春の花々からパワーチャージ~購入や利用の決め手に影響する感性を刺激する色彩心理~

公開日:2023年04月02日最新更新日:2023年04月18日堀内香枝

色の効果は医療などの専門機関でリハビリ療法などにも活用されているので、その効果は検証済みです。マーケティング活動に有用でないはずはありませんね。

今回は、「色の力を暮らしに活かす」価値づくりのヒントを考えてみたいと思います。

           

このようなことを考えている方・探している方に役立ちます。

・顧客の色の好みによる心理的影響を捉えたいと考えている
・曖昧な人間の感性を数値化して商品開発に生かせる方法を探している
・色の力を借りて自分自身に活かしたい(身心の健康保持や良い発想を得るなど)

          

花を観賞しながら、香りを楽しみながら散歩すると脳が刺激される

桜のシーズンになると、公園や道端の花壇にも春の花々が一斉に咲き、様々な色合いが咲きほころい華やぎます。

皆さんは、どの花が好きですか?
桜、チューリップ、コスモス、パンジー、チューリップなど色々思い浮かべることでしょう。

人間は、五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)によって、花やハーブなどの植物と接することで、脳を刺激して活性化する効果があることが知られています。
花を眺めているとなんか元気をもらうような気がしますよね。

私は、週末に墨田川沿いを散策しました。

            

                  

東京都が管理する墨田川テラスの花壇に、チューリップやビオラ、ガーデンシクラメン、パンジー、ストック、スイートアリッサム、リナリアなどの可愛らしい彩り鮮やかな花々が咲いていました。
聖路加タワーの隅田川側の桜並木には、お昼時ということもあり、花見をしながらお弁当を食べようという人たちが階段に席をとっていました。

3月~4月は、仕事上の年度替わりで多忙な時期を過ごしている人も多いと思います。あえて数分でも花を愛でる時間をつくって、リフレッシュすると、仕事がはかどったり、良いアイデアがきっと湧くことでしょう。

               

さまざまなところで活かされている色の力

色には人の心理に働きかけ、元気づけたり、落ち着かせたり、癒しを与えるといった作用があります。色には人の心を動かす力があります。

たとえば、

・ビジネスの重要な討議の場で、円滑に進行したいときは「青」のネクタイで知的さ、冷静さを演出。

・セールや売り出しの告知で、「黄みがかった赤」を使用。

・高級感を感じやすい「ダークな赤」や「少しグレーがかった赤」をインテリアに使用。

・政治家が演説する際、大衆に情熱的でパワフルな印象を与えたいときは「赤」のネクタイ。

などです。

マーケティングの世界でも活用しない手はありませんよね。

          

            

自然光が左右する色彩の好みに関する地域差

ところで、色は光が無いと見えません。
光には、自然光(太陽光や月の光)や照明(人工的な)などあります。

「自然光」は地域によって差があり、その差が人々に影響を与えていることはご存じですか。
「自然光」によって、色彩の嗜好に地域差を生む要因を説明します。

         

「自然光」が色彩の好みに影響する5つの要因

  1. 気温差
  2. 湿度差
  3. 日照時間の差
  4. 土質色の差
  5. 地球的なマクロ的な、自然光の緯度の差

             

5番の「自然光の緯度の差」を補足します。

       

図:「風土色と嗜好色(佐藤郁夫著)図1 太陽光線と照度と色温度に起きる緯度遷移」を元に筆者編集加工

              

地球と太陽の関係で、1年を通じて平均して赤道地域は強い光を受け、そこから緯度が高くなるほど照度が低くなります。
太陽光線が大気圏を通過する距離は、赤道地域では短くなります。反対に、緯度が高くなる地域ほど(赤道から離れて南北両極に近づく地域ほど)光が大気圏を通過する距離が長くなります。

このことが、地球規模で「見える色」の地域差を生みます。

「生まれ育った地域によって、慣れ親しんだ色(ふるさと色)に差異が生じる」のは、上記5番の「自然光の緯度の差」や、上記1~4の要因が影響しているのです。

日本は南北に長い島国です。ですから北の方に生まれ育った人は、淡い薄い色彩が好きで、南の方で生まれ育った人は、濃い色彩が好きになる傾向があります。
このことは商品パッケージの色合いなどに活用されています。

             

日本の伝統色の普及と日本の伝統産業は共に歩み成立した

また、日本の伝統産業に「藍染(あいぞめ)」がありますが、染める回数によって色名が付けられていることも驚きです。

        

        

「瓶覗(かめのぞき)色」・・・藍染を1回染めた段階の色。やわらかい緑みの青。瓶をのぞきこんだくらいで少し染まったところからついたといわれています。

「浅葱(あさぎ)色」・・・3~4回染めた段階の色。明るい緑みの青。浅葱(あさぎ)は、若い葱(ねぎ)の葉の色を指します。

「納戸(なんど)色」・・・7~8回染めた段階の色。
「縹(はなだ)色」・・・9~10回染めた段階の色。
「紺(こん)色」・・・16~18回染めた段階の色。
「褐(かち)色」・・・19~23回染めた段階の色。

いかがでしょう。四季があることにより、世界一五感が鋭敏な民族と言われる日本人が、繊細な色の世界を見出し、美しく風雅な色名をつけたことが窺える一例です。

             

まとめ~購入や利用の決め手に影響する感性を刺激する色彩心理~

歴史からみても、色は産業と密接な関係にあり、それは、顧客が「欲しい!」「買いたい!」「利用し続けたい!」とポジティブに反応してくれるかどうかにも影響を与えることを意味します。

つまり、暮らしにおいて、色には人の心理に働きかけ、元気づけたり、落ち着かせたり、癒しを与えるといった作用があります。
それは、自社の商品やサービス、あるいは、自社ブランドを、何色で表現するかによって、顧客が受け取る印象が変わるということです。

色を研究している機関と相談しながら、会社の色、商品の色を検討することは意味のあることです。そこで忘れてはならないのは、顧客がどう感じるかについても、把握することです。顧客の感性をしっかり掴みましょう。

色の好みを含め、顧客が購入を決定する基準は、合理的側面と感性的側面の両面からです。感性はどのようにつかむのが良いでしょう。顧客の感性をしっかりと掴む方法から、収集した顧客の感性データを数値化して分析し、体系立てて戦略を立案するということはこれからのマーケティング活動に必須のスキルだと言えます。

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女性の感性を活かした調査設計や市場動向の分析により、お客さまの深層心理「感性」の解明を得意とします。コンサルティングファームで食品メーカー、外食産業、エステティック産業、通販企業、冠婚葬祭業、工作機械メーカーなど幅広い業種のマーケティング・コンサルティング業務を経験しました。これまで培った経験を元に、一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)設立に参画し、感性マーケティング『マーケティング解析士』講座カリキュラム策定に携わりました。現在は、『マーケティング解析士』講座の講師活動を行っています。同時に、企業様のマーケティング課題解決のサポート活動を継続しています。