ヒトオペレーションが販売のカギを握る~毎日売り切れる鮮魚店の秘密~

2022年06月30日堀内香枝

DX(デジタルトランスフォーメーション)化推進により、あらゆる分野の生産販売活動にデジタルが活用されています。農業でも、農作物の育成管理がコンピューター制御によって行われるのが常識となってきています。

しかし、忘れてはならないのが人間の対応力です。

お客様の要望や表に出にくい心理などを汲んで対応すれば販売に大きな影響を与える事例を紹介します。先日テレビで、ある鮮魚店のことが取り上げられていました。その鮮魚店では、仕入れた鮮魚はその日のうちに完売することが当たり前として行われているとのことでした。値引きなど無くしてです。

その理由を理解し、自社の販売力向上のヒントを得ようではありませんか。

     

         

このようなことを考えている方に役立ちます。

・商品の売れ残りを避けたいと考えている方
・販売促進力をより高めたいと考えている方

        

「売り切る」ことが当たり前に実行できる力

鮮魚店の話です。毎日売り切ることが当たり前に実行できているその理由に感心させられました。

鮮魚店ですので鮮魚自体が新鮮であることは大前提で、かつ、リーズナブルな価格で売られています。
この鮮魚店でも、仕入れには力を入れていて、独自の体制で仕入れを行っています。仕入れに力があるということは、売値にも影響し、他店では難しいようなリーズナブルな価格設定で販売が行われています。

しかし、「売り切る」理由はそれだけではありませんでした。

売り場に、常に「オペレーター」と呼ばれる専門の担当者がいるのです。

このオペレーターが、お客様対応をしています。
その日のおすすめを紹介したり、お客さまの質問に答えたり、料理方法を教えたり、その料理に適するように奥の調理場に魚の捌きや下処理を依頼し、更に頭を持ち帰るかいらないかなど事細かに確認したうえでお客様に手渡しているのです。

オペレーターというヒト対応力の効果により、魚を食べたくても、何を選んだらよいか、下処理が面倒だ、料理の仕方が分からないなど、購入に躊躇するお客さまのボトルネックを全て取り払って、購入意欲を上げていたのです。

        

       

一般的に取り組まれている、曜日別の販売実績や天候との関係などをデータ分析し仕入れや販売をコントロールすることはとても重要です。それは、既存顧客の来店予測精度を上げることに効果を発揮するからです。

            

この鮮魚店は、加えてオペレーターが存在し販促に大いに貢献しています。オペレーターは、魚を食べたいと思っているが、「知らない魚が多い」「食べ方を知らない」「調理が手間」などの理由により購入を躊躇している人々の心理を理解し、解決策を提案し、新規顧客の獲得や、既存顧客の来店頻度を向上させる役割を果たしています。

オペレーターの役割と仕入れの役割とが相乗効果となり、「当日完売」を実現していたのです。「売り切る」ことが当たり前に実行できる力を養い続けた成果です。

       

真の顧客理解による理想的な顧客対応力を養うー基礎マーケティングー

この事例は鮮魚店ですが、他の業種業態にも考え方は取り入れられます。

自社の顧客、あるいは、顧客予備軍が、
・何を考えているのか
・どのようなもの/ことを必要としているのか
を可能な限り把握し、必要になるであろう商品やサービスを予測し準備し提案することは、どのような業種業態の企業でも考え、実行すべきことです。

つまり、顧客・潜在顧客が何を考えているかを、「調査」→「分析・議論」→「理解」することは、大切なことです。

マーケティングの基礎は、〔「調査」→「分析・議論」→「顧客・潜在顧客の理解」〕であると言い換えることができます。そのため、基礎マーケティングを学ぶことは、社会人にとって必要不可欠だと言われているのです。

      

顧客の心理を理解すると、マーケティング戦略を実行する推進力が向上する

顧客を理解するデータとして、主に4つが使用されます。

  • 人口動態変数(Demographic Variables)
  • 地理的変数(Geographic Variables)
  • 心理的変数(Psychographic Variables)
  • 行動変数(Behavioral Variables)

BtoBビジネスでは、上記の「人口動態変数(Demographic Variables)」を「企業属性情報」に置き換えてください。

      

顧客を理解する4種のデータ

       

購買行動予測に利用されているのは、主に「行動変数(Behavioral Variables)」です。

また、昔から一般的な顧客セグメンテーションのデータとして使用されてきたのが、性別や年齢などの「人口動態変数(Demographic Variables)」、居住地域や勤務地などの「地理的変数(Geographic Variables)」です。

しかし、見落としてはならないのが、「心理的変数(Psychographic Variables)」です。
 
ヒトは、同じ男性でも、同じ収入の人でも、趣味や生活感は異なります。ですから行動様式も異なれば購入するものも異なります。

購買行動にはヒトの「感性」が影響します。「心理的変数(Psychographic Variables)」が理解できれば、予測精度が向上し、理想的な顧客対応を目指せます。

「心理的変数」を含む顧客を理解する4種のデータから、自社の顧客、あるいは、顧客予備軍が、
・何を考えているのか
・どのようなもの/ことを必要としているのか

を可能な限り把握し、必要になるであろう商品やサービスを予測し、販売戦略を立案すると、戦略への信頼感が増し、自身を持って戦略を実行することが可能になります。

・マーケティングとは:顧客に価値を提供し企業収益を生む仕組み
・戦略とは:中長期的計画、企業が持続的な成長を目指すための方向性
・戦術とは:戦略に沿って実行する具体的

「マーケティングの基礎力」は、「信頼できる戦略立案と自身を持って戦略を実行する」原動力になります。

 
JMLA(日本マーケティング・リテラシー協会)では、マーケティングの基礎を学ぶ『JMLAベーシックパスポート』という講座をご用意しています。
 
マーケティング理論を体系的に理解し、実務で活用できる基本フレームワークを使いこなせるようになる能力習得を目指す資格講座です。
DX(デジタルトランスフォーメーション)経営およびSDGs(持続可能な開発目標)活動を自社に取り込む考え方を包含して、マーケティングの基礎を学びます。

           

       

           

                       

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女性の感性を活かした調査設計や市場動向の分析により、お客さまの深層心理「感性」の解明を得意とします。コンサルティングファームで食品メーカー、外食産業、エステティック産業、通販企業、冠婚葬祭業、工作機械メーカーなど幅広い業種のマーケティング・コンサルティング業務を経験しました。これまで培った経験を元に、一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)設立に参画し、感性マーケティング『マーケティング解析士』講座カリキュラム策定に携わりました。現在は、『マーケティング解析士』講座の講師活動を行っています。同時に、企業様のマーケティング課題解決のサポート活動を継続しています。