「クワガタ」は小さくても勝つ。「企業」も規模が小さくても勝つ。~1番になれるブランド資産~
先日、NHKの「ダーウィンが来た!」という番組で「クワガタ」の特集を拝見しました。
小学生のころまで、家の裏に森があり、夏の間には朝カーテンを開くと網戸にカブトムシやクワガタなどが止まっていることなど日常茶飯事だった身としては、興味深く見させていただきました。
「ツシマヒラタクワガタ」という体長80㎜を超える、日本最長のクワガタも紹介されていて、夏休みには昆虫採集に明け暮れていたころのときめきを感じてしまいました。
と、ついつい虫の話に集中してしまいそうですが、今回注目したのは、クワガタのオス同士の縄張り争いで、大きな雄ばかりが勝つのではないという事実についてです。
このようなことを考えている方・探している方に役立ちます。
・中小企業が勝ち抜いていくにはどうすればよいのか ・せっかく良い商品を持っているのに売れない ・自社の価値、自社商品の価値をどうすれば認めてもらえるのか
目次
小さなクワガタが大きなクワガタに勝つ方法
クワガタのオスは、繁殖相手であるメスを確保するために、樹液が多く出ている場所を自分の縄張りとして、メスとの出会いを求めます。
当然、樹液のよく出る場所は、他のクワガタや違う虫たちも集まって来て、縄張り争いが起きます。
大きなクワガタやカブトムシが優位なのは否めませんが、小さなクワガタも負けてはいません。
戦略はこうです。
体の大きさで負けているのは周知の事実なので、その体の小ささを逆に生かして、相手の体の下に身体を入れ込むのです。そして体全体を使って相手を木の幹から引きはがし落とします。
大相撲でも、身体の小さな力士は、相手の懐に潜り込む作戦を良く取りますよね。
あれと同じ理屈でしょう。
特にクワガタなどの昆虫は視力があまりよくなく、触覚で周りの状況を判断しています。体の下に潜り込まれると相手がどこにいるのかが分からなくなってしまうのですね。
そのチャンスを逃さず、一気に攻めるのです。
中小企業が勝ち抜く極意
企業に当てはめて考えるとどうなるでしょうか?!
大企業は、資金力があり人材も豊富です。
中小企業が真正面から戦いを挑んでも勝ち目はありません。
しかし、大企業にも弱みはあります。小回りが利きません。更に数々の事業や商品・サービスを抱えていて、一つの商品だけに力を注ぐわけにはいきません。
そこが狙いめでなのです。
中小企業の多くは、商品やサービスのアイテム或いはカテゴリーが絞られているはずです。その限られている商品・サービスに一点特化し資源を集中させ、ブランド化させるのです。
自社商品のブランド資産を1点集中で高めるのです。
業界の中での売り上げ全体では大企業に勝てなくても、この商品では自社が一番となる戦略をとるのです。
実現ステップ1~3と、マーケティング戦略・ブランド戦略の重要性
実現するためにはどうすればよいのでしょうか。ステップごとに説明します。
Step1 商品そのもの
ブランディングを成功させるためには、まずは商品が優れていなくてはいけません。
顧客に安心して利用してもらえ、信頼される商品でなくてはいけません。
まずはよき商品ありきです。
自社の技術・ノウハウを高めましょう。
Step2 顧客から見た価値
次に、その商品の価値を顧客目線で確認することです。
・自社商品のどこが?
・何が顧客の求める価値にフィットしているのか?
冷静に見極めましょう。
自社目線ではいけません。自社目線だと、ついつい自分たちが一番努力した点や、技術力が必要だった点などに目線がいきがちです。
顧客はまるで違った要素を認め、自分たちが欲しかったものとして価値を感じている場合が多いのです。
Step3 情報発信
自社商品の顧客価値を理解したら、その価値を情報発信します。(中長期の視点で)
■コンテンツ制作の注意点
その時注意するポイントは、情報発信のコンテンツも顧客目線で作成することです。
自社の技術力により成し遂げた商品というだけでは、顧客に響きません。
既存顧客に認められた価値をそのまま表現するのです。
■媒体・ツールを使用して情報発信する際の注意点
そして、そのコンテンツ表現は、すべての媒体(=ホームページ、パンフレット、商品デザイン、ロゴマーク、営業マンの説明台本など)で統一します。
自社が利用可能なコミュニケーション・ツールを総動員しましょう。
全ての媒体で、自社商品の顧客価値を伝達し続けることにより、商品のブランド化ができ、顧客の認知が上がり、利用意向が上がり、実利用につながるのです。
■マーケティング戦略・ブランド戦略の重要性
自社が認められる、自社商品が認められるのは、一朝一夕ではなりえません。
自社のポジションを認識し、ターゲットを絞り、自社商品の優位性を確認し、適切な戦略の基、社員一丸となって遂行していかなくてはいけません。
参考:「ブランドエクィティ(Brand Equity)=ブランド資産価値 ~ハリー・ポッターとブランディング~熱の持続~」
まとめ~ブランド資産価値を高めることは収益向上に貢献する~
日本の町工場で、金型修理を請け負っているある会社には、世界の超大手企業から金型修理の依頼が舞い込んでいて、5年待ち、10年待ちという状況が続いているそうです。
どんなに小さな企業でも、社会に役立つ商品や技術を保有していれば、戦略を正しく策定することにより、大きな企業にも負けない収益を上げることが出来るのです。
自社の企業価値を高めるブランディングの知識と実務スキルを学ぶことはマーケッターとして必須だと言えます。
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