「いきなりステーキ」と感性マーケティング

2019年11月29日森田 広一

いきなりステーキの経営状況が、赤字決算が続いているようです。

株投資の視点で、決算書から読み取れることを解説されているブログを拝見したので、わたくしはマーケティングの視点から、どのように赤字の要因を読み解き、多くの企業が気を付けるべきことを解説します。

商品の成長曲線

まず覚えて頂きたいのは、商品やサービスには成長曲線というものが存在するということだ。どんなに大ヒットした商品でも、ある一定の時期が来ると売り上げが落ちてくる。

ヒットしたからと言って、のうのうと胡坐をかいているといつの間にか赤字に陥ってしまうという事例は多くみられる。この現象を正しく理解し、次々とヒット商品を開発し市場投入できれば大変立派だが、なかなかそのようにヒット商品を継続して生み出すことは至難の業である。

ということは、現在売れている商品の命を出来るだけ引き延ばすことが必要になってくる。そのためには、その商品のヒットした理由と顧客がその商品に対し何を求めているかという本質的価値を理解することが重要だ。

商品が顧客のどのようなニーズにフィットしたのか? そして顧客がその商品に物足りなさを感じているのはどのようなことか? さらに強く求めていることは何なのか? を理解することにより商品を延命させるヒントが見つかるのだ。

日本人の心理的特性

もう一つ大事なことは、日本人は意外と飽きやすいということだ。

どんなに大ヒットした商品でも、大きな山が来るとその後には、きれいさっぱりその商品の存在が忘れ去られてしまう例は皆さんもよく見聞きするだろう。

ウイスキーにしても、ハイボールという飲み方にしても、昔は日本人が日本酒の次に良く飲むアルコールだったと言っても過言ではないだろう。しかし、いつの間にか他のアルコール飲料にその座を奪われてしまった。今、企業努力によって新たに脚光を浴びているが、我々の年代からすると昔はよく飲んだものだということになる。

よく言えば、日本人は新しい文化をどんどん取り入れる許容性を持っていて、それが日本の文化の発展をもたらしたともいえるが、企業側としてはたまらない。できれば継続して売れ続けてほしいというのが本音である。

 

「常に新しい驚きを届ける」ための工夫

では、どうすればよいのだろうか。

それは、常に新しい驚きを届けるということに尽きる。

どういうことかというと、メジャーな例としてはディズニーランドが分りやすいだろう。数年に一度は新しいアトラクションを投入し続けている。毎年日本一の集客数を誇っているディズニーランドでさえ、新しい驚きを届ける仕組みを持っている。

身近な例としては、即席ラーメンやマクドナルドがあるだろう。即席ラーメンは全国を見渡すと毎月数十の新商品が投入されている。それらは即席ラーメンという本質は変わらないが、ご当地毎の食材や味を求める消費者のニーズにこたえているのだ。マクドナルドも一時期本社主導で新しいバリエーションの開発・投入が規制されていたが、あの問題以降日本人の気質を理解して、次々に新しいバリエーション商品を投入している。

それぞれ、即席ラーメン、ハンバーガーという基本は逸脱していない。日本人の空きやすいという感性を理解して、目先を変えているのだ。

この事はどんな商品やサービスにも共有できるマーケティング的視点である。

 

どの例も、「人の感性」に響く自社のバリューを理解しながら、目先の変化で新しい驚き(刺激)を届けるという、日本のマーケティングに求められることを忠実に実行することが重要だということに繋がる。

皆さまも「感性マーケティング」に興味を持ってみてはいかがですか。

必ずご自分のお仕事に活かされますよ。

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森田 広一
広告代理店でマーケティング戦略立案、コンサルティングファームでデータ分析や各種のコンサルティング業務を経験。そこで培われたノウハウを元に人間の「感性」を紐解く独自の分析手法を確立し、そのノウハウを広く世の中に伝えるべく、一般社団法人日本マーケティング・リテラシー協会を設立。目に見えない消費者の深層心理「感性」を数値化し分析することにより、消費者や企業の隠れた欲求を解明し、各種提案やマーケティング戦略立案に役立てる分析体系を教える講座を開設。現在、様々な業種、職種の受講者から評価を得て、大手コンサルティング企業などの昇格必須講座としても認定されている。同時に各種企業のマーケティング・コンサルタントとしても活動中で、現代企業の悩み解決の実質的なサポート活動も継続している。