感性マーケティングとは
感性とは
感性とは、人間が外界からの刺激を感覚(五感)で受容し判断・解釈し表現する能力のことです。
<感性の範囲>
感性情報とは
感性情報とは、人間が外界からの様々な形態の刺激を受信し、五感により判断し、それらの刺激を主観的に判断し、表現・発信した情報です。それは、主観情報の一部であり、客観的な評価ができない情報です。
顧客を捉える心理的変数とは
生活者や消費者、顧客を捉える変数には4種類あります。
1.デモグラフィック変数(年齢や性別、職業など人口統計変数)
2.ジオグラフィック変数(住居、勤務地域、位置情報など地理的変数)
3.ビヘイヴィア変数(アクセス履歴、購買履歴、行動履歴など行動変数)
4.サイコグラフィック変数(感性、価値観、深層心理など心理的変数)
これら4種類のうち、日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)(以下、弊会)では、1~3の変数は「定量データ」と呼びます。「4.サイコグラフィック変数」を「感性データ」と呼びます。
感性マーケティングとは
弊会では、
1.上図<感性の範囲>、「(人間の)感性」を起点として、企業の課題解決を行うこと
2.感性情報を定量化した上で、数値データを組み合わせて分析を行うこと
3.経営者やキーパーソンの感性を取り入れた分析で、事業戦略立案や意思決定のためにお役に立ってきたこと(20年以上の経験と実績を培ってきたこと)
4.それゆえ、経営とマーケティングは表裏一体であると捉えていること
これら4点を包含する事業を、「感性マーケティング」と称し、現在の弊会の基本事業として執行しています。
「感性マーケティング」のお話をすると、「定性調査」と違いますか? 感性と「インサイト」とは違うのでしょうか?というご質問を受けることがあります。
そこで、「定性調査」とは、「インサイト」とは、についてご説明します。
定性調査とは
定量調査と定性調査が対比して使われることが多いので、違いをご説明します。
<定量調査とは>
定量調査とは、収集されたデータを数値化することを想定した上で設計された調査です。
認知率、購買率、当選確率など、市場調査や世論調査、実態調査を含めた、普段みなさんが見聞きする多くの調査は定量調査です。
仮説を検証したいときに向く調査手法で、調査対象数(サンプル数)の規模は大きい方(400~2,000程度以上)が適しています。
<定性調査とは>
定性調査とは、言葉や文章、写真、動画、映像など数値化できないデータを収集目的とした調査です。
調査対象者から発せられる生の言葉や行動、観察者が見た状態や印象などを調べたいときは定性調査を行います。
一般的に知られている代表的な調査手法として「グループ・インタビュー」が挙げられます。
この他、長時間にわたって対象者を面接する「深層面接法」や、対象者の態度や行動、反応などを観察する「観察法」などが用いられています。
仮説設計しづらいときや、市場の新しい動きを発見したいときに向く調査手法で、調査対象数(サンプル数)が少数から可能です。
定性調査に関して、上記の説明が一般的です。
弊会の感性マーケティングの中の一部に、対象者の内面を探るために少数の対象者に調査する(一般的に知られている)「定性調査」は含まれます。
定量調査と定性調査という言葉を使ってもう少し解説を加えると、弊会が行う感性分析のための調査が、一般的に知られている定性調査と違う点は、少数の対象者を調査する定性調査ではなく、定量調査のように規模の大きい対象者から定性データを収集し、量的に分析するという点です。
多い数の定性データを収集し、数値に変換し、量的に分析することで、定性データであっても、裏付けに基づいた戦略立案に役立てることを可能にするのです。
インサイトとは
インサイトとは、英語で洞察、見識などの意味で、マーケティングでは、潜在欲求とか、購買欲求のツボなどの意味で使われています。
冒頭の「感性とは、外界からの刺激を感覚で受容し判断・解釈し表現する能力のことです。」の下の図<感性の範囲>をもう一度ご覧いただくと一目瞭然だと思います。
「インサイト」は「感性」の一部です。
すなわち、感性マーケティングの中の一部に、「インサイト」は含まれます。
参考:感性情報の定量化、感性データをマーケティングに活用できる手法

堀内香枝

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