★感性マーケティングブログ★ セグメンテーションを深める『感性マーケティング』

公開日:2017年05月08日最新更新日:2020年08月22日森田 広一

2020/8/22更新
マーケティング活動を行う上で大事な分析の一つに『セグメンテーション』があります。

セグメンテーションとは、市場に存在する不特定多数の顧客を、同じようなニーズや特性を持つグループに分類し、効率的にマーケティング活動を行えるようにするための手法です。

分かりやすい例としては、女性向け雑誌は、読者ターゲットを年齢別で明確にした内容や、雑誌の名称そのものに使用していたりしますね。

 

『セグメンテーション』のやり方

セグメンテーションを行うために『変数』という顧客一人一人の特徴を区分けするデータを用います。

変数には、「デモグラフィック(人口統計変数)」、「ジオグラフィック(地理的変数)」、「サイコグラフィック(心理的変数)」、という基本的な属性を区分けする変数と、近来急速に進化しているデジタル情報「ビヘイヴィア(行動変数)」が用いられるようになりました。

マーケティングの概念や、理論などは不変ですが、社会の変化や技術の進歩によって、その中身は随時変化してきているということです。このことは、他のマーケティング理論においても見られることなので、追々書いていくこととします。

 

デモグラフィック(人口統計変数)

年齢や性別、職業、所得、家族構成などの人口統計分布による変数のことです。

業界により重視すべき変数が異なります。ご自身の企業や商品が、個人をターゲットにしているのか、家族をターゲットにしているのかなどのより、重視すべき変数を選択しましょう。

 

ジオグラフィック(地理的変数)

顧客の居住する、または勤務する国や地域、市区町村などの地理的変数のことです。

インターネットの普及で、重要視されないこともありますが、気候、経済状況、文化、宗教、政策などによる消費者行動への影響は大きく、家電、衣類、食品など大きく影響を受ける商品などもあり。その為、生産場所や販売拠点など、経営そのものに影響を与える場合もありますので、慎重に考えるべき変数です。

 

サイコグラフィック(心理的変数)

人間は生まれ育った環境や生活スタイルにより、様々な価値観や性格を持っており、そのことによりライフスタイルや消費行動も違ってきます。

この変数を解明し、マーケティング活動に活用する手法を、JMLAでは『感性マーケティング』と呼んでいます。

感性分析を行うと、定量データでは分からなかった行動を引き起こした理由が解明でき、将来予測に基づいた戦略が策定できます。

物があふれ、一人一人の価値観が違い、選択される企業や商品が異なる時代においては、人の本質的価値観=感性という変数を解明することが最も重要になっています。

 

ビヘイヴィア(行動変数)

ITの発展により、過去の購買状況や使用頻度などの購買履歴やインターネット上のアクセス履歴が的確に分析できるようになり、セグメンテーションの新たな変数として活用されています。

きめ細かな定量データとして、今後益々活用されていく変数といえます。

 

自社の優位性を引き出す

そもそもセグメンテーションとは、企業にとって限られた資源(人、物、金)を最大有効活用するために生まれた考え方ですので、セグメンテーションを行うことで、自社や自社商品の強みが発揮できるターゲットとなっていなくてはいけません。

その為には、セグメンテーションを行う際には、自社や自社商品の特徴・強み・優位性などを明確にして、それらの強みを発揮できるターゲットを抽出するセグメンテーションが必要となります。

 

セグメンテーションを深めるためには「感性(心理)」の追及が大切

セグメンテーションの定め方も時代とともに変化してきていると書きましたが、人間の価値観や、嗜好を把握する心理的変数は、その人のモノの選別や行動に与える影響が大きいので、セグメンテーションのデータとしては最も重視すべきものです。

IT化により行動変数がデータ化されたとはいえ、その行動を生む原因となっているのは、人の感性(心理)だからです。

マーケッターとして、市場の変化に常に着目し、目的と用途に応じた適切なセグメンテーションが行えるようにしましょう。

 

自らが求める目標達成には、それなりの準備と戦略が必要です。ただやみくもにやればよいというものではありません。

ビジネス社会で成功させるためには、マーケティングの知識と活用力は重要です。

皆さまも「マーケティング」に興味を持ってみてはいかがですか。

必ずご自分のお仕事に活かされますよ。

 

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広告代理店でマーケティング戦略立案、コンサルティングファームでデータ分析や各種のコンサルティング業務を経験。そこで培われたノウハウを元に人間の「感性」を紐解く独自の分析手法を確立し、そのノウハウを広く世の中に伝えるべく、一般社団法人日本マーケティング・リテラシー協会を設立。目に見えない消費者の深層心理「感性」を数値化し分析することにより、消費者や企業の隠れた欲求を解明し、各種提案やマーケティング戦略立案に役立てる分析体系を教える講座を開設。現在、様々な業種、職種の受講者から評価を得て、大手コンサルティング企業などの昇格必須講座としても認定されている。同時に各種企業のマーケティング・コンサルタントとしても活動中で、現代企業の悩み解決の実質的なサポート活動も継続している。