なぜ、AではなくBを買ったの?

2019年10月11日堀内香枝

どんなパーソナルギフトを贈っている?

ギフトの購買行動と心理プロセスについて、考えてみたいと思います。

ギフトの種類は、ギフト研究所によると、
「パーソナルギフト」と「法人ギフト」に大分類し、
「パーソナルギフト」をさらに、「フォーマルギフト」と「カジュアルギフト」に小分類に分けています。
「法人ギフト」は同様に、「ビジネスギフト」と「セールスプロモーション」に分けています。

DNP(大日本印刷)の「ギフトコミュニケーション研究」では、「パーソナルギフト」を3つの小分類に分けています。
「シーズンギフト」「ライフイベントギフト」「カジュアルギフト」。

シーズンギフト: お正月、バレンタイン、母の日、お歳暮、クリスマス等
ライフイベントギフト: 七五三、入学、就職、結婚、誕生日、引越等
カジュアルギフト: 日常的なプチギフト、帰省土産、旅行土産、お見舞い等

こう見ると、かなりの頻度でギフト用途の買い物が発生していることに気づかされます。
あなたはどれくらいギフト用途で買い物をしていますか?
そして、どのような購買行動プロセスで、その時々のギフトを選んでいますか?

贈る相手やギフトの種類によって、「一過性」の買い物と「継続性」の買い物に分かれますよね。
母親の誕生日は毎年繰り返し継続的に発生する誕生日ギフトの買い物です。
姪の成人式は一度だけで一過性のギフトです。

「継続性ギフト」について、先日、知人と興味深い話をしました。

「継続性ギフト」の購買行動と心理

知人は、母親の誕生日には毎年必ずギフトを送っているそうです。
そのギフトを考えたり選んだりする時間が楽しいそうで、良い品に出会うと、メモしておいたり、お店の名刺やパンフレットをもらっておくのだそう。
10月に入って、そろそろ母親の誕生日が近づいてきたので、買物に行き選んで贈る手配を済ませました。

今回は、自宅近くの大型ショッピングセンターの中に入っている「B」という食料品のお店で購入しました。
実は最初は、「A」という食料品のお店で購入予定でした。
「A」も「B」も同じ大型ショッピングセンターに入っているお店です。

「A」店は世界中から直輸入している食料品店で、知人が以前から愛用しており、ギフト用のラッピングもきれいにしてくれることから、昨年の母親の誕生日ギフトは「A」店で購入しました。
ギフトケースを開けた瞬間、世界のめずらしい食料品の詰め合わせにワクワクしたと、母親は大変喜んでくれたそうです。
その経験から、今年の母親の誕生日ギフトも「A」店にしようという心づもりで買い物に行きました。

一方、知人は自宅用に「B」店も愛用していました。素材を生かした体に良い、見た目は素朴な商品が多い「B」店で、野菜類を何度となく購入し、素材の品質の良さを実感していました。
「地味だけど本当にいい品だな。母親にぜひ送ってあげたい。」と、かなり前から目を付けていた加工食品がありました。
「B」店にはラッピングサービスはありません。

結果として、知人は「B」店で買い物し、自宅でラッピングし、郵便局からゆうパックで母親へ送りました。

理由は、
・自分が前から気に入っていて自信を持って使ってもらえる商品
・今回のキーワード(テーマ)は、「環境」「生産者・製造者」「素材」「旬」「健康」
・「楽しさ」要素を加えるために、多種類の商品を揃えバラエティ性を出そう
・そして、ラッピングは自分でなんとかしよう
というのが、「A」店と「B」店を見て回り悩んだ末の結論だったそうです。

ニーズの多様性は思わぬ商品がギフトに?単価UPに?

「B」店のお店側からすると、「わたしたちのお店は自宅用のものしか販売していない」つもりかもしれません。
だから、ラッピングサービスを行っていないのかもしれません。
もしかしたら、ラッピングは過剰包装でムダなゴミを出すからという理由かもしれません。

包装の議論はさておき、知人は母親へのギフトによって、自宅用に購入する時より高額の買い物を「B」店でしました。
「B」店は客単価UPに成功しました。
「A」店側からすると、「A」店で買おうと思って来店したお客様を「B」店に奪い取られてしまいました。

来店客に対してお客様アンケートを実施しているお店はよく見かけます。
私も仕事柄、必ずアンケート用紙をもらい設問に目を通します。
そこで毎回思うのは、これが本当に役立つアンケートになっているのかどうか?と疑問に思うケースも多くあります。

定期的に来店客にアンケートをとっているならば、テーマをいくつか設けてそれぞれのテーマを定点的にリサーチを続けると、お客様の購買行動に変化の兆しを見つけることができると思います。

例えば、今回のようなケースを想定したアンケートテーマを考えると、「いろいろな用途(他店で購入予定だったのに自店で購入してくれた理由/自店になくて他店で代用した経験)」をテーマに、来店客アンケートの設問を作成してみるという具合です。

そうすると、店側が想像していない思わぬ顧客ニーズが見つかり、離反防止や単価UPにつながるヒントが得られるかもしれません。
ニーズは多様化していると言われているけれど、もっと具体的に自店の顧客ニーズを知ることが出来るかもしれません。

心理的プロセスの感性については、こちら『感性マーケティング』も参考にご覧ください
顧客ニーズの分析方法を知りたいという方は、『感性マーケティング』講座をご覧ください
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堀内香枝
女性の感性を活かした調査設計や市場動向の分析により、お客さまの深層心理「感性」の解明を得意とします。コンサルティングファームで食品メーカー、外食産業、エステティック産業、通販企業、冠婚葬祭業、工作機械メーカーなど幅広い業種のマーケティング・コンサルティング業務を経験しました。これまで培った経験を元に、一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)設立に参画し、感性マーケティング『マーケティング解析士』講座カリキュラム策定に携わりました。現在は、『マーケティング解析士』講座の講師活動を行っています。同時に、企業様のマーケティング課題解決のサポート活動を継続しています。