暑く長い日本の夏、自分に合う暑さ対策やリカバリー方法を探している消費者
東京都心は9月に入っても3日連続で猛暑日となり、観測史上初めてのことだそうです。
年間猛暑日日数も9月3日時点で28日と、過去最多を更新しました。
この暑さからくる体の不調を感じる人は多いのではないでしょうか。
今回は、暑さ対策をテーマに、消費者ニーズと商品企画について考えてみたいと思います。
目次
暑さ対策アイテム、長引く残暑に欠かせないアイテムのいろいろ

私は2025年の夏、初めて熱中症ぎみに2回もなってしまいました。。。
気づかないうちに脱水ぎみになっていたようです。
いまや暑さ対策は欠かせませんね。
私が今年買った暑さ対策アイテムの中で最も良かったと思ったアイテムは、ユニクロのボトムス、リネンブレンドイージーパンツです。1本買って気に入ったので、同じタイプを追加で2本調達しました。合計3本持っています。
暑さ対策アイテムを探していたとき、ビッグカメラとHANDSのオンラインサイトで、多数の商品をまとめて紹介しているのを見つけました。アイテム数を数えたところ、2ブランドだけでも70商品を超えていました!紹介されているアイテムは注目商品と言えるでしょう。
暑さ対策の注目アイテム 補給アイテム、冷感アイテム、送風アイテム、整えアイテム

この夏、購入したアイテムはありますか?
上位サイトで紹介されていたのは下記のアイテムでした。
① 水分や塩分、ミネラルを補給できる、飲料やタブレット、飴
② 冷たさを直接感じられる、首元アイテムや身につける衣類、冷却スプレー
③ 湿気やべたつきを抑え、快適さを感じることができる、ボディーシートやパック
④ 風を感じて涼める、小型扇風機や小型ファンを内蔵した空調服
⑤ 強い日差しを避けることができる、日傘や帽子、ストール、遮光カーテン、サンシェード
⑥ 入浴環境を整え、冷房の冷えや疲れを和らげてくれる、入浴剤やソープ
⑦ 睡眠環境を整えることができる、アイス枕や接触冷感寝具
⑧ 自動車の車内の温度を下げることができる、車用扇風機や接触冷感素材を使用したクッション
涼し気な香り、リフレッシュできる香りなど、香りの効果を取り入れたアイテムも人気のようです。
私も、グレープフルーツやユーカリの香りを取り入れています。

その他個別に、グンゼの汗対策衣料「アセドロン」や、ワークマンの疲労回復パジャマ「メディヒール リカバリールームウェア」も話題になっていて気になります。
SNSをチェックしてみると、購入して使ってみたアイテムについて、買って良かった!という意見の方もいればそうでない方もいる商品もあり、自分に合ったアイテムを上手に探したいですね。
猛烈な夏の暑さを平然と乗り切れている方はいらっしゃいますか?
身体の状態に異変を感じたことはありませんか?
次の項では、消費者側の目線で、暑い夏を過ごす身体の状態や異変、どのような対策をしているのか、見ていきたいと思います。
「だるい」「食欲不振」「疲れがとれない」 自分に合った対策を探している

暑さによる身体の不調やその対策について、アンケートサービスを利用して女性たちに聴いてみました。
女性20代、30代、50代の声を見てみましょう。
女性20代 暑い夏を過ごしている中で体調はどう?何か対策してる?

女性20代の声からは、夏の強い紫外線や冷房による肌荒れや、倦怠感や頭痛、足のだるさなど多様な不調が見られます。
特に「だるい」、「食欲不振」が多い傾向のようです。
「食欲不振」に対する対策としては、「ジャンクフードを控える」、「消化に良いものを食べる」、「早寝早起きを心がける」、「汗をかく」などが挙がっています。
しかし、「だるい」に対する対策としてはほとんど挙がっておらず、なかなか良い対策が見つかっていないように見受けます。
女性30代 暑い夏を過ごしている中で体調はどう?何か対策してる?

女性30代の声からは、睡眠の質の低下や自律神経の乱れも影響し、頭痛や腹痛、下痢など体内のさまざまな不調が見られます。
全体としては、20代女性と同様「だるい」、「食欲不振」が多い傾向のようです。
「だるい」に対する対策としては、入浴、睡眠、食事、運動など、無理をせず体調に合わせて調整する姿勢が見られます。
しかし、解決できているという意見はないため、良い対策をいろいろと試して探していると思われます。
女性50代 暑い夏を過ごしている中で体調はどう?何か対策してる?

50代女性の声からは、20代、30代に多かった「だるい」、「食欲不振」よりも、「疲労感が抜けない」という声が多く見られます。
体力の回復が追いつかない様子がうかがえます。
対策としては、規則正しい生活や十分な睡眠、栄養のある食事、冷えを避け入浴で体を温める工夫が取り入れられ、無理をせず体を整えることが意識されているようです。
今回は女性の声を聴き、年代に分けて声を見てみました。年齢の変化とともに少しずつ不調にも変化がみられ、対策の傾向も異なります。共通している点は、「無理をせず整える工夫」を模索していることではないかと思いました。
暑い夏を少しでも快適に過ごすためには、自分に合ったアイテムやサービスを選ぶことが大切になってくると思います。例えば、体を内側から整える食品やドリンク、快眠をサポートするグッズ、冷えやだるさを和らげる着圧ソックスやリカバリーアイテムなど、幅広い工夫が考えられます。
消費者は新しい商品やサービスに対して期待を寄せており、今後の企画開発によって、より多様なニーズに応えるアイデアが生まれることが楽しみだといえるでしょう。
人それぞれの感性に合う 休息のとり方、リカバリー方法
暑さに立ち向かい続けると、疲れますよね。
ときには休息が必要です。
下の写真は、日本科学未来館主催の、疲れと休みに関する興味深いイベントのご紹介です。ご覧いただくと、休息のとり方やリカバリー方法は、個人個人、それぞれに合った方法があるのだなということが、視覚的にご理解いただけます。上から順番に写真をご覧になってみてください。
「ツカレからの脱出 ~疲れとやすみのサイエンス」(日本科学未来館)
以下は、自分に合ったお休みの組み合わせを考える、「ツカレからの脱出 ~疲れとやすみのサイエンス」(9/15まで 日本科学未来館)で体験できるブースのうち、2つの休息テックと従来の積み木のブースを筆者が撮影した写真です。
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<写真左>デジタル森林浴 uralaa (うらら):フォレストデジタル株式会社/Green-Herbの香り:エステー株式会社
<写真中央>“深呼吸のリズム”を伝えるシンコキュウ:株式会社シンコキュウ
<写真右>石を、積むだけ。(積み木を積む):日本科学未来館
「シンコキュウ」は2025年秋から発売が開始されるようです。展示ブースに提示されていました。
わたしの休み方を描くチャート(日本科学未来館配布)
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このイベントでは、ブースの展示を体験した後、自分に合った休息の組み合わせ「おやすみブレンド」を作成するシートに、自由な発想で描くことができます。
描いたシートを、ほとんどの人たちは持ち帰っているでしょうが、掲示板に貼ることもできます。下の写真は、掲示板に貼っている人たち(子どもから大人まで)のシートを撮影したものです。
拝見すると、一人一人個性があるなと、改めて感じました。
わたしの休み方について、掲示板に貼った人たちの「おやすみブレンド」
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寄ってみました
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休息のとり方やリカバリー方法は、個人個人、それぞれに合った方法が必要であるなと、この絵を見て感じました。
暑さを和らげたり、休息のためのアイテムやサービス、リカバリーを助ける商品やサービスは、次々とリリースされることでしょう。これからますます、個々に合った対策がより選択しやすくなるのではないでしょうか。
ヒトの感性、消費者ニーズに応じた商品企画
日本の消費は成熟市場と言われていますが、地球規模の気候変動の影響を受け、夏が暑くなり、四季が崩れて夏の期間が長くなっているという変化がありますので、消費市場も変化が見込まれます。
暑い期間を快適に過ごそうとすると、これまでの生活アイテムでは難しくなり、暑さをしのげる何か、暑さバテのときにリカバリーしてくれる何かを、消費者は新しく求めます。さらに、そのニーズは、個々に異なり、それぞれの人の感性に合った商品やサービスが望まれます。
気候や社会の変化に順応するようにヒトの価値観も変化します。変化する消費者の感性やニーズに対応するには、従来の発想だけでは不十分です。新しい発想力や分析力を磨き直し、変化に即した商品企画や戦略を立てることが求められています。そのためには、マーケティングの基本を学び直し、顧客・消費者ニーズの分析を通じて本質的なニーズを掴む力を身につけることが大切といえます。
当協会(日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA))では、社会や顧客のニーズに応じた商品企画をサポートする講座を開催しています。
- ニーズを深く理解するスキルをより高めたい
- 根拠に基づいて商品企画を行い、売れる商品をつくりたい
- マーケティング戦略を顧客起点で行いたい
このような実現を目指す方は、以下のJMLAマーケティング資格講座がおススメです。
消費者ニーズに応じたマーケティングと商品企画ならJMLAマーケティング資格講座
感性マーケティング/マーケティング戦略の基礎/商品企画のための実用資格講座です。
感性マーケティングの実用資格講座『JMLAマーケティング解析士プロフェッショナル 感性』
基礎マーケティングの実用資格講座『JMLAベーシックパスポート』
「商品企画NeoP7システム」の実用資格講座『JMLA商品企画士プロフェッショナル』
事業・マーケティング推進の実務ご支援に関して、
- 顧客起点のリサーチに取り組みたい
- 生活者・消費者向けの商品企画に初めて取り組む
- 商品企画Neo P7/P7に沿ったアンケートに取り組みたい
- 再現性ある企画開発を推進したい
に関するご相談は、JMLA(日本マーケティング・リテラシー協会)にお任せください。

堀内香枝

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