲームの変遷

一方、昭和初期には鹿児島新聞社主催の「南九州歌留多大会」が開催され、鹿児島・熊本・福岡の三県から出場者を募って実施されました。
優勝カップや賞品は、鹿児島天文館周辺の商店が提供しました。
この開催趣旨は、「かるたを介して人と地域が一体となるイベント」というものでした。

今でいう地域振興のイベントであったといえます。
「かるた」というカードゲームを媒体として、地域と人のコミュニケーションを深め、地域活性化を図る大きなイベントだったのでしょう。

まさに「さがみヒーローズ」のルーツともいえる取り組みですね。

一方、1983年版「レジャー白書」によれば、「トランプ、オセロ、カルタ、花札など」で遊ぶ参加人口は4,740万人だったのが、2008年には2,910万人に減少しています。
この背景には、社会変化による「人間関係の希薄化」が存在しているとされています。

「さがみヒーローズ」も地元愛を醸成させる

そのように人間関係の希薄化が問題視される今だからこそ「さがみヒーローズ」の活動が多くの人や企業に認められているのではないでしょうか。

20世紀末からみられるようになった子供の生活習慣の変化や、新型コロナウィルスの世界的なパンデミック(2019年12月~2023年5月)が「物理的に他人と接触しない社会」をつくり出しました。

グローバル化や高度情報化はますます発展し人々の関心も技術革新や大きな社会課題の話題へ向くでしょうが、同時に「個人と個人」「個人と世界」が心から繋がっていると感じられる安心感や愛着心を醸成する重要性も高まると思います。そして「個人と世界」の間に「地域」を介在させることも重要だと考えます。

まとめ:地域愛はどう生まれるのか~カードゲームに学ぶマーケティングの本質

さまざまな遊びは、繰り返しながら受け継がれていきます。遊びがどのような方向に向かうのかを決定するのは人間です。【学び】が存在する遊びを創り伝えることは人に課せられた重要な使命だと感じています。

マーケティング活動も同様です。
人のため、人に役立つ商品やサービスをお客様に届けるという使命を全うするからこそ、顧客の自我(認識、感情、意思など)を呼び起こし、顧客にとってかけがいのない商品となり、企業のブランド評価をも高め、収益を向上させる結果につながるのです。

その思考力や実行力を高めるためには、正しいマーケティングの基礎知識を学び、なおかつその知識を実際に使いこなす力が重要になります。

地域振興における「さがみヒーローズ」のような取り組みは、単なる娯楽にとどまらず、人の感情や行動を動かす“仕組みづくり”そのものです。

なぜ人はそのカードに惹かれるのか、なぜ地域への関心や愛着が生まれるのか——そこには、偶然ではなく明確な構造があります。
地域資源をどのように切り取り、どのようなストーリーや体験として設計するかによって、参加者の共感や愛着の深さは大きく変わります。

これはまさにマーケティングの本質であり、「人の心を理解し、価値として届ける力」が問われる領域です。

さらに、こうした活動を一過性のイベントで終わらせず、継続的な価値へと昇華させるためには、感覚や経験だけに頼るのではなく、再現性のある理論と分析力が必要になります。

地域愛を醸成する仕掛けを意図的に設計し、成果につなげていくためには、顧客理解・市場理解・価値設計を体系的に学び、実践できる力が欠かせません。だからこそ今、感性と論理の両面からマーケティングを捉え、実務に活かす力を身につけることがとても大切です。

当協会(JMLA:日本マーケティング・リテラシー協会)では、感性と論理の両面からマーケティングを捉え、実務に活かす力を身につける資格講座をご用意しています。

ご興味をお持ちの方は、ぜひ下記をご覧ください。

1. マーケティング戦略の基礎知識を身につける

「JMLAベーシックパスポート」は、マーケティング戦略の基礎理論を使いこなせるようになる資格講座です。

2. 消費者や顧客のニーズを深く知る

「JMLAマーケティング解析士プロフェッショナル 感性」は、お客様の声から売り伸ばし戦略を立案できるスキルを習得する資格講座です。

社内の常識を覆し枠にとらわれない発想で成功した商品開発

「日本ハムシャウエッセン夜味」「花王メリーズ」「ドムドムハンバーガー丸ごとカニバーガー」は、どれも各市場においてヒットした商品です。これらには、ある共通した要素があるのはご存じでしょうか?
3商品とも、取締役たちからの酷評や社内のタブーなどを打ち破って商品化にこぎつけたものなのです。
社内に存在する暗黙の常識や、既成概念は時として消費者ニーズから取り残されているかもしれません。

今回は、これら3商品を取り上げて、ヒット商品を生み出すヒントを学びたいと思います。

日本ハム「シャウエッセン」

2025年に発売40周年を迎えたシャウエッセンは、日本ハムの主力商品です。
そのシャウエッセンの売上が2024年に約800億円と過去最高額を記録しました。
その記録を達成した背景には「シャウエッセン®夜味」の投入があります。

「シャウエッセン®夜味」は、30代から40代男性をターゲットとして「フライパン一つで夕食の一品として調理しやすい焼き料理商品」という位置づけで開発された商品です。

シャウエッセンはロングセラー商品だけに、購買層が60代以上が中心になっていました。
ですから若年層の取り込みがマーケティング部門の課題でした。

そこで、「朝食ではなく夕食に、フライパンで簡単に調理できる」をコンセプトに開発に臨んだのです。もちろん主力商品の改良版を出すわけですから、消費者調査を入念に行い、ニーズに応えどう訴求すべきかというプロモーション展開まで踏み込んで商品開発を行いました。

ところが、市場投入の前に大きな壁が立ちはだかりました。

それは社内に、「シャウエッセンは、ボイル調理のみ、焼くべからず、切るべからず、味を変えるべからず」というタブーが存在していたのです。

皮に閉じ込められた肉汁の旨味やパリッとした食感へのこだわりから、シャウエッセンは発売当時から、ウインナーと言えば「焼く」が主流だった時代にあえて「ゆでる」スタイルを訴求して大成功した商品だったのです。

この成功体験により社内のタブーは決して破られるものではなかったのです。

しかし、開発チームは目標達成のためには絶対新しい商品が必要でした。
そこでチームは面白い作戦に出ました。

社内アンケートをとったのです。無記名でアンケートを行ったところ、社員・役員とも「焼いたことがある」という回答が88%もあったそうです。
この結果と、入念に行った消費者調査の結果を基に役員会を説得し、市場投入にこぎつけました。

市場投入の際には「社員も焼いたことがある」という事実を公表したプロモーションも功を制して発売当初から売り上げを大きく伸ばしたのです。
実際若い層からは、「焼いちゃいけないなんて知らなかった。」という声も聞かれたそうです。

発売後、30代から40代男性の購入割合も増え、夜に食べるという食シーンも拡大できました。

社内のタブーは、消費者ニーズに取り残されていたということでしょう。

花王「メリーズ」

メリーズという紙おむつの商品改良においても、同じように社内上層部の思い込みというものが存在しました。

紙おむつは「もれない」ことが最大重要要素だ。改良も漏れないようにすることが絶対条件だ。という考え方が上層部から開発チームへのお仕着せとして存在していました。

しかし、開発チームは違うのではないか、今の時代どこのメーカーの紙おむつでも漏れないことは常識になっている。ユーザーは何か違う要素を求めているのではないかと考えていました。

そこでユーザーの心をつかむ改良商品を出そうとプロジェクトを組みました。

ユーザーニーズを掴み、会社の上層部にも納得してもらうためには、強力な後ろ盾となるデータが必要です。プロジェクトチームは様々な調査手法や商品開発手法を探しました。そこで出会ったのが『P7(商品企画七つ道具)』という商品企画メソッドだったのです。

※『P7(商品企画七つ道具)』『Neo P7(新・商品企画七つ道具)』とは
感覚・感性中心の定性的(文系的)マーケティング手法に加えて、多変量解析、実験計画法などの定量的(科学的分析)手法を巧みに組み合わせて、消費者ニーズの方向性を適確に把握することができるシステマティックな商品企画法。

P7手法を用いて調査分析した結果、ユーザーのニーズの中心は「肌にやさしい」というものでした。

この「肌へのやさしさ」という調査の裏付けデータを基に役員提案を乗り越え、『肌に一番やさしいメリーズ』をコンセプトキーワードとして発売したところ、売上シェアもブランド評価も格段に上昇しました。

これも社内の常識がユーザーニーズと乖離していた一例でしょう。

ドムドムバーガー「丸ごと!!カニバーガー」

皆さんは、「丸ごと!!カニバーガー」という商品を食べたことがあるでしょうか?ソフトシェルという脱皮直後の柔らかいカニをバンズに挟んだものです。

現在期間や店舗限定商品となっているので、食べたことや見たことが無い方も多いでしょう。そんな方は一度ドムドムバーガーのホームページを見てください。バンズからカニの顔とはさみが飛び出していて、その斬新さに驚かれることでしょう。

「バンズからカニの顔とはさみが飛び出している」その見た目に対する社内評価も同様でした。
「見た目がシュールだ」「原価が高くて売値が千円位になる」など「変わりすぎていてハンバーガーではない」という評価だったのです。

ところが、全員に試食してもらったところ、「思わず笑ってしまうほどおいしかった」のです。これには役員会もGOサインを出さざるを得ませんでした。
もちろん、価格もできるだけ抑える、クオリティも保つという問題をクリアしながら発売にこぎつけました。
発売と同時に店舗に行列ができ、品切れを起こす店が続出し、大ヒット商品となりました。

この背景には、「普通ではないことに挑むのがドムドムらしく、変わり種に挑戦する遊び心はドムドムの精神だ」という社長の考え方がありました。

既成概念にとらわれず、チャレンジ精神をもって、商品開発に臨むことの大切さを教えてくれます。

まとめ

今回の既成概念を疑って成功!した商品開発の事例のように、自社の顧客が期待していることは何か、心のなかの望みを把握し、対応していく姿勢がヒット商品を生み出すためには、不可欠であることが解りました。
ヒット商品のパワーは、顧客に自我を呼び起こさせ、顧客にとってかけがえのない商品として、顧客の心の中を自社商品のブランドで占有することができます。
それはすなわち、企業のブランド評価を高め、収益を向上させる結果につながります。
ヒット商品を生み出す能力を養うためには、マーケティング戦略の基礎知識は欠かせません。
基礎を学び、なおかつその知識を実際に使いこなす力が重要になります。

当協会(JMLA:日本マーケティング・リテラシー協会)では、ヒット商品を生み出す力を養う3つの資格講座をご用意しています。
1. マーケティング戦略の基礎知識を身につける
2. 消費者や顧客のニーズを深く知る
3. 顧客ニーズに応じた感動商品を科学的に創出する

ご興味をお持ちの方は、ぜひ下記をご覧ください。

1. マーケティング戦略の基礎知識を身につける

「JMLAベーシックパスポート」は、マーケティング戦略の基礎理論を使いこなせるようになる資格講座です。

2. 消費者や顧客のニーズを深く知る

「JMLAマーケティング解析士プロフェッショナル 感性」は、お客様の声から売り伸ばし戦略を立案できるスキルを習得する資格講座です。

3. 顧客ニーズに応じた感動商品を科学的に創出する

「JMLA商品企画士プロフェッショナル」は、感動商品の企画を系統的に実現するNeo P7(ネオ ピーナナ)(新・商品企画七つ道具)のスキルを身につける資格講座です。

実務【伴走型】サポート

事業・マーケティング推進や商品企画の実務ご支援に関して、

  • 顧客起点のリサーチに取り組みたい
  • 生活者・消費者向けの商品企画に初めて取り組む
  • 商品企画Neo P7/P7に沿ったアンケートに取り組みたい
  • 再現性ある企画開発を推進したい

に関するご相談は、JMLA(日本マーケティング・リテラシー協会)にお任せください。