AIは天使か怪物か?!「効率」と「発想」は相容れない

公開日:2025年10月29日最新更新日:2025年10月29日JMLA 事務局

「ティリー・ノーウッド」という俳優(AI)をご存じでしょうか?

アメリカの映画界で話題になり、俳優たちは自分たちの職がなくなるのではないかと戦々恐々としています。自分たちの演技がAI俳優たちに情報として無断で与えられていると不満を表明しています。

約16万人が所属する全米映画俳優組合は9月30日「創造的な活動は人間が中心であるべきだ」との声明を発表し、「人生経験や感情もないAI俳優に観客は魅力を感じないだろう」と主張していますが、危機感を持っていることは明確です。

現在、人工知能AIといった存在が人の職業に取って代わることは、仕事の効率化や人材不足を補うためには必須のこととなっています。

しかし、俳優という職業が奪われるのではないかという議論のような問題が起きていることも現実です。

AIという存在は、人間にとって天使となるのでしょうか、怪物となってしまうのでしょうか。

この記事は、このようなことを考えている方に役立ちます。

  • AIに仕事を奪われるのではないか不安に感じている
  • AI時代に人間は何をしたらよいか?モヤモヤしている
  • これからの仕事で、人間らしさを発揮できる能力について思案している

AIは天使か怪物か?!仕事や生活に浸透する生成AI、フィジカルAI

人工知能(AI)の進歩は目覚ましく、生成AIやフィジカルAIが人間の仕事にとって代わる勢いは凄まじいものです。

キリンホールディングス株式会社では、多様な視点を取り入れるために、AI役員を”右腕”として導入しました。

確かに過去の前例を学習することによって物事を判断する作業に関してはAIの方が間違いなくスピードも速く優れています。

ChatGPTをはじめ生成AIをお使いの方は多いと思います。さまざまな質問や問いかけに瞬時に回答してくれるので便利なツールですよね。データを生成するAIは急速に進化しており、特に画像生成AIやチャット生成AIが広く一般的に使われるようになっています。

これらの生成系AIは、人間が生成するのにも劣らない出力がされることで便利さが強調される一方で、出力の真偽の問題や、容易に悪用できてしまう問題、学習データや生成物に関する著作権など権利の問題についても指摘されていることは改めて認識しておきましょう。

とはいえ、とても便利なツールであり、人間の仕事の在り方に大きな影響を与え続けています。

フィジカルAIの世界では、製造作業や倉庫作業においては自立型のヒューマノイドが作業し、飲食店では注文受けや配膳作業などを行っています。

では、この先近未来に人間の仕事はAIに取って代わられるのでしょうか?!

AIという存在は、人間にとって天使となるのでしょうか、怪物となってしまうのでしょうか?

それは、人間次第といえます。

“火”というものを手にし、急速に成長した人間

人間の歴史を振り返るとき、人間が著しく進歩した要因として「火」があり、「火の技術」が人類大発展した理由とされています。

2025年のノーベル生理学・医学賞を大阪大学の坂口志文特任教授が受賞されました。

坂口氏は免疫反応を抑えるブレーキ役となる「制御性T細胞(Treg)」を発見され、アレルギーや関節リウマチ、1型糖尿病などの自己免疫疾患、癌(がん)といった病気の新たな治療法の開発に道を開かれました。

「火」にしても、「制御性T細胞(Treg)」にしても、AIが発見できたでしょうか。

最近では、「感性」をテーマにしたAIも注目されています。

しかし、AIは人間が持っているようなレベルの感性は持っていません。
豊かな感性を保有していなければ創造は成し得ません。

人間は、これから、これまでと違ったことを思いつく「発想力」や、様々な刺激から新たな価値を見出す「創造力」が求められるでしょう。

そのためには、自身の「感性」を磨き、会社の目的・方針をしっかりと理解し、「主体的に」思考し、「主体的に」行動することが重要といえます。

アインシュタインの名言に

『創造力は知識よりも重要だ。知識には限界があるが、創造力は世界を覆う(おおう)』。

という言葉があります。

未来は誰にも分らない。未来はみんなが作っていくものだから。

トヨタの現会長豊田章男氏が、投資家・経営者として著名なアメリカのウォーレン・バフェット氏と会見したときの逸話があります。

ウォーレン・バフェット氏から

『ミスター・トヨダ、5年後のトヨタはどうなるの?』

と聞かれた豊田氏は、

『わかりません』と答えられたそうです。
『未来のことはわかりません。未来は作っていくものですから。』と。

すると、バフェット氏はこう答えたそうです。

『あなたのことを信用する。その通りだ』。
『普通のビジネスパーソンは未来のことを聞かれたら、何かをしゃべる。
しかし、ミスター・トヨダは、わかりませんと言った。だから信用する』

後日談として、

(豊田氏)本当のことを言ったに過ぎません。わからない、と。しかし、私たちは何かやっています。行動を起こしています。わからないから何もしないのではありません。わからないけど何かをやっています。これは違うなと思ったら変えていく。そうすると未来の景色は絶対に変わります。」

と語られたそうです。

「効率」と「発想」は相容れない(あいいれない)

私たちマーケッターも、AIと共存し、それを使いこなしていくことで効率を上げて生産性を向上させることができる世界になっています。

しかし、効率化が度を過ぎると「創造性」を奪ってしまいます。

現実世界に生きる「人間としての強み」は、「創造性」「主体的な発想」ではないでしょうか。

効率化を追求するほど、良いアイデアを思いつく確率は下がり、それにより問題解決の能力、課題解決力も低下することが多くなります。

私たちの仕事と生活を本当に豊かにするためには、「感性を磨くこと」が欠かせません。
数値では測れない人の気持ち、空気の変化、言葉のニュアンスに気づく力こそ、「創造の源」です。

また、どんなにAIやツールが進化しても、最終的に価値を生み出すのは「主体的に考える人」です。
与えられた業務をただこなすのではなく、「なぜそうするのか」「別のやり方はないか」と自ら問いを立て続ける「主体的な思考力」が大切になります。

マーケティングの側面では、数値では測れない「顧客の気持ち」に気づき、ニーズに応じる顧客起点の価値づくり、商品提案、サービス提供、お店づくりが欠かせません。

JMLA(日本マーケティング・リテラシー協会)では、

  • 「主体的な思考力」を養う
  • 「顧客起点」感性マーケティングの推進
  • 「感動商品」の創造

に役立つ「学び」講座を展開しています。

主体的な思考、主体的な発想、感性マーケティング、感動商品の創造

これからは、AIを活用するなどの「効率化」を追求しながらも、「創造力」を磨き続けることが大切といえます。

「効率」と「創造」のバランス感覚を育む方策として、「創造」する型を身につけ、トレーニングと経験を積み重ねることが大切といえます。

「効率」は数値目標での管理サイクルを回しやすいですが、「創造」することはクリエイティブな作業なので「効率」と同じ考え方で管理サイクルを回すことそのものが不向きです。クリエイティブな作業はプロセス志向の管理が向いています。

そのため、最初は「創造的な思考」(主体的な思考)の型を学び、その後トレーニングと経験を積み重ねることによって、「創造力」(主体的な思考力)を身につけていきます。

JMLA(日本マーケティング・リテラシー協会)で展開している「創造力」(主体的な思考力)を育てることに役立ち、なおかつ、マーケティングの仕事に役立つ実践的な「学び」講座をご紹介いたします。

◆学び〔1〕 ”主体的”な思考・発想の「型」を身につける
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一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)は、商品企画開発とマーケティング戦略立案の領域で、ヒトの感性を起点にマーケティングサイエンスで「売れる」を創り出す2つのソリューションを提供しています。 また、2つのソリューションに関する、人財育成(認定資格講座、企業研修)も行っています。商品企画領域では系統的なメソッド「Neo P7」を用いて再現性ある開発を推進する内製化支援を行っています。