ビジネスにおける『ワン・チーム』創出にスポーツ心理学を活用する

2019年11月12日森田 広一

ラグビーワールドカップでの日本代表の目覚ましい活躍は、いまだに多くの方が口にする。惜しくも南アフリカに敗れ、ベスト8にとどまったがその戦いは日本人のラグビーに対する認識を一変させた。「にわかファン」という言葉もこれから様々な場面で使われそうだ。

しかし、日本代表の覚醒は前回のワールドカップから起きていたのは、ラグビーファンなら強く認識している事だろう。

4年前のワールドカップまでのラグビー日本代表は、出場したワールドカップ24年の歴史の中で、たった1勝しかしていなかった。その間には志半ばで倒れた宿沢氏や平尾氏などの日本ラグビーを世界に通用させるという強い思いと改革があったが、思いは成しえていなかった。

では、そのようなラグビー日本代表が、世界の強豪に肩を並べる強さをどうやって身に付けたのだろうか?!当然のことフィジカルや技術を強くすることはどんなスポーツにも共通することだが、今回はメンタルの視点からビジネスに役立つポイントを確認する。

ラグビー日本代表の覚醒は、「ブライトンの奇跡」から始まっていた

今回日本代表が負けてしまった南アフリカチームですが、4年前のワールドカップでは勝利しているのです。それまで日本代表は冒頭に書いたように、24年間でわずか1勝しかしていませんでした。なおかつ南アフリカは、優勝もしている「ティア1」と呼ばれる階級に属するトップチームです。誰もが善戦は期待していても勝利するとは思っていませんでした。

実際、試合も終了3分前までは南アフリカが3点リードしていました。ところがそこから奇跡が起こったのです。終了3分前に敵陣深い位置で日本代表はペナルティを得ました。そのペナルティーはペナルティーキック(成功すると3点取れる)を狙えるものでした。当然当時のエディーヘッドコーチは「ショット(ペナルティーゴールで同点にしろ)」と指示しました。しかし、選手が選択したのは「スクラム」。つまり5点を取りに行ったのです。その結果見事にトライに成功し、奇跡の逆転劇が生まれたのです。

実はその時、誰よりも喜んでいたのが、ラグビー日本代表のメンタルコーチを務めていた荒木教授でした。荒木コーチはアメリカでスポーツ心理学を学び、エディー氏に請われ日本代表のメンタル改革に取り組んだ方です。

ご自分が科学的アプローチにより、意識改革を行った選手たちが「自らの意志で、主体性を持ってトライを取りにいった」ことは、ご自身のメンタル改革が実を結んだ瞬間だったからです。

荒木氏がメンタルコーチに就任した当時の日本代表選手は、「ワールドカップで自分たちが勝利するのは無理だ」というネガティブな思考しか持っていなかった。そこで「どうせ無理だろう」を「俺たちにもできる」という意識に変換するアプローチを行ったのです。

その改革手法こそ、「変革型リーダーシップ」です。

 

「ワン・チーム」を作る「変革型リーダーシップ」

「変革型リーダーシップ」とは、旧来型の「黙って俺についてこい」という牽引的なリーダーシップとは異なり、「理想的な影響力」「モチベーションの鼓舞」「思考力への刺激」「個人への配慮」という4つの要素から成り立つ調査・統計・分析などの心理学的・科学的アプローチから生まれたものです。

これにより、チームのメンバー全員が組織のために最も能力を発揮することが可能になるのです。そして「ワン・チーム」が出来上がるのです。

当時の代表でリーダーシップを発揮していた選手は4人いたのですが、それぞれが4つのリーダー要素に強弱がありました。そこで、4人をリーダーズグループとしてリーダーとしての役割を分担して担当させ、組織力の底上げに着手したのです。

その結果フィジカルや技術の向上は当たり前ですが、意識が大きく変革したことにより、選手たちが自ら「勝つために」行動を始めたのです。

その成果が、南アフリカに勝利するという歴史的大金星を挙げることになったのです。

 

現代社会人の意識改革・モチベーションアップに「変革型リーダーシップ」

現代社会は、社会全体が裕福になり、モノがあふれ、お金もそこそこもらえ、車も家もあるというような状態です。経済二極化と言われ、老後の生活への心配や備えと言ったことも有りますが、昔に比べればはるかに安定した生活を国民全体が過ごせているのは事実です。

そんな社会で育ってきた若者が、働くことに対する意識が中高年と異なるのは当然のことです。

中高年のように目の色を変えてお金を稼ぐことにあくせくすることはありません。「効率よく働き、自分を成長させ、他人に認めてもらう。そのステップ上に仕事がある」というような考えになるのは致し方ない事実です。

ですから、自分が成長できる職場・会社ではないと判断するとさっさとやめてしまう・転職するという現象が起きているのです。

ですから、ビジネスの世界でも旧来型の「黙って俺についてこい」的なリーダーシップでは若者はついてきません。

リーダーとして必要な4つの要素を常に頭の中に置き、今やっている仕事がどのように社会に・人に役立つのか、どのようにして課題を解決していくのか、その結果どのようにステップアップできるのか、更に悩みがあれば相談に乗るという行動を率先して実行していくことがリーダーに求められる時代なのです。

なかなか一朝一夕ではできないかもしれません。その場合はラグビー日本代表のようにリーダー同士で役割分担をして得意な分野を強化する事から始めればよいのです。意志が統一されれば、目的に対する理想像も共有され、必ずや目的は達成されるはずです。ぜひ「ワン・チーム創出」を目指して、今日から「変革型リーダー」を目指してください。

但し、そこには競争社会で勝ち残る企業としての課題解決のステップや手法を正しく知っておくことも併せて重要になります。

それが、マーケティングです。

 

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必ずご自分のお仕事に活かされますよ。

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森田 広一
広告代理店でマーケティング戦略立案、コンサルティングファームでデータ分析や各種のコンサルティング業務を経験。そこで培われたノウハウを元に人間の「感性」を紐解く独自の分析手法を確立し、そのノウハウを広く世の中に伝えるべく、一般社団法人日本マーケティング・リテラシー協会を設立。目に見えない消費者の深層心理「感性」を数値化し分析することにより、消費者や企業の隠れた欲求を解明し、各種提案やマーケティング戦略立案に役立てる分析体系を教える講座を開設。現在、様々な業種、職種の受講者から評価を得て、大手コンサルティング企業などの昇格必須講座としても認定されている。同時に各種企業のマーケティング・コンサルタントとしても活動中で、現代企業の悩み解決の実質的なサポート活動も継続している。