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堀内香枝 について

女性の感性を活かした調査設計や市場動向の分析により、お客さまの深層心理「感性」の解明を得意とします。コンサルティングファームで食品メーカー、外食産業、エステティック産業、通販企業、冠婚葬祭業、工作機械メーカーなど幅広い業種のマーケティング・コンサルティング業務を経験しました。これまで培った経験を元に、一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)設立に参画し、感性マーケティング『マーケティング解析士』講座カリキュラム策定に携わりました。現在は、『マーケティング解析士』講座の講師活動を行っています。同時に、企業様のマーケティング課題解決のサポート活動を継続しています。

紅茶派?コーヒー派?思い込みや慣習に注意

訪問先で親切心から出されるコーヒー

お茶は、生活の中でなくてはならない飲み物ですね。しかし、お茶の種類はたくさんあります。
日本人にとっては「日本茶」が一番ポピュラーなものでしたが、今では「紅茶」と「コーヒー」がより飲まれることが多くなっています。

一時期、仕事で会社に訪問すると必ずといってよいほど「コーヒー」が出される時代がありました。
「コーヒー」が苦手な人が、訪問時の悩みの種だと言っていたのを思い出しました。
その人は、『相棒』の杉下右京さんではないのですが、完全な「紅茶」派で「コーヒー」は飲めない人です。

そのため、出されたコーヒーに手を付けずに話をしていると、先方が「すみません。コーヒー冷めちゃいましたね。入れなおしましょう」と言って、お代わりをすすめてくれたので、それが悩ましかったそうです。
初めての相手であれば、出されたものが嫌いだとも言いだしづらく、あいまいな答えをして、結局2杯目も手を付けられず、お相手に申し訳ない気持ちを持ったまま退散したそうです。

 

現在はたいて何を飲むか聞いてくれることが多いので、このような悩みはないかもしれません。

「思い込み」、「既成概念」、「業界の通例」は一度捨ててみよう

「来客にコーヒーを出す」慣習を、マーケティング目線に置き換えると、問題が潜んでいることに気づきます。

「コーヒーは多くの人が好んで飲む」、だから大切うなお客様にはコーヒーでもてなす。
趣旨は間違っていないのですが慣習化してしまうと、コーヒーが嫌いな人も存在するということに気付かない、ということが起こりえます。

このような慣習を、自社の商品開発や事業を推進する際に繰り返してしまっていないでしょうか。

 

昨年売り出した商品が良く売れたから、似たような商品を続けて出したところ全然売れない、こういう失敗例を聞いたことがあるでしょう。売れた理由を誤認したためです。この例は世の中に、たくさんあると思います。

例えば、映画。
有名な主演者が人気でワールドワイドの興行収入を稼ぎだしたと思われていた映画。同じ俳優を別の映画で起用したら、作品が大失敗に終わったとか。脚本が悪い、時代が変わった、、、など理由は他にあったでしょう。

例えば、食品(面白い触感のゼリー)。
コーヒー味で大ヒット。次のイチゴ味は大失敗。コーヒーは憧れのコーヒーショップを彷彿させる体験を楽しめるから売れたけれど、イチゴ味には憧れが無かった、、、など理由は他にあったでしょう。

例えば、某スイーツ。
1カテゴリーで30億円売れれば大ヒット。それが限界と思い込み、改善しかしないと、30億円の2倍、3倍の商品は生み出せない。穴場発見したら100億円を超える商品にも。

正しく理解をする

このようなことは何故起こるのでしょうか。
それは売る側の思い込みです。

客観的に把握することなく、何となく感覚で物事を判断してしまう。
こんなものが売れているから、同じようなものを作れば売れるだろう。
真実(FACT)を見ないで物事を判断してしまうと、失敗します。

本当は顧客はどう思っているのだろうか、事実を把握する。
売れた理由=受容された優位点は何か。
実は、この把握が大事だと大勢の人は頭ではわかっています。が、若干の知識とスキルが必要なので、なかなか最初の一歩を踏み出せず感覚で済ませてしまっているケースを見受けます。

 

 

 

 

客観的な顧客評価による分析を

では、どうすればよいのでしょうか?

どのような知識やスキルが必要でしょうか。

1.目的・目標の設定と、そのために必要な情報が何かを考える力。
2.必要な情報をどこからどのように入手するか考え判断できる知識。
3.入手した情報を適切な手法で分析する知識とスキル。
4.分析結果をマーケティング戦略や実行計画に落とし込む知識とスキル。

これら4つのポイントを浅くでも構わないので知っていると、大変仕事に役立ちます。

「客観的な顧客評価に基づくマーケティング戦略や事業戦略をデザインする」能力をさらに高めてみませんか。
必ずご自分のお仕事に活かされますよ。

 

良い発想への10ポイント

多様な意見をどんどん出せる組織風土

良い発想を社員ができる組織とはどのような組織でしょう?

「うちの会社のこれまでの経験からそんなことはできない」とか「技術的に不可能」とか、最初からアイデアを否定してしまっては、発想が止まってしまいます。

 

  • 業界常識や会社の常識から外れるような意見でもつぶなさい風土
  • 失敗を許す風土
  • 発想するときは上司と部下の関係を越えて、自由な意見を発言できる風土

このような風土であれば、良い発想を生み出せるでしょう。

 

ふさわしい環境づくり

例えば、お店の陳列で「良い棚割り」に改善するのにどうしますか?

デスクの上で数値とにらめっこしながら良い陳列は?とアイデア出しますか?

データも大事ですが、それだけでは片手落ちです。

棚割りを再現してみて、買い物の導線や、目に入りやすい、手に取りやすい、などから(右脳的な)発想は不可欠でしょう。

別の例で、「新しい憩いの場」を創造したいときどうしますか?

良いアイデアを発想しようとするとき、閉鎖的で無機質なデスクの上で良いアイデアが湧いてきますか?

かなり無理があるでしょう。

身心ともにのびのびする環境の中に身を置いた方が、圧倒的に発想が広がりやすくなります。

ふさわしい環境の中には、発想を促すたくさんの刺激が散らばっているのです。

 

 

良い発想への10ポイント

先の2つのポイント「1.風土」「2.環境」に加えて8ポイントを紹介します。

 

3.情報

情報やデータを収集し、収集した情報やデータを分析する。分析結果からヒントを得て発想する。

 

4.チーム

一人では無理でも複数人集まれば、3人寄れば文殊の知恵。知恵を出す人が偏ると偏った発想になるので、男女文理などのバランスを。

 

5.動機付け

報酬、評価に反映を。

 

6.アンテナ

好奇心を持ち、何でも食いつく。感性を磨く。

 

7.集中

雑音を避け、(音楽を聴いてもよし、自分が)リラックスできる姿勢で集中する。集中すると対象の輪郭が具体的になりアイデアが湧いてくる。

 

8.描く

イラストや図を(下手でも構わないので)どんどん描く。手先を使って描いているうちに発想が広がる。

 

9. 観察

ひたすら観察する。何をしているか。なぜそうするか。問題はどこ?

 

10.発想法

アイデア創出のための適した手法を用いる。

 

商品企画士プロフェッショナル〔6ヶ月間コース〕第2回

前項の10ポイントは、本日(商品企画士プロフェッショナル〔6ヶ月間コース〕第2回)の講義の中で、講師の神田(神田範明・成城大学名誉教授)が解説しました内容です。そして、特に、1~9が整わない中、良いアイデアを創出しなければならない、そんなときに大変役立つ「10.発想法」を実習しました。

実習した主な手法は、「焦点発想法」と「アナロジー発想法」です。
それぞれ、

 

焦点発想法

ユニークなやり方で、テーマと違うことに焦点をまずあて、違うことからテーマに向かって発想を展開します。
例えば、「レストラン」のアイデアを出したいときに、レストラン、レストラン、レストラン、レストラン、レストラン、レストラン、レストラン、、、、、とレストランのことばかり考えると煮詰まってしまいます。

この焦点発想法は、例えば「カメラ」に焦点をまずあて、そこから発想を展開して「レストラン」のアイデアを出すといった具合に、自分の好きなことに(カメラように)焦点をあてて、テーマのアイデアへ発想を展開していく手法です。

 

アナロジー発想法

勇気のいるやり方で、現状ある常識を一度否定して、テーマの方向へ発想を展開しアイデアを創出する手法です。
例えば、「旅行」のアイデアを出したいときに、旅行と言えば必ずある「おいしい食事」が無い、「絶景」が無い、といった具体に、有るはずの常識を列挙し、それが無い、(または、無いはずの常識を列挙し、それが有るでも構いませんが、)無いとどんな問題が生じるか、解決のための方向は、具体的な手段は、と展開してアイデアを創出する手法です。

 

 

 

良いアイデアは、良い刺激を与えることにより豊かに広がります。良い刺激の代わりになってくれるのが発想法です。

発想法を知っていると新しい発想の際に、臆することなく自信を持って取り組めます。
そして、組織全体がそのような社員で溢れるとどうなるでしょう、もっともっと生き生きとした組織になるでしょう。

 

新しいチャレンジ、新しい人と知り合う、新しい物事を考える、そういう行動が、今、大事ですね。

何か新しい創造に着手したいが、何から始めたらよいかと思案している方は、私共、商品開発を支援する専門チーム、WAKU WAKU 創造 LABO (略称:WAKULABO ワクラボ)へ、お気軽にお問合せください。

いまさらながら『鬼滅の刃』再考

『鬼滅の刃』ヒットの一要因

以前、映画『鬼滅の刃』の大ヒットに対し、社会現象のヒット要因を理解し、自社の事業に反映することが大切というお話をしました。

その「鬼滅の刃」はアメリカでの興行成績も順調で世界に受け入れられる映画となっているようです。

ヒットとなった理由、人々が魅了された要因はいくつかあると思いますが、先日、ある人の一言が妙に気になったのでお話をしたいと思います。

人と深いところで接したい/付き合いたい

「今の若い人は、『鬼滅の刃』の兄弟のように、厚く深い関係を望んでいるように感じるわ。」

確かに、若者は友人とのコミュニケーションをスマホを中心に行っています。
ベテラン世代が若いときに経験した、「友人とのけんか」や「毎晩のように居酒屋で語り合った」など濃密な付き合いというものが希薄になっています。

その反動として、心を許せる友人を求めたり、深く理解しあえる人を求めているんだということにも気づかされました。

ただ今は、様々な情報が入り乱れ、オンライン上の情報によって友人関係にも影響を及ぼしたり、自己顕示欲を誤った方法で行ってしまう人もいます。

ひと昔前は、情報は何らかのフィルターを通って間接的に伝わっていました。社会の目を通し加工された情報がほとんどだったのですが、今は誰かが発したあやふやな情報も拡散してしまいます。

友達のつくり方も、昔は友達と認め合うのは、リアルに接し話し合い、共感し合って初めて友達と呼べる存在になったのですが、今はそのプロセスがバーチャルの世界でも行われます。

悪い例を出すとSNSを利用した未成年の誘拐などがあります。誘拐された未成年が誘拐された意識がなく、話を聞いてくれるお兄さん的感覚でついて行ってしまうことが起きていることに脅威を覚えます。

情報の取捨選択ができる目利きになる

様々な情報を苦労することなく簡単に入手できますが、それには正しい情報も間違った情報も混在し、判断を誤らせることがあります。

このことはビジネスの世界でも同様です。

いろいろな人が自身の立ち位置で意見を発信します。
発信された情報には発信者の想いや意図が隠されています。
発信者に悪気がなくとも、誰かの判断を誤らせる可能性があります。

溢れる情報の中から、適切な情報だけを見極める力が必要です。

世の中に溢れる情報を漫然と見聞きしていると、言葉で表現されていること、写真や映像で表現されていること、それらの真意に考えが及ばず、間違った判断をしかねません。

マーケッターとして必要な能力の一つ、情報の目利き(情報の価値、真偽などを見分ける能力)になれるように、日々、意識してトレーニングすることが大切です。

情報の取捨選択によって、仕事の質も上下します。
事業の責任者であれば、情報の取捨選択力が、事業戦略にも影響します。
ひいては会社の経営にも影響する問題です。

皆さまも情報の収集・分析力を高め、適切なマーケティング活動を行えるようになりませんか。
必ずご自分のお仕事に活かされますよ。

JMLAベーシックパスポート

「自分の頭で考え、自分の言葉で伝える」マーケティング『JMLAベーシックパスポート』

『JMLAベーシックパスポート』は、マーケティング理論を体系的に理解し、実務で活用できる能力習得を目指す資格講座で、物事の本質を見極める力を養います。

20年以上に渡り顧客や社員の意識データの分析により、各種企業様のマーケティング活動や営業活動をお手伝いしてきた中で、データ活用の有用性を証明してきました。

それまで見えなかった顧客の購買心理の発見や、新しいビジネスチャンスの発見などにより利益向上や企業価値向上の成果 、あるいは新しいコンセプトの構築、新商品企画などによる新市場の開拓など成果を生み、評価をいただいてきました。

その知見と経験を『JMLAベーシックパスポート』の中でおしみなくお伝えしています。

このノウハウは、変化のスピードが速い時代に新しい価値を創造する一助となります。

 

『JMLAベーシックパスポート』の内容

1. マーケティングの基礎知識

マーケティングの目的
マーケティングとは
ブランドが果たす役割
マーケティングの仕組みづくり
現代マーケティングに求められること
感性マーケティング
マーケティングの基本用語

2. 市場調査・分析

マーケティングリサーチの重要性
マーケティングデータの種類
マーケティングリサーチの方法
調査設計
調査票の作り方
感性情報の収集
集計、分析方法

3. マーケティング戦略策定

事業領域
マーケティングコンセプト策定
プロダクトミックス
マーケティングミックス

4. ブランドと競合及びマネジメント

ブランドの特性
ブランドの構造と進化
競争戦略
間接的競合
顧客満足の目的
マネジメントの仕組み
RPDCA
ワークショップ

W1. ロジカルシンキング
頭の準備運動、論理思考を起動させる

W2. 3C分析
自社の環境を整理する

W3. SWOT分析
強み弱みの把握

W4. 戦略代替案
戦略代替案を抽出する

W5. STP
ターゲットを明らかにする

W6. コンセプトメイキング
顧客価値を言葉化する

W7. 感性分析
顧客の感性を分析する

W8. マーケティングミックス4P
仕組みを考える

「自分の頭で考え、自分の言葉で伝える」マーケティング『JMLAベーシックパスポート』を見る

 

 

顧客を知る~商品開発のための仮説発掘法~

感動仮説を抽出する手法

商品開発や新規事業開発は、開発の種を見つけるのに苦労します。

開発担当者や事業の責任者が、社会の変化や制度の変化に目を配り、それらの情報からヒントを得て閃いた!というケースが多いのではないでしょうか。商品開発の仕組みが整っている企業では、年中アイデアを募集する制度もあるようですが。多くの場合、キーパーソンが偶然見つけた種(商品開発のための仮説)に頼っていることが多いようです。

しかし、偶然を待つのでは商品戦略が立てられません。

本日は、積極的に優れた種(商品開発や事業開発の仮説)を発掘する手法をご紹介したいと思います。

 

① フォト日記調査

アンケートなどではわからない生活のリアル(仕事のリアル)を深く知り、潜在的な新仮説をじっくり発掘する手法です。

 

② 仮説発掘アンケート

一般的なアンケートとはイメージが異なります。アイデア(=仮説)を誘発するアンケートを作り、モニターに自らアイデアを創出してもらう手法です。

 

深い新仮説を抽出する~フォト日記調査~

一つ目は「フォト日記調査」です。

リアルな映像で、アンケートなどではわからない日常生活を知り、本人も気づかない潜在的な新仮説をじっくり発掘します。

下図は、新しい「食品容器」を開発するために、学生に飲食の実態についてフォト日記調査を実施した事例です。

 

 

時間ごとに食事の写真を撮ってもらい、写真には必ずコメントを付けてもらいます。

普段のありのままを観察できます。

ありのままの情報を基に、まとめ→考える→新仮説発掘と展開します。

 

 

日記の元データから、内容を整理(食事の時間、内容、状況、日記を書いた本人の感想・印象・思いなど)し、その後、整理した情報から今度は企画開発者の視点で、「着目点・不満点」に展開しそこから着想を得て「新仮説案」を創出します。

「フォト日記調査」は、顧客が考えていることを知ることができ、深い仮説を発掘できる手法です。

 

大量の新仮説を抽出する~仮説発掘アンケート~

二つ目は「仮説発掘アンケート」です。

アイデアを誘発するアンケートを用いて、モニター自らにアイデアを記入(発言)してもらい、大量の新仮説を短期間に発掘する手法です。

下図は、新しい国内旅行のアイデアを創出するために、作成した「仮説発掘アンケート」シートです。

特長は、AさんとBさんが会話をしながらアンケートを進める形式す。

 

 

会話のところどころに空欄を設けます。
AさんがBさんにインタビューし、Bさんがそれに答えます。

(Aさん)最近行った国内旅行でいいのがあったら教えて。

(Bさん)そうだね、(例:伊豆高原)←Bさんが回答しやすいように、無難な例を入れておきます。

(Bさん)「    」かな。

(Aさん)どんなところに魅力を感じるの?

(Bさん)うん、(例:海がきれいで温泉が良かった)←Bさんが回答しやすいように、例を入れておきます。

(Bさん)「    」ところが魅力かな。

(Aさん)へー、いいね!じゃあ、その旅行で不満なことはあった?

(Bさん)うーん、(例:食事が今一つ平凡だった)←Bさんが回答しやすいように、例を入れておきます。

(Bさん)「    」ところが不満かな。

(Aさん)どうしてその点が不満なの?

(Bさん)やっぱり、(例:普段食べられないものを食べたい)←Bさんが回答しやすいように、例を入れておきます。

(Bさん)「    」からかな~。

(Aさん)やっぱりそうだよね!たとえば「その地方ならではの料理ツアー」のような旅行があるといいね。
※こんな旅行や旅行サービスがあったらいいなと思うアイデアを自由に記述↓

(Bさん)できるかどうかわからないけど、「 」や「 」や「 」のような旅行があればいいな。

この会話は、満足→不満→その理由→アイデア創出の構成で作られています。

 

 

アンケートの会話の構成は、成功したこと→失敗したこと→その理由→アイデア創出に代えてもよいです。

構成を参考にしながら、ご自身のテーマに適した内容を熟慮されてみてください。

 

JMLA商品企画士プロフェッショナル〔6ヶ月間コース〕第1回

さて、この記事は、本日から始まりましたセミナー【商品開発のための系統的手法、Neo P7システムを学び技術を習得する資格講座=JMLA商品企画士プロフェッショナル〔6ヶ月間コース〕全12回】の第1回の要諦から抜粋した内容です。

ご参加者の年齢層は、大学生から中堅社会人、ベテラン経営者まで幅広く、実習テーマの協議中、世代間の考えが共通する部分もあれば、ジェネレーションギャップが生まれる部分も見られ、互いに刺激し合い予想以上の盛り上がりとなりました。

勿論、この(コロナ禍の)状況下ですので、WEBでの実施でしたが、講師の神田(神田範明・成城大学名誉教授)の情熱もお伝えすることができたと思います。受講者様同士もやる気の熱をお互いに感じることができたのではないでしょうか。

第1回終了後は、次回までの宿題ファイルを双方に意見を出し合いながら進めています。

新しいチャレンジ、新しい人と知り合う、新しい物事を考える、そういう行動が、今、大事ですね。

何か新しい創造に着手したいが、何から始めたらよいかと思案している方は、私共、商品開発を支援する専門チーム、WAKU WAKU 創造 LABO (略称:WAKULABO ワクラボ)へ、お気軽にお問合せください。

SDGsと商品開発~バックパック、コオロギせんべい、SodaStream、着物~

本日は、「身の回りの生活品」と「地球環境や世界の社会課題に貢献」を結び付けた商品に着目してみたいと思います。

 

GOLLA(ゴッラ)のバックパック(リュック)

1つ目の商品は、GOLLAのリュック。

とても軽くて丈夫で、中が機能的に仕切られていて、ノートパソコンやA4資料がラクラク納まります。デザインもCool!で、飽きのこない優れた逸品。

我が家にも1つあります。埼玉県飯能市の宮沢湖を囲むレジャー施設「ムーミンバレーパーク」と北欧の生活をテーマにしたショッピングモール「メッツァビレッジ」へ行ったときに購入したものです。(この施設は、飯能市とフィンランドの友好関係を形にした施設の一つ。)

環境に配慮し、サステナブルなリサイクルポリエステル素材を使用してつくられています。バックパック1つあたり、20個のペットボトルを再利用しているそうです。

Designed in Finland
Material: RECYCLED POLYESTER
RECYCLED ~Help us save the ocean from pet bottles~

画像:GOLLA (ゴッラ ジャパン)facebookより

 

無印良品のコオロギせんべい

2つ目の商品は、人類の食糧危機救う昆虫食といったタイトルで、先日ニュースに取り上げられていた、無印良品のコオロギせんべい。

成長するのに必要な餌の量が少なく、環境負荷が少ない人間の栄養源として注目されています。

世界の人口増に伴うたんぱく源不足という世界の食料問題に貢献する大義と共に、ぜひとも美味しく楽しくいただきたいものです。

昆虫食といっても、なんでもいいわけではなさそうで、飼料要求率(生体1kgを増やすために餌が何kg必要か)、エネルギー交換率(生体1kcal分の体組織をつくるために何kcalの餌が必要か)、1㎡あたり何㎏の肉ができるか、可食部率(食べられる部分がどのくらいあるか)、輸入、廃棄物量・廃棄コスト・・・・・・昆虫食の商品開発は、いろいろと考えることが多そうです。

画像:無印良品ホームページより

 

SodaStream(ソーダストリーム)

3つ目の商品は、プラスチックごみの削減に貢献する商品、SodaStream。

炭酸を毎日飲む人は、ペットボトル入りの炭酸が100円以下で販売されているので、その程度ならと毎日買っている人も多いと思います。現にスーパーには大量のペットボトル入りの炭酸が販売されています。とても美味しい。

デメリットがあり、ペットボトル入りの炭酸水を何本かまとめて買うと(荷物が)重い。毎日ペットボトルのゴミが出る。

これらのデメリットを感じなくさせるものが、SodaStream。
毎日ゴミとして捨てていたペットボトルがなくなり、重い買い物(荷物)からも解放されます。

SodaStreamは、ダイニングのインテリアにもなるデザイン性の高い商品で、環境問題に貢献するということだけでなく、自身が所有するという点からも満足度は高く、SDGsと結びつく優れた商品開発例として挙げることができると思います。

画像:SodaStream Jpanのfacebookより

 

着物(KIMONO)

4つ目の商品は、「着物」。

資源循環社会やサステナブル社会(持続可能な社会)に貢献するために、昔の「着物」をどのように扱うか、さまざまな団体が模索しながら活動をしています。

まだ使える着物をリユース、アップサイクル(着物の生地で別のものを創る)など活用の幅を増やす方法が試されています。

私は現在、着付けの勉強中で、教えてくださっている知人の先生から、リユースの着物を見立てて買っていただきました。自分では絶対に選ばない色と柄でしたが、いざ着てみるととてもしっくりと似合っており、新鮮な気持ちになりました。昔、誰かが着ていた着物が捨てられていたら、その素晴らしさに二度と出会うことはなかったでしょう。新しい物語が生まれる体験は、何物にも代えがたい喜びだと感じました。

画像:mikan bagsのインスタグラムより

本日は、SDGsと商品開発というテーマでした。

これから商品開発をするみなさまは、地球環境を考えずに商品開発を進めることはできませんし、社会が持続できない状態に陥る商品開発もできません。

ではどういう発想が必要になるでしょう。

現在、商品開発に課題をお持ちの方は、こちらを是非ご覧ください。

系統的な商品開発WEBセミナー 5月8日~

 

商品企画の系統的なやり方、5月8日から始まります↓

6ヶ月間・しっかり習得コース(全12回)

感動商品を生むためのメソッド『Neo P7』を正確に深く理解するためのカリキュラム構成です。講師は『Neo P7』開発者である神田 範明 名誉教授が担当し丁寧にわかりやすくお伝えします!

良いアイデアが生まれる「情報」「環境」「発想法」

季節を楽しむ暮らし春桜

長引くコロナ禍でなかなか遠出はできませんが、近所の公園に散歩をするだけでも季節の移り変わりを肌で感じることができます。

今年の桜開花は観測史上最も早い記録が続出で、気が焦ってしまいます。

桜の花が咲く季節は、学生さんだと新学期が始まり、仕事上だと新しい部署異動など、生活環境の変化が多いシーズンでもありますね。

 

 

買い物先のスーパーが変わり、食生活が一変

自分事では、自宅マンションの隣にあった中規模のスーパーが閉店してしまったという大ニュースが起こりました。

冷蔵庫のように利用していた便利なスーパーでしたが、ビルの耐震性の問題のようで2月末日を最後に閉店してしまいました。自宅から1分というとても便利な場所に所在していたことから、90%以上はこのスーパーを利用していました。

3月は、近隣スーパーを探索する1か月で、各店レイアウトが違うので、どこに何があるのか、買い物に時間がかかり一苦労でしたが、今は環境の変化に感謝しています。

3分歩いたビッグA は、特定ルートから仕入れている様子の美味しい野菜があるとか、7分歩いたピーコックは、鮮魚が驚くほど美味しい、10分歩いたイトーヨーカドー(ショッピングモール)も利用頻度が上がったり、一駅分離れた業務スーパーでは、長期保存できる冷凍物を購入したり、2分歩いた八百屋が、店主が変わったようで、仕入れる野菜が変わったとか、これまで時間短縮を理由に買い物先が1店集中でしたが、隣のスーパーがなくなったことで、4~5店に一度に広がり、食の情報が一気に増えました。

すると、いろいろ発想が湧き、購入する食材も変わり、食メニューも広がり、良い意味で、食生活がずいぶん変化しました。

 

良いアイデアは刺激を与えることで生まれる

買い物環境が変わり、インプットする情報が変わると、新しい食メニューが生まれたという自分事をお話ししましたが、これは商品開発にもあてはあります。

新商品のアイデアを出そう!
と社内でブレーンストーミングなどされていませんか?
そのとき、なにを準備されて臨みますか?

 

 

上図のように、良いアイデアは、刺激をインプットしてあげると沢山生まれます。
また、ただ刺激を与えてアイデアを生みだそうということではなく、
発想法という組織的に、良質のアイデアを生み出すスキルを身につけていれば、
いつでも、どこでも、良質で大量のアイデアを永久に創出しつづけることができるようになります。

創出したアイデアが本当に売れるのかどうか、検証方法を知っていれば、もっと自信を持って商品開発に取り組めるようになると思います。

そんな良質で大量のアイデア発想の方法や出したアイデアが売れるかどうかの検証は、Neo P7で実現できます。

Neo P7って何?

商品企画の系統的なやり方、5月8日から始まります↓

6ヶ月間・しっかり習得コース(全12回)

感動商品を生むためのメソッド『Neo P7』を正確に深く理解するためのカリキュラム構成です。講師は『Neo P7』開発者である神田 範明 名誉教授が担当し、丁寧にわかりやすくお伝えします!

系統的な商品開発のやり方を身につけたい方へ

このような方におすすめします!

  1. 新商品、リニューアル商品を開発したいご担当者様
  2. 新事業を開発をしたい企業様
  3. 商品企画のスキルを向上させたい方

次のようなお悩みや課題をお持ちの方

  • 主力商品の販売量がピークを迎えている
  • 新規事業を立ち上げたいが、当たるかどうかわからない
  • 自社の商品が他社と差別化しにくい
  • 新商品のアイデアが乏しい
  • 外部の人とコラボレーションして新しい発想を得たい
  • BtoC向けの商品開発をしたい
  • 独自技術から次の主力となる商品を開発したい

系統的な商品開発のやり方を知りたい!

講座正式名称

JMLA商品企画士プロフェッショナル(6ヶ月間・しっかり習得コース)
※認定資格講座です。

日程

2021年5月8日(土)より隔週土曜日、全12回・6ヶ月間

講師

神田 範明(KANDA NORIAKI)
JMLA会長
成城大学名誉教授
商品やサービス・事業開発の系統的なメソッド「Neo P7」※開発者
※下記「Neo P7」とは、をご参照ください。

受講方法

「会場参加」と「オンライン参加」のどちらかご希望の方法をお選びいただけます。

セミナー カリキュラム概要

1) Neo P7全体の流れを理解する
・Neo P7概論

2) 潜在ニーズを引き出す力をつける
・リアルな情報から良質な仮説を創出
・組織的に大量の仮説を顧客から収集

3) 商品アイデアを大量に自ら創出する力をつける
・短時間にGOODアイデアを創出
・常識否定からアイデアを創出
・グループで知恵をつないでアイデアを創出

4) 良好なアイデアを絞り・修正する力をつける
・大量に創出したアイデアの中から良好なアイデアを絞り込む

5) 顧客のニーズを構造的に把握する力をつける
・顧客との対話で(良好なアイデア)仮説を評価し、検証、修正する
・顧客ニーズの構造を知る

6) 新商品仮説案の定量評価を顧客から得る方法を理解する
・正しい調査方法の計画
・適確な調査票の作成

7) 分析から新商品仮説の改善点を考える力を養う
・商品仮説の改善点を検討する

8) ポジショニング分析を身につける
・調査データから客観的なポジショニングマップを作成し、
各仮説のポジションを確認する

9) 売れる仮説かどうか見極める力を養う
・どのポジションにある仮説が売れそうか見極める

10) 仮説を商品にする力をつける
・仮説を商品化するための構成要素を決める
・コンジョイントカードを作成する

11) 最適な商品コンセプト案の決定方法を理解する
・コンジョイント分析を行い顧客が最も買いたい
最適な商品コンセプトを決定する

12) プレゼンテーション力をつける、企画発表

Neo P7とは

商品開発のプロセスで多くの企業様が抱える4つの課題を解決できます。

1「アイデア創出」   画期的なアイデアが出ないという課題
2「仮説検証」     仮説案選択の根拠が不十分という課題
3「潜在ニーズ発掘」  売れる確信が持てないという課題
4「最終コンセプト決定」経験と勘に偏りがちという課題

Neo P7は、多くの企業で実践され、経験と研究成果を生かして、改良を繰り返し完成したシステマティックな体系です。

定性的(感覚的、言語的)手法と定量的(論理的、数値的)手法の両面を融合したバランスある手法です。

「Neo P7」の手法を活用し、神田範明名誉教授がサポートした企業は産学協同研究を中心に27年間に120社以上。中小中堅企業から大企業まで業種・企業規模を問わずご活用いただける手法です。

本講座は、不定形な商品企画の方法論を世界で初めて体系化・システム化したパイオニア・神田範明が直接講師を務め、実務経験に基づいてわかりやすく解説します。

商品企画の系統的なやり方、5月8日から始まります↓

6ヶ月間・しっかり習得コース(全12回)

感動商品を生むためのメソッド『Neo P7』を正確に深く理解するためのカリキュラム構成です。講師は『Neo P7』開発者である神田 範明 名誉教授が担当し、丁寧にわかりやすくお伝えします!

第12回 新商品企画~最終発表~

第12回「6ヶ月間・しっかり習得コース」~最終発表~

本日が最終日、少し寂しくもありますが、6ヶ月間大変お疲れ様でした。
初回は何を創るかの議論から、アイデア発想、評価、商品ディテール計画、検証、コンセプト決定と進めてきて出来上がった商品をお披露目する日となりました。

「一人暮らし用冷凍食品」「男性がもらって嬉しいコーヒーカップ」

各チームの企画発表が行われ、最適コンセプトを決定するコンジョイント分析の結果は、最適値4を超え(3.5以上でまあまあ、4以上なら開発すべき魅力的商品になると判断できる)、大変魅力的な商品コンセプトができ上がりました。

上図は、発表内容では、最適コンセプトを決定するためのコンジョイント分析例です。

合格認定証授与

6ヶ月間の受講状況(討議の内容や宿題の内容など)および最終発表の内容を基に、講師の神田名誉教授が合否を判定します。

その結果、参加者のうち4名が合格し、「JMLA商品企画士🄬プロフェッショナル」の資格認定証が協会(日本マーケティング・リテラシー協会 JMLA)より授与されました。

おめでとうございます!

チームの取り組みは、今後、ホームページで紹介をさせていただく予定で準備を進めていますので、お楽しみに!

2021年の6ヶ月間コースは、5月8日からスタートします。
ご興味をお持ちの方は、ぜひこちらからご覧になってみてください。↓

6ヶ月間・しっかり習得コース(全12回)

感動商品を生むためのメソッド『Neo P7』を正確に深く理解するためのカリキュラム構成です。講師は『Neo P7』開発者である神田 範明 名誉教授が担当し、丁寧にわかりやすくお伝えします!

自分の頭で考え、自分の言葉で伝える

ステップアップする人に欠かせない能力

仕事のレベルを向上させようとする人に欠かせな能力の一つは、コミュニケーション力です。

与えられたタスクをこなしていれば仕事をしたとみなされる期間はそう長くはないでしょう。

新入社員で入ってから1年もすれば、次の新人が入ってきます。新しい業務を任されてから数か月も経つと、新人扱いしてもらえなくなります。

仕事のレベルを上げるには、仕事をデザインする力、構想力、計画力など、自分の頭で考え、自分の言葉で伝え、人々を協力者に巻き込んでいく能力が必要になってきます。

では、その能力はどうすれば養えるのだろうか?

最も力が身につく方法は、OJT(On-the-Job Training)です。現場で実務の経験を積むことが最高のトレーニングになりますが、自分の都合のよいタイミングでそういう場を経験できるとは限りません。

そのような経験を積む場が少ないと感じている方に、ぜひ続きを読んでいただきたいと思います。

 

 

 

マーケティング力とコミュニケーション力の両方を同時に鍛える

マーケティングの基礎フレームを使いこなすトレーニングを通して、自分の頭で考える力を鍛え、自分の言葉で伝える力を鍛える、ステップアップ講座をご紹介したいと思います。

「JMLAベーシックパスポート」という日本マーケティング・リテラシー協会が開催している資格講座です。

 

<セミナー参加対象者>

  • 自分の頭で考える力を鍛えたい方
  • 基礎マーケティング力を身につけたい方
  • マーケティングの基本フレームワークを使いこなせるようになりたい方
  • 事業や会社のマーケティング戦略を考えるミッションをお持ちの方

 

<カリキュラム概要(2日間コース)>

1.マーケティングの基礎知識

  • マーケティングの目的
  • ブランドが果たす役割
  • 仕組みづくり
  • 感性マーケティング
  • マーケティング基本用語

2.市場調査・分析

  • データの種類
  • リサーチの方法
  • 調査設計
  • 集計・分析

3.マーケティング戦略策定

  • 事業領域
  • マーケティングコンセプト策定
  • プロダクトミックス
  • マーケティングミックス

4.ブランドと競合及びマネジメント

  • ブランドの構造と進化
  • 競争戦略
  • 間接的競合
  • 顧客満足の目的
  • マネジメントの仕組み
  • RPDCA

 

 

2日間集中して、仕事をする上で重要な2つの能力を磨くことができる講座です。

マーケティング力の向上は仕事の原動力につながりますので、そのマーケティング力を鍛えながら、同時に、各プロセスを自分の頭で熟慮し、自分の言葉で話すことを繰り返します。最後には、ダブルメリットを得られます。一つは、マーケティングを組み立てる力、俯瞰する力が身につき、それによってマーケティングを実際に実行する力が養われます。もう一つは、自信を持って自分の考えを人に伝えられるようになります。

 

どんな仕事場面でも役に立つマーケティング戦略思考

マーケティングの基本フレームワークは、日々の業務でも仕事の大事な局面でも、さらには生活シーンでも使えます。

その基本中の基本のフレームワークを使いこなせるようになる演習メニューが用意されています。

ロジカルシンキングから始まり ⇒ 3C分析 ⇒ SWOT分析 ⇒ 戦略代替案 ⇒ STP ⇒ コンセプトメイキング ⇒ 感性分析 ⇒ マーケティングミックス戦略立案

最初から最後まであるテーマが与えられ、ご自身でマーケティング戦略を組み立てる実習メニューです。各プロセスで発表し、他の人の考えも聞きながら、自分の考えと何が違うか、どう攻めるのが良いか? 戦略が一通りではないことも理解できます。そういう機会をぜひつくってみてはいかがでしょうか。

JMLAベーシックパスポートを見る

 

第11回 クラスター層別の購入意向度

第11回「6ヶ月間・しっかり習得コース」~企画商品の決定~

各チームの企画は本日まで、次回は最終回で発表です。

 

<第11回の主な内容>

PRAT6

  • プレゼンテーション、最終発表

Neo P7手法

  • コ品質表

講義

  • 品質表
  • 事例紹介

チームディスカッション

  • 企画商品の最終決定
  • プレゼンテーション資料作成

課題

  • プレゼンテーション資料完成

 

Neo P7システム6番目の定量手法であるコンジョイント分析を行ったものの、評価点が低い!と心配したチームもありました。もうすこしデータを深くみましょう。

 

興味関心を持っている人は!?クラスター分析

調査対象者全員でまとめて分析した結果、新商品仮説に対する評価が低くても、もう少しブレイクしてデータをみていくと、ある一定層は関心の高い人たちがいるはず!

商品開発の際、事前にだいたいのターゲット層を想定し、調査を行います。
分析した結果、調査で回答してもらった人たちすべてまとめたデータでの評価は、低い、ということがあります。

しかし、いくつかのグループに分けると、ある特定のグループだけは評価が、高い、ということがよくあります。

今回もあるチームは、全体では評価得点はそれほど期待通りには高い結果が得られませんでした。

そこで、クラスター分析を行い、層別に(クラスター分析の結果をもとに)コンジョイント分析を再度行った結果、2つの層で、最適値4点以上が出ました。
(4点以上の評価点が開発してよさそうだと判断できる基準)
それも一定のボリューム(人数の規模)があることがわかったので、企画商品の最適コンセプトとして採用することができました。

下図は、総合評価(購入したい)のクラスター分析のイメージです。

 

 

下図は、クラスター分析後、層別(クラスター分類ごと)に評価をグラフ化した一部です。

 

 

図の右側に記載のある最適値に注目すると、クラスター2の人たちは、全体平均3.69と比較してずいぶん高い評価、最適値4.91でした。クラスター4の人たちは最も低い評価で2.27でした。

全体平均3.69(最適値)では、4点に満たないので、これで開発しましょうと前進に足踏みしてしまいますが、クラスター2だけみると4.91ですから、また、クラスター2に含まれる人数ボリュームがあれば、商品開発を安心して進めることができます。

 

客観的な検証方法のメリット

Neo P7の後半の手法は、定量的手法(スネークプロット、CSポートフォリオ、ポジショニング分析、コンジョイント分析)です。

これらの最大のメリットは、大きく2つです。

1.企画商品の仮説を検証できる

2. 後から戻れる

2番目の「後から戻れる」というのはどのようなことかといいますと、社内で開発している途中に何か再検討が必要な場合、何を変えればよいのか、どれくらい変更が必要なのか、変更前と後とではどれくらい数値が変化したか、すべて記録を残せるので、社内コンセンサスもとりやすく、今後にも役立てることが可能となります。

 

発表のためのプレゼンテーション資料のつくり方

さあ、いよいよ次回が最終回です。

各チームとも最終はどの商品コンセプトになるでしょう!? 楽しみです。

 

 

プレゼンテーション資料のつくり方について、講師の神田名誉教授から、アドバイスがありました。

時間配分は、
発表は1チーム20分程度。
その後質疑応答の10分にします。
各チーム持ち時間30分。
次回、15:00からは準備の時間、16:30から発表にしたいと思います。

資料から漏れてはいけないポイントについてお伝えします。

仮説発掘アンケートでどんなアイデアが出たか? 後で残ったアイデアは列挙しておくとよいです。
焦点発想法もやりましたね。 こんなシートを作成し、こんなアイデアが出ました。
それから、評価グリッド法に入りましたので、その前に、こんな仮説に絞りましたというリストがあるとよいです。
それを基に評価グリッド法をしました。
そこから評価項目が出ましたね。
評価グリッド法のポイント、この辺が重視すべきである、という点をコメントしていただくとよいです。
こういう評価が多かった、というのも重要ですね。
それで、次の仮説案になりますね。
アンケート票を作成しましたね。
スネークプロットから、着目した点を書き出して、層別もやりましたね。
ポジショニング分析は、因子負荷量の一覧表を必ず入れてください。
それで、因子が何かわかります。
それと、ウエイト(3:2:1というような)も重要ですから、必ずいれてくださいね。
そして、ポジショニング理想ベクトル入りのグラフになりますね。
最後に、コンジョイント分析になりますね。

20分というのは、意外と話せますから、プレゼンテーション資料のスライド枚数はあまり絞らずよいですよ。

評価の高いクラスターがどういう人かは、属性情報(性別、年代、家族構成など)を確認し、属性情報の割合は、横棒グラフで表現するとよいですよ。

そして、最適コンセプトの商品イメージは素敵な絵を描いていただくとよいですね。

 

商品企画の系統的なやり方をお知りになりたい方は、5月8日から始まります↓6ヶ月間・しっかり習得コース(全12回)をご覧になってみてください!

感動商品を生むためのメソッド『Neo P7』を正確に深く理解するためのカリキュラム構成です。講師は『Neo P7』開発者である神田 範明 名誉教授が担当し、丁寧にわかりやすくお伝えします!