「マクドナルド」と「しまむら」にみる顧客視点の重要性

2019年03月19日森田 広一

最近のマクドナルドには、日本人の感性をくすぐる商品やサービス,エコ取り組みなど感心されるものが多くみられる。
ある時期、問題対応に対する失敗も含め、この先どうなるのだろうと心配した時期もあるが、見事な復活を遂げられた。
その裏には、「GO GEMBA(現場)」をスローガンとする社内改革があったそうだ。

「GO GEMBA(現場)」の掛け声から始まった。

カサノバ社長が、まだ日本人の感性を理解していない時期に問題が発生し、アメリカ流の対応をしたところ、さらなる炎上をしてしまった。

しかし、カサノバ社長の良いところは、「顧客視点」という企業にとって一番大切な考え方を持っていたことだろう。

社内的にも求心力が落ち危機的状況の時、ある女性社員からの「組織の意思決定が遅すぎる。従業員の対話集会を開くべきだ。」という直接のメールに触発され、その社員を中心に対話集会を開き、「GO GEMBA(現場)」というスローガンを作成し、社内団結を高めていったそうだ。

現場を見直すことにより、企業と顧客の間にどのような齟齬が生まれているのかを真摯に理解し、素早く対応する。これこそが、BtoC企業の意あるべき姿だ。そして見過ごしてはいけないのが、日本人という顧客の感性を正しく把握し理解することだ。

どちらがいいとか悪いとかではなく、アメリカ人と日本人とでは、『感性』が違う。

カサノバ社長の「私たちも被害者」といった会見も、アメリカなら正当に評価されたかもしれない。しかし、日本では激しく非難された。

そのことをカサノバ社長が、真に理解し社員の意見を取り入れ改革に臨んだからこそ、今の姿を取り戻したのだ。。

すべては、「顧客視点」から生まれた産物ということだ。

 

一方、「しまむら」は大丈夫だろうか?

一方、しまむらが大苦戦をしている。
業績予想もかなりの下方修正を余儀なくされている。
その要因は何なのだろうか。

それは、マクドナルドと正反対の顧客無視の採算優先戦略をとったことによるのではないだろうか。

しまむらは、在庫負担を減らし、高価格帯商品を充実するという採算性重視の戦略を選択した。
その結果、しまむらの特徴であり、顧客が認めるしまむらの価値を自ら捨ててしまったのではないだろうか。

そもそもしまむらは、数ある商品の中から、「自分だけの目新しい商品を探し出し自分満足する。」という消費者心理をくすぐる仕掛けがSNSなどで拡散し顧客の支持を得てきたはずである。
それなのに商品を大幅に絞り込んで在庫負担を減らすという目先の採算性にとらわれてしまった。

会社が大きくなったり、上場していたりするとよく起こる経営判断絵ではあるが、しまむらの場合は間違いだったといえるのではないだろうか。
自社の特徴・強みは絶対に大切にするべきなのが、マーケティングの鉄則だ。
しまむらが、どのような判断で大きく舵をきったかは知り得ないが、この先どのように修正してくるのか気になるところだ。

「タウンミーティングwithママ」

「サラさん」 カサノバ社長は現在社員やアルバイトからそう呼ばれているそうだ。

顧客との唯一の接点である現場を大切に考え、その現場で働く人たちを大切に考えるからこそ、そうやって親しみを込めて呼ばれるようになったのであろう。

47都道府県で、来店客であるママさんたちに集まってもらい母親としての意見を聞き、マクドナルドとしてできることを一生懸命考える。

この繰り返しにより、包装紙の前面に大きくQRコードを表示し、開示情報に簡単にアクセスできて「きちんと情報開示していて安心」などという、現在のような新商品やサービス、そしてエコ活動が生まれたのだ。

すべては、現場重視の顧客視点による、マーケティングがもたらしたものだ。

そして、顧客視点を重視するからこそ、「日本人の感性」という、厄介だが大切なものを理解したマーケティング戦略が取れるのだ。

 

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森田 広一
広告代理店でマーケティング戦略立案、コンサルティングファームでデータ分析や各種のコンサルティング業務を経験。そこで培われたノウハウを元に人間の「感性」を紐解く独自の分析手法を確立し、そのノウハウを広く世の中に伝えるべく、一般社団法人日本マーケティング・リテラシー協会を設立。目に見えない消費者の深層心理「感性」を数値化し分析することにより、消費者や企業の隠れた欲求を解明し、各種提案やマーケティング戦略立案に役立てる分析体系を教える講座を開設。現在、様々な業種、職種の受講者から評価を得て、大手コンサルティング企業などの昇格必須講座としても認定されている。同時に各種企業のマーケティング・コンサルタントとしても活動中で、現代企業の悩み解決の実質的なサポート活動も継続している。