わかる!シリーズ(1-4):ある日の相談風景(後編)

公開日:2020年08月20日最新更新日:2020年08月22日堀内香枝

今回は、「WAKU LABO わかる!シリーズ」(動画)の「第1回 :なぜ商品開発に失敗するのか?(約14分)」の解説4として、「ある日の相談風景(後編)」がテーマです。

相談風景(前編のふりかえり)

健康食品メーカーの社員2名の相談者から「”ミネバラ”という女性向けの健康食品が売れなくて困っているんです。」と(神田名誉教授に)相談が持ち込まれたという相談風景を、前回の前編でご紹介しましたので、相談内容を振り返ってみましょう。

 

女性向き健康食品「ミネバラ」が売れなくて困っているんです!

健康に関心のある女性向きの栄養補助食品でして、体内のミネラルのバランスを最適に調整して疲れにくい体を作るという狙いなのですが。。。。。。。いろいろな成分が入っています。

3回、社内の女性にグループインタビューをやって、学界の権威の先生にも相談して成分の調整もしたんですが。。。。。

コンセプトは研究開発で決めて、インタビューでは試作品を食べてもらい、そこで出た意見から本格的な開発を始めることができました。

部署内でブレーンストーミングした時に案が2、3ありましたが、いずれも弱かったし、他社の商品に似てきてしまうので、どうも。。。。

女性の人数は全体の4分の1でしょうか。でも事務的な仕事が多いですね。うちは大体女性の商品企画担当者は昔から少ないですね。。

 

 

 

「ミネバラ」売れない10の理由

  1. 商品「ミネラ」。濁音が女性向きでない。
  2. 健康食品と言っても味がまずいものは、長続きしないので売れない。
  3. パッケージデザインが普通すぎると売場でユーザーが手に取らない。
  4. 健康に関心のある女性は年齢を問わず極めて多いのでターゲットにならない
  5. ミネラルのバランス」というコンセプトがわかりにくい。
  6. 社内の女性のみのインタビューは顧客ニーズをつかめていない。
  7. 研究開発(シーズ)からの提案でコンセプトを決めるはニーズ不明で危険。
  8. 定量調査がなく、システマティックな方法になっていない。
  9. 2、3のアイデア出しは質・量共に失敗しやすい。
  10. 女性向き商品を男性主導では失敗しやすい。

 

 

現象と原因

相談風景という会話から10の問題が挙がりました。
よく見ると、その10の理由はさらに現象と原因に分けられます。

売れないという結果に対して、具体的な現象は、いくつか悪い点が挙げられています。

  • ターゲット
  • コンセプト
  • 商品名
  • パッケージデザイン

 

これら悪い現象を生み出した原因として考えられるのは、会話の中から5つピックアップできるのではないでしょうか。

 

  • ターゲットのニーズをきちんと理解していない、(技術優先で)ニーズ不在の商品開発を行っている
  • システマティックなプロセスを踏んで商品企画を行っていない
  • 調査対象者をきちんと設計できていない
  • アイデアの質が低く、量が少ない
  • 技術志向の開発を行っている

 

だんだんとどんな商品企画をするのがよいのか、見えてきた気がしませんか?

(つづく)

系統だった商品企画にご興味をお持ちになった方向けに、いくつかメニューをご用意していますので、ご活用ください。

すべてにおいてNeo P7という技術を用います。

 

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「WAKU LABO わかる!シリーズ」(無料動画)

「WAKU LABO わかる!シリーズ」(無料動画)
動画はこちらよりご覧いただけます。

「第1回 :なぜ商品開発に失敗するのか?(約14分)」を、5つに分けてブログで解説しています。順番にご覧ください。

1-1 商品企画体系Neo P7の紹介
1-2 商品開発の成功率が低い原因
1-3 ある日の相談風景(全編)
1-4 ある日の相談風景(後編)
1-5「売れない」理由と改良ポイント【まとめ】

「第2回:開発に失敗しないためには(約12分)」を、4つに分けてブログで解説しています。順番にご覧ください。

2-1 感動商品をシステマティックに創造する方法
2-2 システマティックなやり方を行う
2-3 定性的手法と定量的手法を巧みに組み合わせる
2-4 究極は3つのポイントをおさえる

「第3回:このようなプロセスでやってみよう(約20分)」の解説ブログもお楽しみに!

 

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女性の感性を活かした調査設計や市場動向の分析により、お客さまの深層心理「感性」の解明を得意とします。コンサルティングファームで食品メーカー、外食産業、エステティック産業、通販企業、冠婚葬祭業、工作機械メーカーなど幅広い業種のマーケティング・コンサルティング業務を経験しました。これまで培った経験を元に、一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)設立に参画し、感性マーケティング『マーケティング解析士』講座カリキュラム策定に携わりました。現在は、『マーケティング解析士』講座の講師活動を行っています。同時に、企業様のマーケティング課題解決のサポート活動を継続しています。