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堀内香枝 について

女性の感性を活かした調査設計や市場動向の分析により、お客さまの深層心理「感性」の解明を得意とします。コンサルティングファームで食品メーカー、外食産業、エステティック産業、通販企業、冠婚葬祭業、工作機械メーカーなど幅広い業種のマーケティング・コンサルティング業務を経験しました。これまで培った経験を元に、一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)設立に参画し、感性マーケティング『マーケティング解析士』講座カリキュラム策定に携わりました。現在は、『マーケティング解析士』講座の講師活動を行っています。同時に、企業様のマーケティング課題解決のサポート活動を継続しています。

第10回 冷食に男性はランチョンマット!?南部鉄器のカップ!?

第10回「6ヶ月間・しっかり習得コース」~最適な組合せのコンセプト案を決定する~

本日第10回は、講義はなく実習のみ、チームごとに企画を進めました。

 

<第10回の主な内容>

PRAT5

  • 最適な組合せのコンセプト案を決定する

Neo P7手法

  • コンジョイント分析
  • クラスター分析

チームディスカッション

  • 実際に行ったコンジョイント分析用のアンケートのデータ作成
  • コンジョイント分析の実施/li>
  • クラスター分析の実施

課題

  • 最適コンセプト決定

 

アンケートを自分たちで行ったことで発見や改善点が見つかったようです。

 

「単身者向け冷凍食品」を企画しているチームからは意外な結果が! 

単身者向けの冷凍食品を企画している属性の一つに料理の種類があり、その結果が意外でした。
女性の方が高級料理が好まれるかと思ったら、男性の方に好まれ、女性はむしろ屋台料理がいい!という結果に。
他にも、ランチョンマット付きに対する評価も、女性の方が好まれると思っていたら、男性に好まれていました。

チームのみんなで「意外!」と発見でした。

やはり、思い込みで商品企画していけませんね。しっかりお客様のニーズを聴く大切さを再認識しました。

 

「男性がもらって嬉しいカップ」を企画しているチームはしっくりとした結果が得られず引き続き

思いのほか、欲しい!と思っている人と、要らないよと思う人と、分かれているようで、回答者全員(全サンプル)で分析した結果からは、明確に判断できる解は得られませんでした。

ただ一つ確認できたことは、南部鉄器のカップの方が、ガラス製のカップより好まれそうということ。

一つずつ分析を進めながら、最適値を導出するのに相応しいクラスター(ターゲット層)を見つけていきたいですね。 

 
 
商品企画の系統的なやり方を学びたいという方は、5月8日から始まります↓6ヶ月間・しっかり習得コース(全12回)をご覧になってみてください!

感動商品を生むためのメソッド『Neo P7』を正確に深く理解するためのカリキュラム構成です。講師は『Neo P7』開発者である神田 範明 名誉教授が担当し、丁寧にわかりやすくお伝えします!

第9回「6ヶ月間・しっかり習得コース」~どの企画案が最適コンセプトかを客観的に決定する~

最適な組合せのコンセプト案を決定する 第9回

企画商品の外郭が見えてきて、ますます楽しみになってきています!

 

<第9回の主な内容>

PRAT5

  • 最適な組合せのコンセプト案を決定する

Neo P7手法

  • コンジョイント分析
  • クラスター分析

講義

  • コンジョイント分析②(多水準)
  • クラスター分析

実習

  • 例題の属性・水準を適切な直交表に割り当てよう
  • 『成城カレー』データについて適切なクラスター分析を行おう

チームディスカッション

  • 属性・水準の決定⇒直交表に割り当て
  • コンジョイント分析用アンケート調査票の作成

課題

  • コンジョイント分析用アンケート調査票の仕上げ
  • アンケートの実施
  • 回収後、データ作成

 

次より、講師の神田名誉教授の解説と講座風景をご紹介します。

 

商品企画が大詰めを迎えています

昨年9月から商品企画実習を始め、本日は第9回。「冷凍食品」チームを例に企画案をのぞいてみましょう。

「冷凍食品」チームの企画テーマは、「単身者向け冷凍食品」です。

<属性>

健康
料理の種類
国別マット
QR:体験
食材
料理
発熱シート
音が鳴る
料理シリーズ

上記9属性におけるそれぞれの水準について、「1.健康」と「2.料理の種類」を例にみてみましょう。

 

<属性と水準の例>

1. 健康
第一水準:減塩
第二水準:医師監修
第三水準:なし

2. 料理の種類
第一水準:高級料理
第二水準:屋台料理
第三水準:家庭料理

「単身者向け冷凍食品」という新商品(シリーズ)を企画しているわけですが、まだ組み合わせで悩んでいます。

「【健康】減塩」で「【料理の種類】高級料理」で・・・・の組み合わせが最適コンセプトなのか?
「【健康】医師監修」で「【料理の種類】屋台料理」で・・・・の組み合わせが最適コンセプトなのか?
「【健康】なし」で「【料理の種類】高級料理」で・・・・の組み合わせが最適コンセプトなのか?
「【健康】減塩」で「【料理の種類】家庭料理」で・・・・の組み合わせが最適コンセプトなのか?

 

組み合わせの最適コンセプトを定量的に客観的に明らかにする

「単身者向け冷凍食品」という新商品(シリーズ)コンセプト(属性と水準の最適な組み合わせ)を客観的に評価したい。
そういうときに、コンジョイント分析を行うのが適しています。

段取りとしては、コンジョイント分析によってそれぞれの属性・水準が「買いたい」などの総合評価にどの程度影響するか(効果を押し上げるか)を正確に測定するために、事前に直交表(ちょっこうひょう)にあてはめて、独立性を保てるように準備します。

例えば、「雪山」が好きな人は「雪景色」も好きといった関係性の強い「属性」が含まれると、「雪山」が好きで買いたいのか、「雪景色」が好きで買いたいのか、独立して測定できません。

具体的な手順を次の「環境に優しい弁当容器」の例でご説明します。

 

1.「属性」と「水準」の組み合わせ案まで絞り込めた

 

2.直交表にあてはめる

⇒ 独立して属性と水準の効果を測定できるようにするため直交表にあてはめて確認する。

 

3.コンジョイント分析用のアンケート票を作成する

 

4.アンケートを採る

5.(P7かんたんプランナーで)コンジョイント分析を行う

⇒ 組み合わせ案の最適コンセプトを、定量的に客観的に評価して決定する。

 

性別や年齢でターゲットを見つけられないときはクラスター分析を行ってみる

コンジョイント分析の結果、どうも芳しくない、つまり、企画案の評価が悪いという場合もあります。
500人の回答データを分析して評価点は3点だった。
(5点満点評価で、平均値4点以上だと売れる!と判断できるが、3点では売れない)

500人全員が3点だったというわけではなく、人それぞれでしょうが、男女に分けて分析し直しても、年代に分けて分析してみても、全体500人で分析したときと結果は変わりませんでした。
そういうときに、価値観で分類してコンジョイント分析を実行してみると、非常に判りやすい結果が得られるというケースがよくおきます。その後、クラスターの中に入っている人がどういう人か、性別や年齢などで戻すと、ターゲット像を掴みやすくなります。

 

 

チームで協力して商品企画

本日の講義は、多水準直交表とクラスター分析を学び、実習を行い頭の体操をした後、チームディスカッションに入りました。

というわけで、各チームはどのように進展したでしょう。

テーマ1「単身者向け冷凍食品」
テーマ2「男性がもらってうれしいカップ」

 

「単身者向け冷凍食品」チーム

「3水準2つ・2水準8つ」から→「3水準2つ・2水準5つ」に絞り→自分たちで評価してみて問題がなかったので→一般質問を考え始めました。総合指標は「食べたい」「買いたい」。クラスター分析用の食に関する質問を見直しました。

 

「男性がもらってうれしいカップ」チーム

「4水準1つ、3水準3つ、2水準1つ」→アイデアの全体像を見直し、総合指標を「もらいたい」と「自分で購入する場合、最大購入価格をいくらならという金額をとる」ことにしました。

両チームとも、アイデアも良いし、組み合わせも良いし、結果が楽しみですね!
お疲れ様でした!

次回までの宿題は、コンジョイント分析を行うためのアンケート票作成とアンケートの実施、データ作成です。

 

本日は全員リーモート参加です。緊急事態宣言が発令されましたことを受けて実施方法を急遽変更しました。神田講師と前田アシスタント講師が、「冷凍食品チーム」と「カップチーム」にそれぞれ入り、チームのディスカッションをファシリテート(促進)し、リーダーを中心にメンバーと討議・検討を進めています。WEB上のチームディスカッション風景です。

 

感動商品を生むためのメソッド『Neo P7』を正確に深く理解するためのカリキュラム構成です。講師は『Neo P7』開発者である神田 範明 名誉教授が担当し、丁寧にわかりやすくお伝えします!

第8回「6ヶ月間・しっかり習得コース」~最適な組合せのコンセプト案を決定する~

最適な組合せのコンセプト案を決定する 第8回

いよいよ終盤です。

 

<第8回の主な内容>

PRAT5

  • 最適な組合せのコンセプト案を決定する

Neo P7手法

  • コンジョイント分析
  • クラスター分析

講義

  • コンジョイント分析①
  • 直交表

実習

  • 異なるカテゴリー(属性)とレベル(水準)の組み合わせを考える
  • 楽に組み合わせを作るためのツール=直交表を理解する

チームディスカッション

  • 仮説案の絞り込み
  • 属性・水準の検討

課題

  • コンジョイント分析のための調査票作成に必要な商品画像づくり

 

次より、講師の神田名誉教授の解説と講座風景をご紹介します。

 

最適なコンセプトって何でしょうか?

もちろん、売れる商品
=顧客が「欲しい!」「買いたい!」という商品を表現した言語ですよね。

 

では、複数案あるとき、どうやってコンセプトを決めていますか?

 

A. 企画会議で議論または評価して

会社の都合やスタッフの考えで決められ、顧客の意向が入らない

 

B.事業部または会社のトップの意向(決済)で

トップの考え、好みで判断され、顧客の意向が入らない

 

C.顧客の意見をインタビューなどで聞いて

定性的に決まり、正しく最適な案が残るとは言えない

 

例えば、「水筒」の例で

色、大きさ、形、デザインは、こんなものを考えている。

 

どの組み合わせが一番「買いたい!」と消費者は思ってくれるでしょう?

例えば、「色」と「大きさ・形」の組み合わせは?

色(5色)の案と、大きさ・形(4種類)の案の組み合わせは、20通り。

この20通りの「水筒」案を、消費者に買いたいかどうか評価してもらうの?
消費者は20回も回答しなきゃいけないの?
無理、、、、、、

「色」(5色)  「大きさ・形」(4種類)  「デザイン」(4案)
この組み合わせとなると、、、その数は、5×4×4=80通り。
80回は絶対にアンケートできない。。。。

 

実際には、7属性、各2水準の候補があり!

この場合の全部の組み合わせは、何と・・・・・・・

2×2×2×2×2×2×2=128通り

 

直交表を用いると効率的に組み合わせを決めれる

こんなとき、直交表を用いると、128通りが⇒8通りで済む!

これなら、消費者が回答できます! アンケートを実施できますね。

 

チームで協力して商品企画

というわけで、各チームはどのように進展したでしょう。

テーマ1「単身者向け冷凍食品」
テーマ2「男性がもらってうれしいカップ」

本日のチームディスカッションは、仮説案の絞り込み、絞り込んだ仮説案について、
属性と水準を検討し、直交表を用いて、属性数と水準数を決めるところまで進めました。

お疲れ様でした!

次回までの宿題は、コンジョイント分析を行うためのアンケート票作成の準備、画像作成です。

神田講師と前田アシスタント講師が、「冷凍食品チーム」と「カップチーム」にそれぞれ入り、チームのディスカッションをファシリテート(促進)し、リーダーを中心にメンバーと討議・検討を進めています。会場参加者とWEB参加者とがオンライン上でチームディスカッションを行った実習中の風景。

 


2021年1月20日(水)START!全5回コース

 

第7回「6ヶ月間・しっかり習得コース」~顧客の望む最適方向(売れる方向)を求める~

顧客の望む最適方向(売れる方向)を求める

前回から定量分析に入り、今回はポジショニング分析を学びました。

 

<第7回の主な内容>

PRAT4

  • 顧客の望む最適方向(売れる方向)を求める

Neo P7手法

  • ポジショニング分析

講義

  • ポジショニング分析
  • 因子分析
  • 重回帰分析

実習

  • スネークプロットの特徴づけ
  • 「水筒データ」を用いて分析を行ってみよう

チームディスカッション

  • 企画商品のポジショニング分析の実施と検討
  • 層別ポジショニング分析の実施と検討

課題

  • 仮説案の絞り込み~動かす要素(属性)・水準の検討

 

次より、講師の神田名誉教授の解説と講座風景をご紹介します。

Neo P7におけるポジショニング分析の最大のメリット

Neo P7の4番目の手法(アンケート調査)から定量分析の工程に入りました。
前回、「スネークプロット」→「CSポートフォリオ」と進めてきて、だいぶ新商品仮説に対するユーザー評価が見えてきました。

スネークプロット
⇒ 各仮説の特徴と細かな評価がわかった。わかったが・・・

CSポートフォリオ
⇒ 各仮説の改善すべき点などはわかった。わかったが・・・
各仮説の

  1. 全体の中でのポジション
  2. 理想にどのくらい近いか=売れるかどうか
  3. またその理由

は、わからない。

Neo P7におけるポジショニング分析は、1.2.3.を明らかにすることが目的です。
そして、「2.理想にどのくらい近いか=売れるかどうか」と「3.その理由」を得られることが他のポジショニング分析にはない最大のメリットです。
このことにより、客観的な根拠に基づいた意思決定が可能になります。

 

一般的なポジショニング分析とNeo P7ポジショニング分析の違い

違いを視覚的に比較してみます。

 

一般的なポジショニング分析の例

感覚的に置きます(位置付けます)。一見、しっかりポジションを確認できそうですが、根拠は明示できません。

 

Neo P7のポジショニング分析の例

 

新しい「水筒」の6つの商品仮説、どれが売れそうな仮説か? それはなぜか? もっとブラッシュアップするためにはどうしたらよいか?が解ります。

矢印の方向が理想の方向=売れる方向です。
「キャップ型マグ」と「タンブラー」が理想方向に近いことが判り、「折りたたみ式ボトル」は逆方向なので仮説を却下した方が良いと判断できます。そこから、「キャップ型マグ」と「タンブラー」を上手に組み合わせて、FAC.2「デザイン性」とFAC.3「清潔性」を併せ持った水筒にブラッシュアップすると良いと判断でき、次のアクションがとれます。

 

誰でも簡単に分析できるので手軽に取り組める

Neo P7の中で使用する分析手法は、すべて「P7かんたんプランナー」というその名の通り、誰でも簡単に分析できるソフト(R)を使用します。

WindowsでもMacでもどちらでも可能です。

分析ソフト「P7かんたんプランナー」は、「学びコース」にご参加いただいた方と「実践プロジェクト」にお取組みいただいた企業様に配布しております。

「実践プロジェクト」は、企業様の実際の商品開発ですので、企業様ごとに実施いたしますが、「学びコース」は企業内研修のほか、JMLA主催の講座を開催しておりますので、どなたでもご参加いただけます。

次のコースは、2021年1月20日から始まります。
コース名は、「基礎から学ぶ できる!シリーズ 商品企画WEB講座」です。このWEB講座は、本日のプログでご紹介している6ヶ月コースとは違い、基礎と流れをご理解いただく講座なので、分析の実習はございませんが、分析ソフト「P7かんたんプランナー」のご紹介をいたします。講座修了後お申し出頂いた方に「P7かんたんプランナー」をお渡しいたします。「基礎から学ぶ できる!シリーズ 商品企画WEB講座」の詳細は、こちら↓よりご覧になってみてください。

 


2021年1月20日(水)START!全5回コース

チームで協力して商品企画

話は戻りまして、さて、各チームはどのように進展したでしょう。

テーマ1「単身者向け冷凍食品」
テーマ2「男性がもらってうれしいカップ」

両チームとも、自分たちが作った仮説をポジショニング分析し、男女の層別分析も行い、仮説案の絞り込みを検討しました。

お疲れ様でした!

会場参加者とWEB参加者とがZoomのブレイクアウトルーム(グループ分け)機能を利用し、チームディスカッションを行った実習中の風景。神田講師と前田アシスタント講師が、「冷凍食品チーム」と「カップチーム」にそれぞれ入り、チームのディスカッションをファシリテート(促進)し、リーダーを中心にメンバーと討議・検討を進めています。

 


2021年1月20日(水)START!全5回コース

 

どのようなメニューがありますか?

新商品/新事業の企画開発を支援するWAKULABOは、「つくりたい」と「学びたい」の両面から強力にサポートいたします。

メニュー一覧

実践プロジェクト

あなたの会社の「新商品・新事業をつくりたい/完成させたい」を、感動商品を生むためのメソッド「Neo P7」を活用し実現します。
半年間、貴社の開発チームと「ワクラボ」の専門家や(有資格の)大学生数名とコラボレーションして、貴社の新商品・新事業の開発・完成を実現します。

お問合せ

 

企業研修 アイデア発想法習得コース

感動商品を生むためのメソッド「Neo P7」に含まれる手法のうちアイデア発想法を学びます。
貴社の商品・サービスをテーマに、感動商品につながる可能性のあるアイデアを、社内で大量に生み出せるようになります。

お問合せ

 

企業研修 メソッド習得コース

感動商品を生むためのメソッド「Neo P7」のすべての手法を学び、スキルを習得します。
商品企画能力が飛躍的に高まり、裏付けに基づいた説得力のある商品企画を実現できるようになります。

また、部門を越えて共通言語を持つことができるようになり、課題に取り組みやすくなります。
違う部門の方々と一緒に学ぶことにより、新しい刺激を受けるメリットもあるのではないでしょうか。

お問合せ

 

WAKULABO主催講座 基礎から5回コース

正式名称「基礎から学ぶ できる!シリーズ 商品企画WEB講座(全5回)」。
感動商品を生むためのメソッド「Neo P7」の概論について知識を習得し、右脳的手法について実習トレー二ングを行います。

WEB講座ですので、ネット環境があれば、どこからでも参加いただけます。

(左脳的手法=PC実習はありません。)

2021年1月20日からスタートします!

受講生のその後、活躍事例は、こちらからご覧いただけます。

 

WAKULABO主催講座 しっかり12回コース

正式名称「JMLA商品企画士プロフェッショナル 6ヶ月間・しっかり習得コース」。

感動商品を生むためのメソッド「Neo P7」を正確に深く理解するためのカリキュラム構成で、6か月(全12回)かけてじっくり取り組みスキルを習得します。

講座受講時間が40時間超あり、加えて次講座までにチームで取り組む課題にかける時間を含めると、大変充実した体験ができます。

実施方法は、WEBと会場と同時開催ですので、ご希望のご参加方法をお選びいただけます。
現在9月からスタートしたコースがちょうど中盤にかかり、チームごとの商品企画の姿形がずいぶん見えてきてワクワク度がますます高まってきています。講座中のチームディスカッションの方法は、WEB参加の方と会場参加の方が1つのチームになっていますので、WEB上のミーティングルームに集まり、討議を重ねるという方法をとっています。初めての試みでしたが、対面(リアル)のミーティング方法と遜色ない議論ができており、アウトプットの精度も非常に高いです。

したがいまして、WEB参加と会場参加とどちらのご参加方法でも、しっかりじっくり確実に習得いただけます。

企業内研修と違う点は、違う会社の方とチームを組むという点です。さまざまな業種の方とディスカッションできますので、この点からも新しい刺激を受けるのではないでしょうか。

6ヶ月コースは、2021年5月スタート予定です。

 

 

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動画コンテンツ 「Neo P7」とは 開発者プロフィール神田範明
実践プロジェクト 商品開発・事業開発の実績 選ばれる理由 実践プロジェクト基本内容 ご支援の流れ 主なプロフェッショナルメンバー 学びコース

第5回「6ヶ月間・しっかり習得コース」~アンケート調査・分析ソフト導入~

選ばれた仮説を客観的に評価する 第5回

11月7日、WAKU LABO「6ヶ月間・しっかり習得コース」全12回のうち5回目、本日はの内容はPART1~6からあるうちPART3、アンケート調査についてです。

 

<第5回の主な内容>

PRAT3

  • 選ばれた仮説を客観的に評価する

Neo P7手法

  • アンケート調査

講義

  • アンケート調査
  • 分析ソフト「簡単プランナー」の導入~使い方

実習

  • 「レストラン」に関するアンケートの評価項目と総合評価項目を作成
  • 新しい飲食店に関するスネークプロットと、CSポートフォリオについて2仮説を対比して考察する
  • 分析ソフト「簡単プランナー」の導入、使用

チームディスカッション

  • 評価構造図の仕上げ
  • 評価項目と総合評価項目の決定
  • 調査票作成(一部)

課題

  • チームでアンケート票を仕上げる

 

次より、講師の神田名誉教授の解説と講座風景をご紹介します。

 

右脳と左脳、定性と定量

今回を境に定量手法の工程に入ります。
今回の講座内容であるアンケート調査では、調査後にどのような定量分析を行うかを想定しながら、前回まで進めてきた定性情報を調査票に落とし込み、アンケートを実施するための質問シートを作成します。

 

顧客の仮説への評価を定量的に探る

Neo P7では、後半の過程で定量調査を2回採ります。
そのうち1回目の調査後の分析は3つ、スネークプロット、CSポートフォリオ、ポジショニング分析。2回目は、コンジョイント分析。本日第5回の講義では、定量調査のやり方と、1回目の定量調査で使用する2つの手法について解説いたしました。

2つの手法
① スネークプロット ・・・ 各項目の平均値のグラフ(評価の全体を見る)
② CSポートフォリオ ・・・ 仮説や商品の改善点を検討(優先度の高い改善項目を発見)

アンケート票作りから分析手法のそれぞれについて、読み進めていただければと思います。

 

アンケート調査 3つのポイント

良い情報を採って後で活用できるようにする、このことがアンケート調査の最大の鍵です。
そのためには、どのように調査票を設計したらよいでしょう。これを知っておけば、プロと同じレベルの調査票を設計できる3ポイントについて、それぞれ詳しく解説いたしました。

下記に3ポイントの概略を記載いたします。

(1)正しい調査方法の計画

  • 予算内で最大効果の調査方式の決定
  • 対象層・サンプル数の決定⇒1層最低50を目安に
    400人で最大誤差5%, 100人で10%程度

 

(2)適確な調査票の作成

  • 目的を絞れ
  • 因果関係の仮説から要因を挙げる
  • 質問・回答形式の決定⇒原則プリコード
  • 質問文・選択肢の作成⇒誘導・誤解・ぬけを避ける

(3)多様な分析の実施

  • スネークプロット/CSポートフォリオ/クラスター分析
  • 多変量解析で改善や新規の方向を出す・因果関係を追究

※上記(1)~(3)はWAKULABO「6ヶ月間・しっかり習得コース」テキストより引用。

 

Neo P7推奨のアンケート票の例

ご参考に、Neo P7の典型的な調査票の例をご紹介します。

 

 

構成と流れは、「一般質問」⇒「評価質問」⇒「フェイスシート、フリーアンサー」です。

保存食品に関するアンケート調査を例に見てみましょう。

まず、「一般質問」の例は、
Q1.保存食品が好きかどうか
Q2.保存食品を食べる頻度
Q3.保存食品の利用時間帯
Q4.保存食品の購入場所
Q5.購入の際の重視点
Q6.保存食品に対する不満点
などです。

答えやすい質問ですよね。アンケートの導入部分になりますので、回答者が考え込んで答えに詰まるとそこから先は進めなくなります。回答者自身の普段の食生活から想像しやすい質問を設計するよう注意しましょう。

続いて、「評価質問」です。
複数の仮説案について、共通の評価項目で評価してもらいます。
共通の評価項目にすることで、お互いの仮説案を比べることができるようになります。
評価項目が仮説案ごとにバラバラだと、調査後に比較できなくなり、どの仮説案が良いのか決めることができなくなります。
「評価質問」の作成イメージは、上図「評価質問」をご覧ください。

最後に、「フェイスシート、フリーアンサー」です。
「フェイスシート」は、回答者の人物像を理解しやすくするための情報です。
Q8.性別
Q9.同居家族
Q10.年齢
Q11.職業
Q12.料理するかどうか
Q13.休日の過ごし方
などです。
そして、フリーアンサー、
Q14.保存食品に関する自由意見

 

「評価質問」の分析方法について

上図「評価質問」が、新商品の仮説案で、Neo P7の要の質問です。
要の質問についての分析方法を本日は2つ(スネークプロットとCSポートフォリオ)ご紹介します。

スネークプロット

各項目(評価項目と総合評価項目)の平均値のグラフ(折れ線グラフ)です。
評価全体を見ることができます。

 

CSポートフォリオ

CSポートフォリオはSHARPが開発した手法で、今ではCS評価ツールの定番となっている手法です。
この分析手法を、Neo P7では応用して使用します。

下図を例にCSポートフォリオの利点を解説します。
評価の平均点が高いからといって、買うかどうかに影響するとはいえません。「軽さ」「性能」「耐久性」は、単体では平均点は同じくらい高いけれど、購入するかどうかに対して最も影響するのは「耐久性」で、「軽さ」は影響しません。「軽さ」と「性能」は平均点は高いけれど改善のために投資しても購買に影響しないのでよろしくない、ということが判ります。
投資するなら、点数は低いが購買に影響力の高い(右下の)2項目「アフターサービス」と「価格」である、と判断できる点がCSポートフォリオの最大の利点です。

 

誰でも簡単に扱える分析ソフト「P7簡単プランナー」

ここまでご覧になって、分析に時間がかかりそうなだと思われた方もいらっしゃると思います。
でもご安心ください。
Neo P7は、理論体系だけではありません。データ分析を効率的に行えるソフトが付いています。

Neo P7の分析ソフトを、「P7簡単プランナー」と呼んでいます。
我々は、「かんたんプランナー」の愛称で呼んでいます。

本日は、「P7簡単プランナー」の導入から使用テストまで実施しました。
次回から実際にデータ分析が始まります。

 

 

チームで協力して商品企画

さて、各チームはどのように進展したでしょう。

テーマ1「単身者向け冷凍食品」
テーマ2「男性がもらってうれしいカップ」

両チームとも、評価構造図がほぼ仕上がり、「評価項目8項目」「総合評価項目2項目」が決まりました。
そして、アンケートで提示する仮説案(画像やイラスト、説明文)の見直しまで進めることができました。

1週間で、アンケート票を仕上げ、神田先生へ提出するというのが今回の宿題です。
アンケート票づくりは、こういう分析をこの後やるんだということをイメージできるようになると、考え方ががらりと変わります。一度トレーニングしておくと、次から自信を持って作れるようになりますから大事なトレーニングになります。

提出いただいたアンケート票は、神田先生が目を通し、次回までにフィードバックいたします。

 


Zoomのブレイクアウトルーム(グループ分け)機能を利用してチームディスカッションを行った実習中の風景。神田講師と前田アシスタント講師が、「冷凍食品チーム」と「カップチーム」にそれぞれ入り、チームのディスカッションをファシリテート(促進)し、リーダーを中心にメンバーと討議・検討を進めています。

 

「商品企画」をご一緒に体験してみませんか。
ご興味をお持ちになった方は、ぜひ、無料セミナーにご参加ください。お待ちしております!

 

無料セミナー「失敗しない商品企画・開発の進め方~Neo P7システム~」11/17

 

産学協同で学生を交えて企画してみたいという企業様は、こちらから気軽にお問合せください。

 


2021年1月20日(水)START!全5回コース

第4回「6ヶ月間・しっかり習得コース」~評価構造図作成~

顧客の意見から仮説を確認・修正し、評価基準を抽出する 第4回

10月24日、WAKU LABO「6ヶ月間・しっかり習得コース」全12回のうち4回目、本日はの内容はPART1~6からあるうちPART2、インタビュー調査を行った結果を評価構造図にまとめる実習です。

本日は講義はなく実習のみ。チームで評価構造図を検討しながらまとめます。

① 各メンバーから報告

  • インタビュー調査(調査グリッド法)の結果報告
  • 評価項目、上位概念、下位概念の整理の状況報告

② リーダーを中心にチームディスカッション

  • 評価項目(8項目の決定)
  • 総合評価項目(2項目の決定)
  • 評価構造図の概要作成

次より、実習内容や講師・神田名誉教授の解説、講座風景をご紹介します。

 

インタビュー実施から評価構造図完成までの流れ

本日第4回に至るまでを振り返ります。
第1回、チームごとに商品企画を行うテーマを決め、仮説発掘アンケートの実施準備をしました。
第2回までに、企画する商品の仮説発掘アンケートを採りアイデアを膨らませ、アイデア発想法を実施しました。
そして前回第3回までに、大量のアイデアから選択法を用いて、優良のアイデアを絞り込みました。

第3回宿題の実施から⇒本日第4回の実習⇒次回第5回までの宿題 のおおよその流れは、
(下図も併せて参照ください)

宿題

絞り込んだ約8つの商品アイデア(提示サンプル)について、10人くらいの人たちにインタビュー調査(評価グリッド法)を実施する。提示サンプルを振り分け、各メンバーが3~4人にインタビュー。

本日の実習

各メンバーから調査結果を報告。
リーダーが全メンバーの結果を一覧にし、検討を進める。

次回までの宿題

  • 評価項目(8項目の決定)
  • 総合評価項目(2項目の決定)
  • 評価構造図の概要作成

 

 

評価グリッド法の手順

 

Step1 回答者に提示するサンプルを用意する
Step2 評価を実施する
Step3 調査のまとめを行う

 

Step1 回答者に提示するサンプルを用意する

サンプルは評価グリッド法の要で非常に重要です。
回答者一人当たり3サンプル程度を2つずつ比較評価してもらいます。

提示サンプルは仮想商品です。
仮想商品の比較はなるべくイメージがわかるように、ていねいに描きましょう。
下図は、仮想商品・親孝行支援サービスのサンプルの一例です。

 

 

 

Step2 評価を実施する

サンプル(Step1で作成した提示サンプル、あるいは、商品の実物、カタログ、イラスト、説明文など)を提示しながら、質問マニュアル※に従って評価してもらいます。

※質問マニュアル:前述「インタビュー実施から評価構造図完成までの流れ」の図2つ目「インタビュー内容(設問)と評価してもらった結果を構造的にまとめるイメージ」に記載の設問が、評価グリッド法の質問マニュアルです。

インタビューの際は、インタビュア(実施者)は自分の意見を言わず、主観を入れないで、インタビュイー(インタビューされる人)から意見を引き出すよう注意しましょう。

 

Step3 調査のまとめを行う

まとめ1 個人別(インタビュイーごと)の評価構造図を描く
まとめ2 それをさらに融合させて全員の評価構造図を描く

 

まとめ1の方法は、前述「インタビュー実施から評価構造図完成までの流れ」の図2つ目「インタビュー内容(設問)と評価してもらった結果を構造的にまとめるイメージ」をご覧ください。

少し難しくなるのがまとめ2です。
まとめ2、「融合させて全員の評価構造図を描く」は、言い換えると、
約8つの商品アイデア(提示サンプル)の評価すべてを融合させて1つの評価構造図を描くイメージです。

 

 

融合させた評価構造図を描く3ポイント

ポイント1 同様あるいは類似の項目は一つにして整理(カテゴリー化)

「便利そう」
「手軽に焼き魚が食べれそう」

「便利そう」

「健康に良さそうな」
「栄養バランスを整えられる」

「体に良さそう」

 

ポイント2 2つ以上の意味が出現する場合は適切な言葉に置き換える

「高級料理を安く」(値段が高級と安い)

「値頃に感じる」や「コストパフォーマンスが良さそう」など

「手間がかかるのに楽(ラク)」(手間がかかると楽)

「便利そう」や「簡便そう」など

「朝から元気が出る」(朝という時間のここと、元気が出るという効果のこと)

「元気が出る」(時間を限定しない、昼用でも夜用でも評価できるように朝を省く)

 

ポイント3 上中下の位置が間違っていれば移動させる

「評価項目」に挙がった項目でも不適切であれば「上位概念」に移動させたり「下位概念」に移動させたりする。

 

評価グリッド法・評価構造図を描く意義

評価グリッド法のアウトプットを、次のアンケート調査のインプットに使用する部分は、評価構造図の中央部分「評価項目」のみです。
では、<上位概念>と<上位概念>は使わないの?⇒使いません。
では、なぜ必要なの?無駄ではないですか?
いえ、<上位概念>と<下位概念>があるからこそ「評価項目」が活かせるのです。

意義1.評価項目の意味が明確に解る

お客さまニーズが見える化でき、評価項目の意味・背景を理解でき、ニーズの構造全体が解ります。

意義2.すべて説明できる

お客さまのニーズが構造的に見える化できているため、意思決定の根拠を説明できます。そのことが上司や経営幹部層の意思決定を推進し、商品開発のスピードアップに貢献します。また、開発後の販売やコミュニケーション戦略の際にも役立ちます。

 

チームで協力して商品企画

さて、各チームはどのように進展したでしょう。

テーマ1「単身者向け冷凍食品」
テーマ2「男性がもらってうれしいカップ」

両チームとも、「評価項目」と「総合評価項目」がだいたい決まった、というところまで進めることができました。
次回までの宿題は、「評価項目」「総合評価項目」を決定することと、評価構造図を仕上げることとなり、本日は終了しました。

 

Zoomのブレイクアウトルーム(グループ分け)機能を利用してチームディスカッションを行った実習中の風景。神田講師と前田アシスタント講師が、「冷凍食品チーム」と「カップチーム」にそれぞれ入り、チームのディスカッションをファシリテート(促進)し、リーダーを中心にメンバーと討議・検討を進めました。

 

定性データ(感性情報)の扱い方に慣れてきたのではないでしょうか。
仮想商品がますます具現化され、ワクワクしますね!

定性的な手法と定量的な統計解析を巧みに組み合わせたシステマティックな「商品企画」をご一緒に体験してみませんか。
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アフィリエイト広告の成果が頭打ち、どう改善する?

新規申し込み客数が伸び悩み

あるベビー用サービスを全国展開している会社さんから最近相談を受けました。
コロナ禍に対応して、オンラインサービスも充実しています。
これまでアフィリエイト広告で新規顧客の獲得が順調に伸びていたそうです。

 

 

悩みは、アフィリエイト広告を継続してきたのだが、最近は申し込み数が頭打ちになったというのです。

 

マーケティングの原点に立ち返って

この会社さんは、アフィリエイト広告の継続は一端止め、マーケティングの原点に戻り、ブランディングに着手することを決断されました。

「自社のブランドが顧客に提供できる価値をもう一度見直してみる。」

 

 

ブランドは一朝一夕で築き上げられるものではありません。

既に顧客になってくれている人たちが大勢います。
ですから、確実にブランドは形成されています。

しかし、現在ブランドがどこまで築き上げられているのか?というのを、改めて見直してみる機会を持つことは、企業にとっては重要な機会となりそうです。

 

ブランディングの進め方4STEP

ブランドは4段階の進化を経ます。

原点回帰して自社そのものを見直してみましょう。
ブランディングは一朝一夕にはできない、どのように進めていけばよいでしょう。

 

 

1.機能としてのブランド
品質や性能、素材、サイズ、実用性など、製品として
最低限機能するレベル
⇒良い製品

2.好みとしてのブランド
見た目、使用感、デザインなど、「こんな感じの探してた」と
いうような人の好みによって選択されるレベル
⇒好きな製品

3.社会評価としてのブランド
持っていると自慢できる、世間の評判、安心、あこがれ、
高級感など社会で評価されるレベル
⇒評判の良い製品

世間で評判の良いブランド、ここまでくれば、ブランドは確立されたといえます。
しかし、もう一歩足りません。

4.意味的価値としてのブランド
「私(の自己実現)にはこれ(このブランド)はなくてはならない存在」
「これ(このブランド)があるから暮らせる(信頼)」
「長年これ(このブランド)を使い続けて愛着がある」
⇒かけがえのない製品

注:「製品」は「製品」「商品」「サービス」「提供役務」を包含する表現として使用しています。

「かけがえのないブランド」にまでなると、顧客は浮気しません。
ロイヤルカスタマーと言われる人たちです。
企業にとって収益面からも大変有難い失ってはならない顧客層です。

 

何事も基本は大事です。
もう一度マーケティングの基本を学んでみませんか。
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第3回「6ヶ月間・しっかり習得コース」~インタビュー調査~

顧客の意見から仮説を確認・修正し、評価基準を抽出する 第3回

10月10日、WAKU LABO「6ヶ月間・しっかり習得コース」全12回のうち3回目、本日はの内容はPART1~6からあるうちPART2、インタビュー調査2手法についてです。
① グループインタビュー
② 評価グリッド法

 

<第3回の主な内容>

PRAT2

  • 顧客の意見から仮説を確認・修正し、評価基準を抽出する

Neo P7手法

  • インタビュー調査

講義

  • インタビュー調査

実習

  • グループインタビュー
  • 評価グリッド法

チームディスカッション

  • 選出(商品アイデア)仮説報告
  • 検討

次回までの課題

  • 評価グリッド法

 

次より、「インタビュー調査」の2つの手法「グループインタビュー」と「評価グリッド法」に関して、講師の神田名誉教授の解説と講座風景をご紹介します。

 

3番目の手法「インタビュー調査」の役割

Neo P7における3番目の手法「インタビュー調査」の役割についてまずお話しします。

1番目の手法「仮説発掘法」⇒2番目の手法「アイデア発想法」と順に進め大量の商品アイデア(以下、仮説)を創出しました。それら大量の仮説から、アイデア選択法を用いて、6~8つ程度※の優良仮説を絞り込む方法を学んできました。ここまで第2回の講座の内容です。
※選択する仮説数:多いときは20個程度、扱いやすいのは6~8つ程度。優良仮説を絞り込む。

さて、第3回は、選択した6~8つ程度※の仮説を、直接顧客と対話をしながらニーズを深く探り、仮説を修正したり肉付けするすることを可能にする「インタビュー調査」について学びます。

「インタビュー調査」はその名のとおり顧客に対面型のインタビューを行い、顧客から本音を引き出す方法です。Neo P7では「グループインタビュー」と「評価グリッド法」を取り上げます。この他にも方法があり、この2つに限定するというわけではありません。大切なのは、顧客の意見を直接的に、定性的に把握して、良好な仮説を確立することです。

今はコロナ禍でリアル対面型が難しいケースも出てきますので、その場合は、テレビ電話やテレビ会議などオンラインサービスを活用するとよいでしょう。また、「評価グリッド法」はメールでも可能な方法です。

3番目の手法「インタビュー調査」の結果が、次の4番目の手法「アンケート調査」のインプット情報になります。定性的手法から定量的手法へ引き継ぐ方法を学びましょう。

 

消費財やサービスに向く「グループインタビュー」

「インタビュー調査」の1つ目「グループインタビュー」は、名前のとおり、1グループ4~6名に集まっていただき相互対話が生まれるように司会者が進行しながら調査を行う方法です。


「グループインタビュー」の長所は、仮説に対する顧客の印象や考えがはっきりその場でわかり、仮説の改善や修正点を把握しやすいことです。
例えば、
(司会者)「仮説Aについていかがですか?」
(参加者)「それはちょっとイマイチね」(という反応で終わったしまわず)
(司会者)「では、どうなっていたらよいのでしょう?」(すかさず次の問いを自在にできる)
(参加者)「機能を増やすより子供でも扱えるようにしてほしい」(顧客の要望を拾える)

または、参加者同士の会話を促すと
(司会者)「Xさんは仮説Aを10点満点中7点と評価されました。なぜですか?」
(Xさん)「・・・・・だから」
(司会者)「Xさんはこのようなご意見ですが、Yさんいかがですか?」
(Yさん)「私はⅩさんと少し意見が違って・・・よ。」
(Zさん)「私はXさんと同じだけと、この部分は〇〇にあった方がよりいいわね。」
このような具合に、(X、Y、Zさん)参加者同士の対話の中から新しい気づきを発見することができます。

ただし「グループインタビュー」短所は、司会者(モデレーター)のスキルに影響を受ける点です。
良いインタビューにするために、インタビューシナリオを事前にしっかり組み立てておくとよいでしょう。

 

良いグループインタビューにするためのシナリオ作り

グループインタビュー調査を従来のような「仮説発掘型」から⇒「仮説検証型」にしましょう。
そうすることにより、司会者の力量にさほど影響されなくなります。

Neo P7における「グループインタビュー」のシナリオの一般型を掲載しておきます。

 

シナリオ作りのポイント

<シナリオの前半>
仮説(商品企画のアイデア)を出さずに、テーマ(例えば、目覚まし時計)に沿って、現状や要望などを把握します。購入した時計や購入した店、その理由、目覚まし時計の置き方や使い方、不満や要望など。

<シナリオの後半>
仮説(商品企画のアイデア)リストを読んでもらってから、評価してもらい意見も出してもらいます。
仮説リストはプリントして配ります。

このように、前半は現状を把握しる設問を後半は仮説を評価する設問を構成すると、仮説に対する評価のバックグラウンドまで理解できます。また、シナリオをしっかり作成することで、インタビュー中に対話が脱線して広がりすぎても軌道修正を可能にしてくれます。

自社商品についてグループインタビューを実施したいという方、グループインタビューの結果をどのようにまとめるか、事前の段取りはどうするのか、ご興味をお持ちの方は、お気軽にお問合せください

 

BtoBにも非常に向く、顧客ニーズを構造的に把握する「評価グリッド法」

「インタビュー調査」の2つ目「評価グリッド法」は、一対一のインタビューを実施するイメージです。
実施対象は消費財やサービスだけでなく、BtoBの商材にも大変向く手法です。

「評価グリッド法」は組織的に実施できますので、まとめ方を先にご覧いただきましょう。

 

評価構造図

上図、左に行くほど抽象的な概念を、右に行くほど具体的な事項を記載します。

<上位概念>
上位概念は、Wants(ウォンツ)=「~したい」の表現で回答してもらいます。=何のために・願望・目標・目的が上位概念になります。

<中位概念>
中位概念は、上図、中央に記載し、この中位概念の項目を次の4番目の手法「アンケート調査」で評価項目に使用します。中位概念は「なぜ買いたいか?」「なぜ使いたいか?」という質問を投げかけ導出します。(次項「評価グリッド法の実施方法」参照)

<下位概念>
下位概念は、要求事項です。=具体的にどういうものが欲しいか。与えられた仮説(サンプル)にこだわらず自分の欲しい条件を答えてもらうので、新しい仮説になるものも出てきます。

そして、上ー中ー下の関係するもの同士を線でつなぎ構造図を完成させます。

 

評価グリッド法の実施方法

では、どのように実施すると前述の構造図を描けるのか、やり方をご説明します。

 

 

評価グリッド法の実施方法

STEP1
中位概念=(次のアンケート調査で使用する)調査項目を抽出します。
仮説2つを比較してどちらが買いたいかを質問し、選択した理由を回答してもらいます。

STEP2
ラダーリングにより、上位概念と下位概念を導出します。
中位概念(機能的/情緒的ベネフィット)を経由して上位の価値観から下位の商品属性までハシゴ(Ladder)をかけ昇降するようにインタビューを進めます。

STEP3以降
以下同様に、仮説の組み合わせを変え順次実施し、それらの結果を、評価構造図の形式でまとめます。

評価グリッド法は、一対一で実施できるので、上記を参考にぜひトライしてみてください。

 

チームで協力して商品企画

さて、各チームはどのように進展したでしょう。

テーマ1「単身者向け冷凍食品」
テーマ2「男性がもらってうれしいカップ」

 

「単身者向け冷凍食品」チーム

前回、企画テーマを「単身者向け冷凍食品」に設定したところから本日までの間に、チームで「アイデア発想法」を実施し60件の仮説(アイデア)を出すところまで進めてきました。本日のチームディスカッションでアイデア選択法を用いながら17件の案まで絞られ、さらにウエイト※付けシミュレーションの結果、優良仮説8案にまで絞り込んだそうです。仮説案には、「代謝を上げる冷凍食品」とか「丁度よい解凍に音が出る冷凍食品」とか「忙しい朝に栄養をしっかり摂れるご飯+惣菜パックの冷凍食品」とか、どれも実現されたら便利で買いたくなりそうな案が絞り込まれた様子です。
※アイデア選択のウエイト項目は、「目新しい」「体に良さそう」「使いやすい」「おいしそう」。

「男性がもらってうれしいカップ」チーム

110件の仮説(アイデア)を一次クリーニングで50件まで絞り、アイデア選択※シートを使って10件弱に、インターネット調査にかける仮説を7件に決めたそうです。仮説案には「コーヒーの香りを高めるカップ」や「カップを火にかけると鉄分が溶けて、鉄分を補給できるカップ」「猫舌の人向け冷めやすいカップ」「マドラーがなくても砂糖やミルクが混ざる機構設計のカップ」などを発表してくれました。
※アイデア選択のウエイト項目は、「機能性」「独自性・ユニーク」「芸術性・美しさ」。
興味深い仮説案ばかりで、これからの企画が楽しみですね。

 


チームディスカッション風景。講師の神田と上級アドバイザーの前田が、「冷凍食品チーム」と「カップチーム」に毎回交互に入りチームディスカッションを見守っています。両チームともリーダーを中心にチームワークが素晴らしいです!(Zoomのブレイクアウトルーム機能利用|実施会場:東京・八丁堀 (株)コーディネート・パートナーズ 感性分析支援センター)

 

ここまで定性的手法の特長を存分に活かしきれているのではないでしょうか。
次回から定量的手法に入ります。
ますます楽しみになってきました!ワクワクしますね!

「商品企画」をご一緒に体験してみませんか。
ご興味をお持ちになった方は、ぜひ、無料セミナーにご参加ください。お待ちしております!

無料セミナー「失敗しない商品企画・開発の進め方~Neo P7システム~」11/17

 

産学協同で学生を交えて企画してみたいという企業様は、こちらから気軽にお問合せください。

 


2021年1月20日(水)START!全5回コース

時代の潮流に乗る戦略を立てるために

潮流(ちょうりゅう)とは

「潮流」とは、漢字の通り「潮の流れ」「海水の流れ」という意味ですが、比喩的に「時勢の動き」「時代の流れ」という意味で使われます。
具体的には下記のように使われます。

  • 「あの人は、時代の潮流を上手く読んでビジネスに成功した。」
  • 「競争が激化するビジネス環境において、時代の潮流を把握し、それに適応することが企業の生存に不可欠です。」
  • 「マーケティング戦略を立案する際、時代の潮流を無視することはできません。」

すなわち潮流とは、ビジネスやマーケティングの文脈では、一般的に、特定のトレンドや傾向、あるいは市場や社会における変化を指す言葉として使用されているのです。

中長期的なマーケティング戦略を練るには、この「潮流」を読む力が必須です。昨日今日の出来事の比較や短期的な流行り廃りを把握する力も大切ですが、長期的なマーケティング戦略を練るためには、大局の着眼が不可欠です。

今回は「潮流」について、食の時代変化を追いながら説明します。

外食カレーチェーン店の変調の兆し

1978年(昭和53年)に創業した「カレーハウスCoCo壱番屋」が変調を示し始めています。
きっかけは値上げのようですが、本質はカレー本体とトッピングのメニューが分かれていて、カレーの色合いが単色に見える(映えない)こととトッピングに揚げ物が多く、時代のニーズからズレ始めたことです。
私も昨年まで、研修会場の近くにあり休日でも営業しているココイチさんは講座前の昼食として毎月利用させていただいていました。

ひと昔前、カレーを外食で美味しく味わうには高級ホテルのカレーくらいしかなかった時代に「カレーハウスCoCo壱番屋」が創業し、手軽に一定品質のカレーが食べれる画期的なチェーン店として拡大しました。今では牛丼チェーンやファミリーレストランなどカレー専門以外の外食チェーン店でもそこそこの値段で美味しいカレーをいただけます。また、野菜たっぷりカレー店やスパイスカレー店など個性的な人気カレー店の話題は尽きません。自宅で手軽に美味しく食べれる品質の高いレトルトカレーの種類も増えています。

食料不足の時代から飽食の時代、そしてニューノーマルの時代

日本の食事は1950年代頃(昭和の前半)までは米が主食でした。米が主食だった日本のPFC熱量比※は、かつては炭水化物(糖質)の割合が高く、たんぱく質と脂肪は不足していました。
※ PFC熱量比:エネルギーを構成するたんぱく質(P)、脂質(F)、炭水化物(C)の比率。
1960年代(昭和40年代)以降の食生活の洋風化で、肉類・油脂類が増え、1980年代(昭和の末頃)から理想に近い栄養バランスになってきました。 しかし、最近では脂質(F)の比率が少しずつ上昇し、栄養の偏りや生活習慣病の増加が健康問題として心配され始めています。2,000年(平成12年)に政府が「食生活指針」を策定しました。

栄養事情の変化以外にも、寿命100年時代へシフト、通信技術を活用したコミュニケーションの増大、新型コロナウィルス感染症の世界的流行、その他の要因も加わり、「健康」「安全」「ケの楽しさ」といった日常生活を丁寧に生きる潮流に変化し、消費者の外食店に求めるニーズも変化しています。

自社商品やサービスを顧客により届けやすくするために

時の流れとともに変化する「潮流」を読み間違うと、顧客や消費者に自社商品やサービスを提供しにくくなります。
それゆえ、マーケティングの力は不可欠といえます。
マーケティングとは、社会に貢献する商品やサービスを提供することにより自社の利益を得ることです。

自社商品・サービスを上手にユーザーに届けるためには、それなりの準備と戦略が必要です。ただやみくもにやればよいというものではありません。

ビジネス社会で成功させるためには、マーケティングの知識と活用力は重要です。

皆さまも「マーケティング」に興味を持ってみてはいかがですか。

必ずご自分のお仕事に活かされますよ。

参考: 「真のデジタルマーケッターとなるために」「3Cとは、SWOTとは」「強みを生かす!『SWOT』分析」「3C、4P、使いこなしていますか?!」「STP、ターゲティングの成功事例」「ファイブフォース分析とは」「JMLAベーシックパスポートの魅力