「プロモーション」から「コミュニケーション」へ B2B2Cの失敗事例から学ぶ ヒト対ヒト

2021年11月03日堀内香枝

Facebook社が、社名をMetaに変えました。仮想現実空間「メタバース」を企業のメインドメイン(中心的事業領域)とするということだそうです。

メタバースそのものには現在賛否両論あるようですが、ここではそのメタバースそのものではなく、マーケティングにおけるコミュニケーションの重要性に関してお話ししたいと思います。

マーケティング「4P」の意味的変化

マーケティングの戦略立案に必須の4 P という言葉がありますが、その4つのPのひとつに「Promotion(プロモーション)があります。

「マーケティングの4Pとは」についてはこちらをご覧ください。

昔は言葉通りに、企業が商品やサービスをプロモート(Promote)する活動が主体でした。商品やサービスの特徴を宣伝することが重要だったのですが、その「Promotion(プロモーション)の意味合いが変化しています。

何故でしょうか?

それは消費者・顧客の情報収集能力が飛躍的に高くなったからです。
一昔前は、消費者・顧客は商品情報をテレビCMや新聞、雑誌などの企業広告活動から収集するしか方法がありませんでした。しかし現在はSNS等から様々な情報の入手が簡単にできるようになりました。また様々なメディアが競って情報を発信しています。SNS等で人々は情報を交換できます。企業からの宣伝広告により商品の存在を認知したとしても、すぐには飛びつかず、周囲の信頼する人の評価なども参考にし、判断するようになりました。

この変化が、 「Promotion(プロモーション) が、「プロモーション」から「コミュニケーション」へ変化したといわれている意味合いです。

    

  

         

メタバースは受け入れられるのか?!

「相棒」というテレビ番組(刑事ドラマ)でも仮想現実空間を題材にした物語が繰り広げられましたが、いよいよ一般社会にもその時代が来るのでしょう。

コロナ過でリモートによる企業活動や教育活動が展開され、人々もその方法に慣れてきています。

しかし、実際に経験すると、Web会議では人の感情が捉えにくいという声や、学生からは仲間と会えず、友達ができないなどという悩みも多く聞かれます。

これらの問題の本質は何でしょう?

それはまさしくコミュニケーションです。人は人とのつながりを求めます。

悲惨な例としては、つい先日の電車内での凶行を起こした犯人の理由も、仕事に失敗し周りの人とうまく付き合えなくなったという人とのつながりが問題だったようです。極端な例を挙げてしまいましたが、それくらい人は人とのコミュニケーションが生きていくうえでとても重要だということです。

     

         

人間の基本的欲求として存在するコミュニケーションですから、企業もその重要なコミュニケーションに対応することは必然であることは理解できます。
 
そのコミュニケーションを行う方法については、テクノロジーの進化に伴い発達した様々なツールやソリューションを利用して、一般消費者が容易に情報を入手したり、自分自身で発信できるようになったわけですから、企業側にもますます対話力が求められるようになっています。 

“メタバース“世界でも、企業は、消費者・顧客とコミュニケーションを取りながら、人が何を欲しているのか? を感じ、その要求にどのように応えるかを伝える”対話すること”が求められるのではないでしょうか。

    

    

プロモーションからコミュニケーションへ BtoBtoCの失敗事例から学ぶ

ここで一つ具体的にBtoBtoCのコミュニケーション失敗事例を挙げます。

マンションの「管理会社(サービス提供会社)」と「管理組合(住民の組合)」と「個人としての組合員=住民・理事長」との間で起きたコミュニケーションの失敗例です。

マンションの管理会社は契約しているマンション(マンションの管理組合)に対して月次の理事会運営を中心にさまざまなサポートを提供しています。これまでは人的対応中心でしたが、近年、ICT化を進めており、その一つに決済があります。これまでは担当の営業が支払い用紙を準備して、マンションの管理組合の理事長に捺印をもらうために家庭訪問をして決済を進めていました。

それをオンライン決済(ネットバンキング)に切り替えています。決済の都度、理事長宅に訪問しなければならなかったのが、管理会社の経理システムから自動送信するだけで済むので、何軒ものマンションを担当している営業担当者の業務が減り、負担が減り、効率化を図れます。

しかし、これまで人と人のコミュニケーションがあり、住民が参加する理事会で決済承認をして、加えて決済金額と内容について担当営業から説明をし、そこで初めて、組合の住民を代表する理事長は決済手続きを行っていました。この流れで、決済業務を安心して管理会社に任せることができていました。その流れが、オンライン決済に切り替わった途端、理事会での決済承認も飛ばし、何の決済なのか担当営業からの説明もなく、自動配信のみで決済を済ます流れに変わってしまいました。

    

     

「決済および金銭のやりとり」は、「人と人のコミュニケーションが信頼を築き、その信頼の上に成り立っている」ことに、改めて気づかされたケースです。

このコミュニケーションの失敗に対する解決策は、住民代表の理事長からの要求で、決済承認を自動配信する前に、

Step1 理事会で決済承認を行う
Step2 オンライン決済の承認を行う人(組合の理事長)に対して、担当営業から電話などで自動配信により決済承認を依頼する旨の連絡を入れる

という、決済の前に、人と人のコミュニケーションを事前に行うことで問題解決し、管理会社に対する信頼回復ができました。

消費者・顧客が商品を購入する、サービスを利用する際に支払う対価は、企業側の視点に立つと、消費者・顧客が何を欲しているのか?を感じ、自社の商品・サービスはその欲求にどのように応えるのか?ということに真摯に取り組み形にして提供することに対して支払われる対価です。

「消費者・顧客が何を欲しているのか?自社の商品・サービスはその欲求にどのように応えるのか?」についての具体的な活動が=マーケティングです。

   

   

マーケティング活動の基本的なフレームワークや考え方を日々の業務の中に取り込むと、仕事を進めていく中で、日々学ぶべきことがとても多く見つかります。
古くからの教えにも学ぶことがあり、近代において考え出された学問や理論などもどんどん学び吸収していくとよいでしょう。
社会人にとっては、マーケティングの基本の考え方は必須の学びだと思います。
皆さまも「マーケティング」に興味を持ってみてはいかがですか。

    

マーケティングにご興味をお持ちにの方は、マーケティングの基礎を学ぶ、JMLAベーシックパスポートをぜひご覧になってみてください。

     

     

必ずご自分のお仕事に活かされますよ。

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女性の感性を活かした調査設計や市場動向の分析により、お客さまの深層心理「感性」の解明を得意とします。コンサルティングファームで食品メーカー、外食産業、エステティック産業、通販企業、冠婚葬祭業、工作機械メーカーなど幅広い業種のマーケティング・コンサルティング業務を経験しました。これまで培った経験を元に、一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)設立に参画し、感性マーケティング『マーケティング解析士』講座カリキュラム策定に携わりました。現在は、『マーケティング解析士』講座の講師活動を行っています。同時に、企業様のマーケティング課題解決のサポート活動を継続しています。