外国人観光客が集まる店と集まらない店

公開日:2018年08月25日最新更新日:2018年08月25日堀内香枝

築地場外から築地場内に集まる外国人観光客

築地場内は、玄人が商売をする市場エリア、築地場外は、鮮魚店や飲食店などが立ち並ぶ、一般客を対象としたエリアです。

午前中の場内は、縦横無尽に走りまわる「ターレ」(運搬車:畳一畳分程度の荷台にその先頭部分にハンドルを伴った円筒形の動力部が付いた運搬車)や、トラックや車の往来、その間を人がすり抜けながら歩いている姿などと鮮魚のにおい、市場らしい光景を見られます。

 
「ターレ」

 
最近何度か、築地に足を運ぶ機会があり、場外・場内に立ち寄るたびに、外国人観光客が日増しに増えています。

彼らは、場外では物足りないのでしょう。
場内のあちらこちらで、カメラ撮影をしている姿が見られます。
ターレの行き交う様子や、慌ただしい市場の様子を熱心に撮影しています。

私が数日前に訪れた平日の昼前の時間帯は、場内の飲食店前に外国人観光客の行列ができて、日本人はほとんどいませんでした。

築地場内の飲食店が寿司屋に入れ替わる

場内に訪れる海外からの観光客数が増えるにつれ、以前は古い洋食屋だったところが、真新しく小ぎれいな寿司を食べられる店に入れ替わったりと、十数年前から知っている築地場内の景色が変化しています。

私個人としては、好きだった洋食屋がなくなって残念ですが、やはり、寿司屋の方が海外のお客さま向けには、人気があるのでしょう。

今は、場内もセリ場・卸売場を除いては、観光地です。

物足りないと感じていることな何か

古い味のある店が入れ替わり、これまでの築地場内に親しみのある私にとっては、場内の景色が変わり淋しい気持ちです。
同じような思いを持っている日本人の方は、たくさんいらっしゃると思います。

一方で、外国人観光客はみなさん満足されているでしょうか?
寿司屋を増やしただけでは、満足しないはずです。

話を急に変えますが、ラーメンの「一蘭」に来店した外国人観光客がオーダー用紙を持って帰る話は有名ですね。
ラーメン屋ならどこでもいい、というわけではないのです。

同じように、築地市場に来て、寿司屋ならどこでもいい、というわけではないのです。

インバウンド戦略の課題

築地場内から場外へぐるっと歩くと、これほど観光客が押し寄せているにもかかわらず、混んでいる店と混んでいない店があります。
混んでいない店に魅力がないわけではないと思います。
要因の一つは、SNSやWebサイトなどでの情報が少ないのでしょう。

インバウンド(訪日外国人旅行客)の数の増加という報道は日々目にしますが、実態を細かく見ていくと、インバウンドの取り組みはこれからといった印象を受けます。

一部の店だけ流行っても町全体、エリア全体に元気がないと活力を感じさせることはできません。
また、日本人に愛されていた地域に、訪日外国人が大勢押し寄せてきて、日本人が来なくなったというのでは、日本らしさを次第に損なっていってしまうでしょう。

持続可能なインバウンド戦略を目指すには、愛してくれている人たちが離れないような本質を提供できる仕組みづくりが鍵といえそうです。
そのためには、「物足りないことは何か」本音を探ることが大切だと考えます。

 

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女性の感性を活かした調査設計や市場動向の分析により、お客さまの深層心理「感性」の解明を得意とします。コンサルティングファームで食品メーカー、外食産業、エステティック産業、通販企業、冠婚葬祭業、工作機械メーカーなど幅広い業種のマーケティング・コンサルティング業務を経験しました。これまで培った経験を元に、一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)設立に参画し、感性マーケティング『マーケティング解析士』講座カリキュラム策定に携わりました。現在は、『マーケティング解析士』講座の講師活動を行っています。同時に、企業様のマーケティング課題解決のサポート活動を継続しています。