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堀内香枝 について

女性の感性を活かした調査設計や市場動向の分析により、お客さまの深層心理「感性」の解明を得意とします。コンサルティングファームで食品メーカー、外食産業、エステティック産業、通販企業、冠婚葬祭業、工作機械メーカーなど幅広い業種のマーケティング・コンサルティング業務を経験しました。これまで培った経験を元に、一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)設立に参画し、感性マーケティング『マーケティング解析士』講座カリキュラム策定に携わりました。現在は、『マーケティング解析士』講座の講師活動を行っています。同時に、企業様のマーケティング課題解決のサポート活動を継続しています。

顧客経験価値をデザインする

「感性」は未来のビジネスに必要不可欠

感性とは、「外部刺激に対する人の心の反応とそれを表現する能力」です。

ビッグデータの解析やAI(人工知能)が進化しても、人間の意思決定や創造力は特有で、人間にしか表現できません。

製品開発の過程において、数えきれないほどの実験と失敗を繰り返し、材料の選択、加工、構造、形状などの最適解にたどり着くのは、緻密な分析と感性による意思決定を繰り返した結果です。
漫然と目的や意識を持たず続けるわけではありません。

イノベーションを起こす過程において、新結合※させる最適な組み合わせも緻密な分析と感性による意思決定により行われます。
※新結合:シュンペーター(イノベーションの父、経済学者)は、「イノベーションは新結合である」と定義しています。

映像や音楽、デザインやマークは当然のごとく感性による創造物です。

これらのように、「感性」はビジネス、経営、マーケティング、知的財産、ブランディングと密接な関係にあります。

「感性」は、工学の分野、芸術や人文科学の分野、心理学や精神医学の分野などでも研究されています。

「感性」を戦略的にマネジメントするヒント

顧客経験価値マネジメントの提唱者シュミットは、次のモジュールを総合的に向上させ、顧客の経験をデザインすることが重要だと説いています。

シュミットの戦略的経験価値モジュール(SEM:Strategic Experiential Module)

▶ Sence(感覚的経験価値):
五感を通じて感じるもので、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚に刺激を与える。

▶ Feel(情緒的経験価値):
情緒的経験価値は気分と感情に分かれる。
気分は理由が特定されない状態を指し、感情はレベルや動きを示す。よって感情に刺激を与える。

▶ Tink(知的経験価値):
顧客が言葉や刺激に触発され、連想、好奇心、驚きを促進させ、新しい知識を得て深く思考し、顧客がブランドに対して創造的・ポジティブな志向になるよう導く。

▶ Act(行動的経験価値):
顧客が実際に体験したり、接触したり、利用・使用したりして得られる価値を指す。
ブランドストーリーを描きコントロールする。

▶ Relate(関係的経験価値):
顧客の自己とブランドの世界観(社会や文化)の文脈とを結びつける。

「経験価値」をお客様サービスとして具現化している有名な例に「ザ・リッツ・カールトン」が挙げられます。

このようなフレームワークを使い「感性」をマネジメントする方法や、知的財産として法的保護を受ける方法が考えられます。

特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、不正競争防止法により、感性価値を知的財産として保護することができます。

商標法が2014年、2015年に改正され、保護対象が拡大したことや、意匠法が2019年の国会で保護対象の拡大が可決されたことからも、「感性」という曖昧な存在が、ビジネスや経済活動において、重要性を増している証といえます。

「感性」情報を計算できる数字にする

ビジネスの仕組みが高度化・グローバル化するにつれ、またデジタル社会が進化するにつれ、計算しやすい数値データが主流となり、計算できない「感性」は曖昧な存在として軽視されてきました。

弊会(JMLA)では、改めて経営に与える「感性」の影響力を見直すべきであるという考えのもと、経営を具現化するマーケティング活動に「感性」を取り込む感性マーケティングの考え方と実践方法を体系化したメソッドを保有し、人財育成および事業支援を行っています。「感性」情報は定量化することで、意思決定に非常に役立ちます。

これまでに事業支援をさせていただいたお客様に多かったお悩み:
1. 顧客の「建前」ではなく「本音」を知る
2. 社員意見を建設的な意見にまとめベクトルを合わせる
3. 10年後の会社の姿を描くためのストーリーをつくる
4. 新しい事業・商品を創れないを解決する
5. 顧客履歴やPOSデータから見つけられない新たなターゲットを発掘する
6. 発信する魅力を具現化、言語化する
7. 何から手を付けてよいか分からない状態から成果を出さねばならないを解決する

ご支援は、コンサルティング形態と企業の方々と共同で進めるプロジェクト形態から選択可能です。
中でも新規事業の創出や新商品企画は、プロジェクト形態をお勧めします。
知識やノウハウを自分たちのものにしていただけるノウハウの伝授とサポートを実施しますので、自分たちで新規事業の創出や新商品開発を行えるようになります。

ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。

ブログ「感性マーケティングとは」

「美意識」と「微意識」の感性の違い

そろそろ浴衣の季節でしょうか

今年の夏は、「浴衣(ゆかた)」を着ますか?
夏祭りや花火といったイベント情報の写真には、たいてい浴衣姿のモデルさんが映っているので
ついつい見入ってしまいます。

「浴衣」が今のファッションとして着られるようになるまで、
古代    神事に関わる衣装
平安時代  貴族が沐浴のために着る内衣(ないえ)・インナー
武士の時代 入浴後の”汗取り”(≒バスローブ)
江戸時代  長屋(自宅)から銭湯に行くまでの外出着
と役割が時代時代によって進化してきました。

外出着として着用されるようになって初めて、江戸っ子の気質に合うデザインが生まれ、今日に至るのですね。

日本の伝統衣料「ゆかた」の振興普及を行っている「日本ゆかた文化協会」さんは、2020年の東京オリンピックで、オリンピック会場がゆかた姿の観客でいっぱいになることを目指して、ゆかた着付け講座や、モデル体験イベント、ゆかたイベント開催者に大量レンタルサービスを行っているようです。
ご興味をお持ちの方はお問合せしてみてはいかがでしょうか。

話を戻しますと、あなたなら、どんなカラー、デザインの浴衣を選びますか?

あなたなら何色を選びますか?

今や浴衣のカラーやデザインは、和洋中と世界中のどのような人でも子供から大人まで、自分の好みに合うものが選べるほどバラエティに富んでいます。

和色が好みですか?洋色が好みですか?
私は青色が好きです。青色を好きな人は相当数いらっしゃるでしょう。
しかし、青色の中でも好みは分かれるでしょう。
マリンブルー、ターコイズブルー、スカイブルー、シアン、コバルトブルー、ネイビー、紺碧、瑠璃色、紺・・・
世界の伝統色の名前とカラーコード」に青系はまだまだあります。

色の好みは、国による文化の違いも影響します。
例えば、「緑色」。
アイルランドでは、国を象徴する色。
インドネシアでは、禁止の意。
メキシコでは、独立。
チリでは、希望。
日本では、エコ、平和。
イスラムでは、繁栄。
ヒンデウゥでは、愛。
中国では、不貞。
欧米では、若さ。

ですから、好みは千差万別なのでしょう。面白いですね。

余談になりますが青つながりで、江戸時代の「青」をテーマに、渋谷区の2つの美術館が連携企画展を開催しているようです。
陶磁器専門の戸栗美術館・・・「青のあるくらし 江戸を染める伊万里焼」(2019/7/2~9/22)
浮世絵専門の太田記念美術館・・・「青のあるくらし 着物・器・雑貨」(2019/7/2~28)

シンメトリーとアシンメトリーに見る「び」意識

シンメトリー  : 左右対称であること。(西洋文化)
アシンメトリー : 非対称、不均衡であること。(日本文化)

統計の正規分布は、シンメトリーですね。

日本文化は、アシンメトリーを美と捉え、微と妙の感性を育んできました。
完璧なシメトリーではない、不足や不完全を心の中で完成させることを味わう文化です。
曖昧さの美学(微学)で、人それぞれの感性に委ねる部分を残しておくというわけです。

不完全さに面白味や深味を見出してきたのが日本文化です。
この味を楽しむためには、侘び寂び(わびさび)や粋、茶心など、微と妙の感性が必要となります。
この微妙な感性によって生み出されたものやことが、諸外国の方々に魅力を感じてもらえるところなのでしょう。

この感性を日頃のお仕事に生かしてみてはいかがでしょうか。
当会では、『感性マーケティング』を学べる資格講座を開催しています。
ご興味をお持ちの方は、こちら↓もご覧ください。
JMLAマーケティング解析士プロフェッショナル 感性 』を見る

JMLA資格講座体系を見る
感性マーケティングの事業支援サービスを見る

「do it yourself」コト消費を楽しむ時代

あなたはDIY派?日曜大工派?

「DIY」、よく耳にしますね。「do it yourself」の略ですが、モノ消費からコト消費に移り変わるとともに、人気がますます高まっています。
「日曜大工」という言葉の方が慣れ親しんでいるという方もいるかもしれません。

日テレ系のDIY番組は、私は好きで見ています。
「有吉ゼミ」(日テレ)「ヒロミの八王子リホーム」
「幸せ!ボンビーガール」(日テレ)ファッションモデルの森泉さんの出張DIY
など。

番組内では、専門工具も多く登場するので、リフォームやリメイクが本格的。
専門の会社でしか購入できなかったような工具が、今では、ホームセンターに行くと、かなりの数の工具が入手できます。

家の内装やインテリア、小物、または、庭造り、すべてDIYという方もいれば、一部DIYを楽しむという方、様々でしょうが、オリジナリティのある世界観は、その人その人の感性で生み出されますね。

「坂上&指原のつぶれない店」で紹介された「ジョイフル本田」の戦略

あなたの家の近くにはどんなホームセンターがありますか?
DIYをするとき、どのホームセンターを利用しますか?

ホームセンター業界 売上高ランキング(2018-19)
※売上および店舗数は各社サイトより

1位 ニトリHD             6,081億円|576店舗
2位 DCMホールディングス       4,458億円|671店舗
3位 コメリ              3,468億円|1,192店舗
4位 コーナン商事           3,195億円|356店舗
5位 ナフコ              2,232億円|366店舗
6位 LIXILグループ(株式会社LIXILビバ) 1,809億円|98店舗
7位 ジョイフル本田          1,487億円|21店舗
8位 島忠               1,402億円|59店舗
9位 ケーヨー             1,148億円|177店舗
10位 アークランドサカモト(ホームセンター部門)    623億円|41店舗

7位の「ジョイフル本田」の戦略は「大型店主義戦略」。
「欲しいモノが見つかる」をコンセプトに、22万点を超える豊富な品揃えで、客単価を上げる戦略をとっています。
上記の上位企業と比較して圧倒的に店舗数は少ないですが、21店舗で年商約1,500億円、1店舗あたり平均70億円超を稼ぎ出していることになります。
各店舗の敷地面積は、平均すると東京ドームの2.3個分だそうです。

一方、3位の「コメリ」の店舗数の多さも目を引きます。
元々のターゲットは農村部「農業をする人たち」で、そのため、業務用品を取り揃えています。
売場面積が1,000m2と一般的なホームセンターより小型で、チェーン展開を前提に開発されており、他社が進出できない人口1万人程度の小商圏にも出店する戦略をとっています。
大型店と不用意な競争をせずに済みます。
全国有数の農業地帯が広がる新潟県(三条市)で創業した「コメリ」だから選択した戦略といえます。

自社の強みを突き詰めているからこそ、成長戦略にチャレンジし続けることができるのだと思います。

成長戦略の裏側

成長している企業は、目立ちます。
目立つということはポジションが明確だからです。
生活者や顧客企業が、何かしたいと思った時、何かに困ったとき、あそこに相談しよう、あそこを見に行ってみよう、と思い浮かべることができるブランドです。

ブランドは広告のみで形成されるものではなく、地道な努力と実績の積み重ねで築き上げられる無形資産であることは言わずもがなです。地道なマーケティング活動が必須です。

そのマーケティング活動の方向を見誤らないために必要な戦略立案のための分析が、3C分析やSTP分析です。

3C分析
:customer(市場、顧客)
:company(自社)
:competitor(競合)

STP分析
:segmentation(セグメント化)
:targeting(ターゲット選定)
:positioning(自社の競争優位な立ち位置の明確化)

お客様の顕在・潜在ニーズに対して、自社が提供できることで可能な限り競争しないマーケット、あらゆる企業がそういうマーケットを日々探していますね。
ですから、3C/STP思考を身に着けておくことはビジネス上、大変有用です。

3C/STP思考を身に着けたい方は下記もご覧ください。
『JMLAベーシックパスポート』講座を見る
JMLA資格講座体系はこちら
マーケティング事業支援はこちら

SDGsとマーケティング

国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」

最近、中小企業にも「SDGs」が浸透し始めてきたと感じます。

政府発表の『拡大版SDGsアクションプラン2019(令和元年6月)』にも、
冒頭『SDGs実施方針』の中に、
Ⅰ.SDGsと連動する「Society5.0」の推進」第二項目に
「中小企業のSDGs取組強化のための関係団体・地域、金融機関との連携を強化」とあります。

自社で取り組めることは何だろうか?

17のゴールと169のターゲット、そして169のターゲットを更に具体的にした244の指標
(総務省 持続可能な開発目標(SDGs)2019年4月更新 指標外務省仮訳
は、Excel版かPDF版をダウンロードすると確認できます。

小規模・零細企業において、SDGsの取組みは2つの方向で考えることができると思います。
一つは、自社で取り組めることから始める。
もう一つは、既に取り組んでいる企業の商品やサービスを利用することで、間接的に自社も取り組みに参画する。

自社がこれまで当たり前のこととして取り組んできたことを、SDGsの枠組みにあてはめて見える化すると、今後10年の経営や事業戦略を更新することに繋がるかもしれません。

ロゴは使えるの?

SDGsのロゴは、「SDGs ロゴ」で検索すると、「SDGsのロゴ|国際連合広報センター」が上位表示されます。

アクセスすると、ダウンロード用のロゴが用意されていますが、ロゴの使用は、同じサイト内からダウンロードできるガイドラインに沿って使用する必要があり、下記のように記載されています。

「各国政府や政府間機関、非営利組織、民間セクターを含め、国連システム以外の主体は、以下に定める要件に従い、かつ、各主体が必要書類を提出することを条件に、SDGsロゴ(国連エンブレムのないバージョン2)と17のSDGsアイコンを使用できる。」

問い合わせと許可
United Nations Department of Public Information
United Nations, S-1018, New York, NY 10017, USA
メールアドレス:SDGpermissions@un.org

NY国連広報へ書類を提出する必要があると記載されており、ハードルがグッと上がりましたが、他に解説しているサイトを探すと、「SDGsジャーナル」というサイトが見つかり、こちらでは、中小企業目線でロゴの使用方法を丁寧に解説してくれていました。

2019年最新版|SDGs 公式ロゴ使用法」が非常に読みやすく書かれていますので、社内に専門部署がないという企業様で、ロゴについてこれから情報を探すという方は、お読みになると良いと思います。

【アニメでわかる!SDGsロゴ使用法】
「SDGsロゴ|ロゴって使用許可が必要なの?」「SDGsロゴ|デザインて変えてもいいの?」
https://www.youtube.com/watch?v=_oq8gcd94rg&list=PLQK0pRSh9-dU1FHVmWlXu1RgLIyliANJi&index=1

日本の中小企業とSDGsの共通性

近代入ってきた欧米型の株主資本主義による短期的利益追求に歪みが出始め、SDGsの考え方に転換しています。

SDGsの考え方は、思い返してみれば、日本の近江商人たちが実践していたことですよね。
「売り手よし、買い手よし、世間よし」の「三方よし」。
「利益だけではなく道徳も大切にしよう」という日本型の経営です。

目に見えない資産を長期に渡って築く、地域との関係、自然との関係、等
まさに、持続可能な社会を長期に渡って築く経営は、中小企業が元々行っていた日本型の経営ではないでしょうか。

すでに行ってきた取り組みに自信を持ち、世界共通のSDGsという枠組みを意識しながら、積極的に自社の強みを発信することが大切ではないでしょうか。

マーケティングの分析フレーム3Cも、「売り手よし、買い手よし、世間よし」の思想を取り入れると、日本型経営の原点に戻る気がします。まさに、日本人の感性を取り込んだ経営といえますね。

経営を具体的に実行するのはマーケティングです。
日本型マーケティング、感性を取り込んだマーケティングにご興味を持たれた方は、こちらもご覧ください。
『JMLAベーシックパスポート』(基礎マーケティング)
『マーケティング解析士プロフェッショナル 感性』(感性マーケティング)
『事業支援』(マーケティングサポート)

外国と違う日本の贈り物文化

父の日、母の日にプレゼントは贈りますか?

2019年の「父の日」はいつでしょう?
6月の第3日曜日、6月16日。あと10日ほどです。
「父の日」にプレゼントは贈りますか?

「母の日」は5月の第2日曜日、今年は5月12日でしたね。
「母の日」にプレゼントは贈りましたか?

国内ギフト市場規模は、個人+法人で、10兆4,430億円(2017年)※1
スーパーの総販売額13兆円(2018年)やコンビニエンスストアの全店年間売上高11兆円(2018ねん)に迫る規模です。

「個人」のギフトに限定すると、6兆280億円(2016年)※2
お歳暮やお中元といった家族単位の贈答は減少する一方、カジュアルギフト(旅行土産、日常的なプチギフト)は増加傾向にあるようです。

日頃の感謝やちょっとした”気持ち”を表現するコミュニケーションツール「プチギフト」として使われているのですね。

贈答文化にみる日本人特有の感性

日本人は、人から何か頂き物をしたときは、お返しをする人が多いのではないでしょうか。
贈答の漢字は、「贈」は贈る、「答」はお返しで、何か贈り物をいただいた時は、お返しをするのが日本では風習です。
「つまらないものですが」「気を使わないで」と言われても、返礼をする人は多いでしょう。

贈答文化のはじまりは、日本は農耕社会で、「収穫したものを分け合う」双方向の関係を築き、その後、家柄や身分を示す物に使われたりしながらも、双方向のやりとりが確立されたようです。

贈り物の包装にも日本人はこだわります。
包装の方法も、祝儀と不祝儀で折り方が違うなど、細やかなところまで気を配る、日本人ならではの作法が存在します。

「エコ」重視でラッピング不要と言われた時もありましたが、「インスタ映えするラッピング」を好む人や、小物入れ等、生活雑貨やちょっとしたインテリアに再利用している人も多く、生活を楽しむポジティブなアイテムになるラッピングをこれからも企画してほしいと思います。

また、外国の方から見ても、水引(みずひき)、熨斗(のし)、包装の日本の風習は”美しい”と感じてもらえる一面だと思います。
日本人として改めて見直したいですね。

日常商品をプチギフト商品にする企画の鍵は?

日常的なプチギフト、カジュアルギフトのシーンが増え、贈答(贈る、お返しする)頻度が増えるということは、これまで日常品だった商品も、ちょっとした付加価値をつけることで「プチギフト品」として選ばれる可能性があります。

付加価値をつけることは簡単ではないですが、消費者の感性を探ることで見えてきます。
年齢、性別、地域といったデモグラフィック属性(人口統計学的変数)やジオグラフィック属性(地理的変数)を用いてニーズを探っても見えてきません。

どのような気持ち(感謝、喜び、等)をどのように形にしたいのか、というようなサイコグラフィック属性(心理的変数)が鍵を握ります。
付加価値戦略、価格戦略の際は、感性マーケティングの考え方がとても役立ちます。

付加価値商品を開発したいがどうしたらよいかわからないという方は、お気軽にお問合せ下さい。
日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)は、人の感性をベースに付加価値の開発を応援する活動を行っています。

お気軽にご相談ください

東京・新木場~若洲エリアを1日巡って得た体験を、3か所取り上げました。_この地域のどの施設も、スタッフの方々が情熱を持ってイキイキとしていて、そして、自分たちが提供している強みを十分理解し、上手に発信していたことが印象深かったです。_このことは、他の企業や組織においても2つの点で参考になると思います。_①スタッフの情熱や活気は顧客やクライアントに好印象を与えます。_②地域の歴史や文化に触れ、それをビジネスに取り入れることは、地域社会との一体感を築くだけでなく、顧客との結びつきを深めます。_また、嗅覚や触覚の刺激が多数あったことも印象的でした。その他の五感(視覚、聴覚、味覚)も当然フル活動させられました。嗅覚や触覚、五感全体を活かすことは、商品やサービスのデザインやマーケティングにおいて大きな要素です。顧客が感じる体験を豊かにし、記憶に残るような感性的なアプローチのお手本として参考にできると言えるでしょう。_以上、自然に触れ、各施設のスタッフの方々と会話し、地域の歴史や文化を再認識し、新しく再構築され生み出されたモノやコトに触れた一日を通して、持続可能な社会・地域の実現に向けた活動とはこういうこと!、という貴重なリアル体験ができました。_
マーケティングや感性マーケティングの視点から、自社の強みを理解し活かすことや、顧客の感性に響き共鳴することは、売上拡大・利益拡大のための戦略や商品開発に欠かせません。_私たちJMLA(日本マーケティング・リテラシー協会)は、より目的に沿ったデータ分析・感性分析をご支援していますので、ビジネスに活用できる分析アウトプットをご提供することを常に心がけております。_今回は、私たちのデータ分析が最終的につながるゴールの形を体験したように思います。ビジネスに有用なデータ分析をするべく精進を続けます。_私たちJMLA(日本マーケティング・リテラシー協会)は、企業がデータ駆動の意思決定を行い、市場での競争力を向上させることができるお手伝いをしております。_自社のデータをもっと活用したいなどの課題をお持ちでしたら、お気軽にご相談ください。

e-mail:
support@marketing-literacy.org

TEL:
03-6280-4312(平日9:00-18:00)

             

  • 自社のデータをもっと活用したいなどの課題をお持ちでしたら、お気軽にご相談ください。
  • 過去にアンケートを行い、定性情報(フリーアンサー)は読んだだけという状態でしたら、非常にもったいない!定量化して分析することで、次のようなさまざまな課題解決に活用できます。経営のビジョン、収益拡大のための戦略立案、商品開発、ブランディング、業務改善、コスト削減など。お気軽にご相談ください。

「感性マーケティング」にご興味をお持ちの方は、こちらもご覧ください。
マーケティング解析士プロフェッショナル 感性 』講座を見る

参考資料

※1 矢野経済研究所『ギフト市場白書2018』
※2 DNP『生活者潮流』記事「2016年CtoCギフト市場規模は推計6兆280億円(2017.05.08)

感性マーケティングとは

自己肯定感という感性

自己肯定感とは、「自己」の価値や存在意義を「肯定」できる感情です。

感情を物差しで測ることは難しいですが、興味深い調査結果を見つけました。

青少年教育に関する調査研究をしている独立行政法人 国立青少年教育振興機構が、日本、米国、中国、韓国の4か国の高校生を対象として、生活や目標、社会や国への考え方、自己意識(自己肯定感)などについて意識を調査しています。

「高校生の生活と意識に関する調査報告書(2015年)」の中から「自分はダメな人間だと思うことがある」という1つの結果だけ引用したのが下図です。

ご覧の通り、日本の高校生の約70%が「自分はダメな人間だと思うことがある」と回答しています。
米国は約45%、中国は約55%、韓国は約35%。
問いに対してどう回答するか、この結果から、各国の高校生の感性の違いがみてとれ、国民性の違いに結びつくのだと想像できます。

この問いに+α、回答理由を聴くフリーアンサーがあったら、否定的な回答をした具体的な感性を把握することができるでしょう。

感性の違いがニーズの多様化を生む

感性とは、外界からの刺激を感覚で受容し判断・解釈し表現する能力です。

上図は、
日本感性工学会・会報誌『感性工学』
第16巻3号 2018年9月30日発行
「感性工学と感性評価と経験価値」特集ページ
4.1感性
図1 情報処理論心理学的な感性の情報処理プロセスと定義
の図を当会にて簡略的に編集した図です。

上図にあてはめて例を考えてみます。

「家族と散歩の途中、公園の桜が満開になっているのを目にして、公園の中に入った」

〔刺激〕光の量や波長、空気の振動(音波)、匂い物質など
〔感覚〕眼や耳、鼻などの感覚器でそれぞれ情報を受容し
〔知覚〕情報を統合して、自分から近い距離に公園があり桜が満開の状態
〔認知〕(知覚した情報を判断して)
「満開の状態は一瞬だから今ここで見ておくべき、
毎年同じように家族と花見をしてきたから今年もそうしよう」
〔感情〕「キレイ」「美しい」「(家族とこの時間を過ごすことが)楽しい」
(家族と一緒に共感できる時間を楽しいと思う)
〔表現〕「満開の桜がキレイ、公園の中に入って花見しながら散歩しましょうよ」(と言葉にし家族を誘う)
この一連の情報処理プロセスが「感性」です。

「キレイね」と、家族や友人と共有する人もいれば、一人で過ごす人もいるでしょう。
大勢で共有したい感性の持ち主、または、一人で楽しみたい感性の持ち主、
同じ桜の花を見ても、感性の違いが生じます。
感性の違いが生じることで、感性を表現(出力)するのに必要なモノ(≒ニーズ)が細かく枝分かれし多様化します。
散歩に向くスニーカーを買う、バーベキューをする、お弁当を買う、カフェに行き窓際から眺める、絵を描く、歌を歌いながら演奏する・・・、多岐にわたります。

何かの刺激を受けたときに、どう思い、どう反応〔表現〕するか、人の感性の分類以上にニーズは多様化します。

表層的ニーズの多様性と深層的感性の不偏性

物溢れの成熟時代、ニーズの多様化とか、One to One対応と言われていますが、一人ひとり異なり変化し続けるニーズに企業が対応することは、とても大変なことですよね。

一方で、感性はニーズより普遍性があり、ニーズを訴求するより、感性に訴えかけ動機付けさせた方が行動を促しやすいという効果があります。
感性は、企業が戦略を検討する上で(分析手法等によって)分類可能です。
勿論、一人ひとりの感性は人生を歩む中で変化しますが、企業それぞれに得意分野があるため、企業はターゲットを設定する場合がほとんどです。
そのため、感性は不偏性が高い情報といえます。

経営戦略や事業戦略、マーケティング戦略、営業戦略など、戦略を考える際、顧客の「感性」を分析することによって、表層的なニーズ(何・いつ・どこ等の定量情報の分析)だけでは見えてこない探索や戦略の糸口発見を可能にし、経営の意思決定を力強くサポートします。

顧客の表層的ニーズだけを追いかけていると機会損失のリスクが発生するでしょう。

このような考え方に立脚しているマーケティングを、当会では、感性マーケティングと定義しています。

 
感性マーケティングに興味を持ってくださった方、当会では講座を開催していますので是非ご覧ください。
マーケティング解析士プロフェッショナル 感性 』講座を見る

また、顧客起点の感性マーケティングを核とした事業支援もさせていただいております。お悩みや課題をお持ちの方はこちらこちらをご覧ください。
事業支援』を見る

マーケティングとイノベーションは両輪

新結合 ~トヨタ自動車

トヨタ自動車の2019年3月期の連結売上高は30兆円を超えた(8日発表)と報じられましたね。

ところが、トヨタ自動車の経営環境は厳しさを増し、脱・自前主義を掲げています。

自動車業界は、電気自動車(EV)シフトの加速や、グーグルやウーバー・テクノロジーズが自動運転、ライドシェア事業へ参入するなど、100年に1度の大変革期に突入しています。

この状況でトヨタが下した方針が、『仲間づくり』。

マツダ、デンソーと電気自動車(EV)技術開発、パナソニックと電動車の電池、街づくり事業、ソフトバンクとMaaS(移動サービス)など、次々と異業種企業との協働を開始し、次の時代の(電動化、コネクテッドカーなど新しい)コンセプト創りを目指しています。

日本企業で初めて、売上高が30兆円台に乗った巨大企業が、ビジネス環境の変化に適応するために苦労して革新に向けて経営努力をしている姿は、勉強になります。

逆転の発想 ~シェア畑~

耕作放棄地・遊休地を共同農園として活用する「シェア畑」をご存知でしょうか。

農具や肥料、苗などがすべて用意され、手ぶらで畑に通えます。
野菜作りに習熟したアドバイザーもいて、まったく農業の知識がない初心者でも収穫するまで育てることができます。

手ぶらで農業を始められるので、子供連れ家族、シニア夫婦、一人暮らし層、近隣オフィスの社員、さまざまな顔ぶれが畑で交流し、コミュニティも生まれています。

運営は、株式会社アグリメディア
「都市と農業をつなぐ」をコンセプトに新たな農業ビジネスを手がける2011年創業のベンチャー企業です。

ですので、首都圏や関西の都心近郊の遊休農地が、畑のレンタルサービスの対象となっています。

高齢で農業をやめたが土地はそのまま、人手不足で全面積を農地として活用できない、そうすると、農地が荒れてしまいますので、農家は困っていました。

そんな農地を借り上げ、農園として再生し、広い農地を細かく区切り、都心の農業に関心のある人たちを募集し、小区分単位で畑を貸す(体験できる)サービスを創出しました。

株式会社アグリメディアの経営者は、このビジネスで「都心で朝採れ野菜を食べられる豊かな暮らしを提供したい」という熱い思いを実現するとともに、2022年・生産緑地問題で税金対策などを理由に、都市部農地が一斉に不動産市場に出されることを食い止める狙いもあるようです。

共感・共創 ~AKB48

AKB48』のグループの総合プロデューサーを務める作詞家の秋元康氏は、市場調査や顧客ニーズ探索のようなマーケティングを一切しないと聞きます。
代わりに、秋元氏自身がファンの一人として面白いと思うものを生み出しているそうです。

多くの情報を吸収しているユーザー目線と、専門家として多数の経験・知見・実績を持つ秋元氏が、共感する一ユーザーの立場で、『AKB48』という商品をプロデュースしていることを考えるとある意味マーケティングといえるでしょう。

そして、総選挙を代表に参加型プロジェクトを行い、ファンを巻き込み当事者にしていきながら、みんなでストーリーを作っていく仕組みを創出しました。

アイドルとファンとの距離(短く)、ファン同士の結びつき(コミュニティ)、ネットとリアル(相互活用による顧客接点の拡大)などいくつも新しい仕組みを構築しました。

共創の仕組化ができたことで、次々にライバルグループや姉妹グループもデビューしました。

 
現代経営学・マネジメントの発明者ドラッカーが、「企業の目的は顧客の創造である」、企業の基本的な2つの機能は、顧客に対応するマーケティングと今までと違った価値を創造するイノベーションで、それらは両輪であり、どちらかが欠けても事業の成果をもたらすことはできないと説いています。

 
マーケティングを今から始めたいという方は、当会の基礎マーケティング講座にぜひご参加ください。
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令和婚とマーケティング

5月1日大安は「令和」婚ラッシュ

新元号初日の5月1日は、大安。

東京・三鷹市役所には、通常の大安日の4倍も、婚姻届の提出があったそうです。

東京・狛江市役所は、近藤春奈さん効果で婚姻届が増えたとか。
観光大使を務めている近藤春奈さん(ハリセンボン)が、婚姻届を提出しに来たカップルを祝福してくれることが急遽決まったと、日テレの朝の番組『スッキリ』で盛り上がっていたのをちょうど見ていました。

ブライダル業界では、改元に合わせた結婚式の需要が増加することを見込み、結婚式プランが各社から提案されていました。

「平成のうちに、駆け込み婚」とか、「改元、午前0時婚」「新元号のもとで、『令和』あやかり婚」などとプラン名がつけられ、特典に工夫を凝らして企画されていました。

天皇崩御のタイミングでの改元は日本全体が自粛ムードになってしまいますが、今回は退位でしたので、「令和」にあやかって思う存分華やかな結婚式を挙げられますね。

結婚式を挙げるカップルは増えてる?減ってる?

婚姻組数は、日本の人口が少子化の傾向だから減少している。
それに伴い、挙式件数も減少している。

そう思いますよね。

実際、婚姻組数は減少しています。

ブライダル総研「婚姻組数予測」2019年3月更新データより>
719,822件(2007年)[確定]
606,866件(2017年)[確定]
540,265件(2027年)[予測]

挙式件数は、婚姻件数のうち「挙式・披露宴の両方を行った」は6割程度(過去の当会の調査により)なので、
上記のそれぞれの「婚姻組数」の6割程度が挙式件数です。
従って、既存の考え方で計算すると、挙式数(結婚式を挙げるカップル)は減少傾向です。

また、晩婚化や新婚旅行の縮小などといったこれまでの結婚式の儀式やしきたりにしばられない、価値観の多様化も市場規模のマイナス予測に影響を与えています。

結婚式事情の変化

昔の結婚式は、出会いから結婚式まで様々なしきたりや儀式がありました。

しかし、現在の結婚式は、夫婦それぞれの価値観に委ねられていることも多いでしょう。

例えば、
・「感謝の気持ちを形に表したい」それを実現するためにどんなイベントがよいだろうか。
・「二人の仕事が忙しすぎるので、少し落ち着いたタイミングで考えたい」から婚姻届だけで式は数年後に検討する。
・「国際結婚だから双方の家庭でお祝いする」ので日本の一般的な挙式・披露宴にはあてはまらない。
・「お互いの趣味の仲間を集めたイベント」を開催して祝賀会をしたい。
などなど・・

これまでホテルや結婚式場から提案してきたブライダルプランに該当しない要望が増えてきたと感じています。

・派手婚
・地味婚
・アットホーム婚
・和婚
・絆婚
・シェアド婚
のように社会環境や経済状況によって、結婚式のトレンドは変化しています。

儀式からイベント化しています。

婚礼プランを企画するときも、お問合せ数を増やす企画をするときも、事業のコラボレーションを考えるときも、「自社の特徴を生かし優位性や魅力を伝えるにはどうすべきか?」という戦略思考は必須で、これからの時代、ブライダルに携わる方々にもマーケティング力は不可欠だと感じています。

「令和」時代のスタートに、ぜひ「マーケティング」を学んでみてはいかがでしょうか。

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値上げが成功

適正価格と感じるかどうか

買い物をしていて、「高くなったな」と思って買い控える商品と、値上げに気付かず買い物をして、後からニュースで値上げしていたことを知る商品があります。

カレー専門店「CoCo壱番屋」(ココイチ)のカレーの値段が毎年値上げされていたのに気付かなかった消費者が多い、というニュースが出ていましたね。

私も時々利用しています。毎回、ベースのカレーがとても美味しいと感じながらいただいています。
カレーの新メニューや、トッピング、サイドメニュー、辛さが選べる、などの選べる楽しさが多いことと、頻繁にキャンペーンを実施しているので、「常に顧客を楽しませる工夫をしているな」と関心しています。

カレーに加えて、トッピングやサラダも注文すると、それなりの値段になるので、客単価UPの戦略をしっかり行っていることに注目をしていました。

ファンが応援する値上げ

最も印象に残っている「値上げ」は、赤城乳業の看板商品『ガリガリ君』。
10円値上げされて70円に。

1981年発売当時50円 → 1991年に60円へ → 25年間据え置き → 2016年70円。

値上げの理由は、物流費・原材料費や包装資材費・人件費などの高騰や高位安定のためと説明されていました。

値上げすることをテレビCMで流していたことに衝撃を受けました。
youtubeにも動画がアップされましたよね。

これに対して消費者からは、「しょうがない」というレベルの反応ではなく、これまでの企業努力を称える声や、値上げ後のこれからも買い続ける応援メッセージが赤城乳業社に届いたということですから、どれほど誠実に会社経営をし続けてきたか、ファンに認められた、なくてはならない存在であるブランドを築いてきたか、ということを世界中に知らしめました。

自社の存在意義を常に追求し続ける姿勢

値上げにより、客単価減少や客離れといった負のスパイラルに陥る企業も多い中、値上げが成功する企業は、
・これまでの経営姿勢と
・値上げの発表の仕方に配慮する姿勢
に消費者や顧客から共感を得られています。

値上げの発表は、そのタイミングで広報の上手なコンサルタントに依頼すればなんとかなるかもしれませんが、これまでの経営姿勢となると、簡単な話ではありません。

3C(スリーシー)というマーケティングの市場分析フレームワークをご存知でしょうか。
Customer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)の3つ頭文字Cを表しています。

顧客と自社との関わり、顧客と競合企業との関わり、自社と競合企業との関わり、その中で、自社の存在価値は何なのかを追求するフレームワークです。

Customerは、市場も含みます。ビジネス環境の変化によって、時代の変化によって、自社や競合も変化するので、常に見直しが必要です。

値上げに限らず、ファン作りのためにも、マーケティングを学んでみてはいかがでしょうか。
そして、AIなどのテクノロジーが進化する時代だからこそ、経営は人の感性がますます重要になります。

経営にプラスに寄与するマーケティング力を高めてみませんか。
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リサーチをしないで商品企画をしていませんか?

本日は、中小企業で新規市場の開拓や新商品開発の際にユーザーリサーチを行ったことがない経営者の方にぜひお読みいただきたいと思いで書きます。

ユーザーリサーチが国内のすべての企業に定着しているとはまだいえない

一般社団法人 日本マーケティングリサーチ協会「第43回経営業務実態調査」によると、日本の市場調査業界の市場規模(推計)は、2,147億円(2017年度)のようです。
内訳は、「パネル調査(調査対象者を長期間固定して継続的に調査を行う調査)」が688億円、「アドホック調査(対象者の抽出や設計が1回限りで完結する単発調査)」が1,332億円、「その他」が127億円。

2007年度(1,750億円)から2017年までの10年間は、毎年度上昇しています。

私の肌感覚では、まだ拡大する余地があると感じています。

というのは、中小企業では、新しい市場を開拓する際、その市場のユーザーリサーチ(お客様に対して、意見を聴いたり利用時の状況を観察したりする調査)をすることはせず、経営者のコネクションルートで切り拓く話を耳にすることが多いからです。

その理由は、
1、ユーザーリサーチを行う方法を知らない
2、ユーザーリサーチには高額な費用がかかると思い込んでいる
ようです。
金額より、1の方法を知らないという理由で実施していないことが多いように感じます。

当会の『マーケティング解析士プロフェッショナル 感性 』講座を受講くださった方々の中に、「ユーザーリサーチを行って分析するとここまでわかるのか!」と驚かれる方がかなりの数いらっしゃいます。

失敗しない商品企画は、リサーチが大事

例えば、新規市場に自社商品を投入する際、大雑把にフローを描くと、下図のグレー→グリーン→ブルー→オレンジのフローです。
しかし、グリーンのリサーチの部分を飛ばしていらっしゃいませんでしょうか。

リサーチを飛ばすと、ユーザー(消費者・顧客)のニーズを把握・理解することなく、経験値だけで新商品開発を行わざるを得ないでしょう。

勿論、経験値で商品開発して、ヒットすることもあります。けれども、新商品の開発は1回では終わりませんので、ずっとヒット商品を出し続けることは難しいでしょう。
失敗しないためには、市場調査やユーザーリサーチを行い、ユーザーの必要とするもの・欲しいものを理解したうえで、戦略的に商品開発を行うことが大切です。

しかし、単にリサーチすればよいわけではありません。

聴く相手を間違えると、ユーザーリサーチは失敗する

失敗例というと、言い過ぎになりますが、わかりやすい例として、先月末のニュースに出ていた、経済産業省が行ったアンケートが記憶に新しいです。
民間企業に対する「新元号にどうやって対応するつもりですか」といった内容のアンケートです。
「西暦のみで和暦は使っていない企業」が3割程度、「新元号の準備は完了している企業」が3割程度、「調査中」が1.5割程度、「これから」が2割程度だったそうです。

なんだ案外スムーズじゃないか。
と思ってしまいますが、はたと、一番の和暦ユーザーを思い返してみると、行政文書を作成している、霞が関の中央省庁と各都道府県・市区町村ですね。
ということは、アンケートの対象は、民間企業だけでは実態は把握できないことになります。

他に、明らかに間違いだろうという解りやすい例を考えてみると、
・ベトナムに進出したい企業が、ベトナム国民にアンケートをとらず、今売っている日本の国内で日本人にアンケートをとり、その結果を基にベトナム向けの広告を制作する
・iPhene7の利用体験を聴きたいのに、スマートフォンを持っている人にアンケートをとる
・女性向けの商品開発をするのに、男性の技術者同士が意見を出し合って女性向けの商品を開発する

こんなこと、ありえない!とお思いになるかもしれませんが、案外見落としてしまう点なのです。
ユーザーリサーチ(アンケート)は、聴く前の設計が肝要で、事前準備をするか否かが、成功か失敗かの分かれ道です。

聴く対象をしっかり決めておくと、調査結果を戦略に生かせる良いアンケートを行えます。

リサーチは、まったく知識がないと、何から手を付けてよいかわかりませんが、当会にご相談いただければ、概要をお知らせすることが可能です。
また、当会の『JMLAベーシックパスポート』講座を受講いただくと、体系的にご理解いただけます。
このように、基礎知識を持つだけでハードルは下がり、調査方法の取捨選択ができるようになります。