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堀内香枝 について

女性の感性を活かした調査設計や市場動向の分析により、お客さまの深層心理「感性」の解明を得意とします。コンサルティングファームで食品メーカー、外食産業、エステティック産業、通販企業、冠婚葬祭業、工作機械メーカーなど幅広い業種のマーケティング・コンサルティング業務を経験しました。これまで培った経験を元に、一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)設立に参画し、感性マーケティング『マーケティング解析士』講座カリキュラム策定に携わりました。現在は、『マーケティング解析士』講座の講師活動を行っています。同時に、企業様のマーケティング課題解決のサポート活動を継続しています。

ビジネス動画制作『CM STUDIO』のテンプレートとは その1

「知識ゼロから作れる15秒動画」、ビジネス動画を作ったことがない人が初めて作ることを前提としたご案内です。
今回は、ビジネス動画を『CMSTUDIO』のテンプレートを使って自分で制作する際の、テンプレートの選択方法をご案内します。

参考:前回は、「知識ゼロから作れる!? 高品質な15秒動画」と題して、手ごろな価格以上の『CMSTUDIO』の魅力をお伝えしました。

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テンプレート(ストーリーコレクション)選択画面が表示されます。

 

作りたい動画イメージに合うテンプレートを絞り込もう

「スタイル」「ジャンル」「テーマ」のいずれかを押下すると、下記のように3区分同時に選択画面が表示されます。

④ 「スタイル」「ジャンル」「テーマ」のそれぞれに提示されている項目から、作りたい動画のイメージに合いそうな項目に☑を入れ、表示させるテンプレートを絞り込みます。

スタイル(テンプレートの雰囲気・イメージ)
□ シンプル
□ テクノロジー
□ ポップ
□ ヴィンテージ
□ アクション
□ エレガント
□ ナチュラル
□ 3Dアニメ
□ シーズン

ジャンル(業種)
□ 不動産
□ 医療
□ イベント
□ 飲食
□ 流通・小売
□ ホテル&トラベル
□ 美容・理容
□ 人材サービス
□ 習い事・教育・セミナー
☑ IT・製造
□ ファッション・アパレル
□ WEBメディア

テーマ(動画制作の目的)
☑ 会社紹介
□ キャンペーン・セール紹介
□ 予約獲得/資料請求
□ 新着情報訴求
□ 報告動画
□ サービス・商品紹介
□ 人材募集(採用)
□ ランキング
□ アタック(イベントのオープニングを飾る映像等に)
□ カウントダウン

「スタイル」は絞り込まず、「ジャンル」は☑IT・製造にチェック、「テーマ」は☑会社案内にチェックして、「検索」した場合、下記のようにテンプレートが提示されます。

 

使用するテンプレートを選択しよう

⑤ 提示されたテンプレートの中から、1つ選択します。
動画テンプレートは一つ一つ再生して確認することができますので、吟味することができます。

例えば、「CMST製薬株式会社」のテンプレートを再生すると、5つのスライドで動画が構成されていることを確認できます。

 

 

「Crevo株式会社」のテンプレートを再生すると、6つのスライドで動画が構成されていることを確認できます。
流れている音源♪も聞きながらイメージを膨らませるとよいでしょう。
載せるメッセージの分量は、「CMST製薬株式会社」(前者)のテンプレートと「Crevo株式会社」(後者)のテンプレートを比較すると、「Crevo株式会社」(後者)の方が、少ないです。
文章量もイメージしながら、どのテンプレートを使用するか選択するとよいでしょう。

 

 

無料アカウントを登録してからテンプレートの視聴・選択まで、ずっと無料で可能です。

次回は、テンプレートを使って動画を制作する方法をご案内する予定です。

 

当会(JMLA) と『CM STUDIO』の関係についてはこちらから
『CM STUDIO』についてはこちらから

■【CM STUDIO】10%OFF
1. 割引特典:
制作された動画をダウンロードされる際に、下記クーポンコードをご入力いただくと 10 %割引となります。
クーポンコード 【jml19a】(ジェーエムエル19エー)(すべて半角)

2.クーポンコード【jml19a】ご利用企業様特典:
クーポンコード【jml19a】の最終ご利用日より1年間、JMLAのマーケティング資格講座『ベーシックパスポート』講座を 20 %割引で受講いただけます。
社員様研修の機会としてご活用ください。
『ベーシックパスポート』講座は、自社の強みや魅力の分析に役立ち、動画制作に欠かせない自社の価値を魅力的に伝えるPRポイントの抽出や整理をスムーズに行うことができます。

知識ゼロから作れる!? 高品質な15秒動画
ビジネス動画制作『CM STUDIO』のテンプレートとは その2

知識ゼロから作れる!? 高品質な15秒動画

通信技術が進化し、超高速、超大容量、超大量接続を実現する、『5G』(第5世代)の通信環境が、これからは当たり前になるのですよね。
動画を、企業のPR手段やSNS動画広告用に準備を進められている企業や、すでにずい分前から動画を活用しているという企業も多いと思いますが、ここでは、「まだ、これからだよ。動画の知識もないし、作ったことないよ。」という方に向けた、ビジネス動画を簡単に、手軽な価格で作れる『CM STUDIO』をご紹介したいと思います。

1本3万円からビジネス動画が作れる『CM STUDIO』

世の中には、無料公開している動画テンプレートなど手頃に動画を作る方法はありますが、ご紹介する『CM STUDIO』(シーエムスタジオ)がお勧めです。

理由は、知識がゼロという人でも、高品質な動画を自分で簡単に作れるからです。
それと、効果が保証されているからです。
効果については、こちらをご覧ください。

魅力は、次項でご説明いたします。

では、どんな動画が作れるか?
さまざまな種類のビジネス動画制作事例を、下記でご確認いただけます。1本が15秒程度なので、お昼休みなどにご覧になってみてください。

ビジネス動画制作事例

手頃な価格以上の『CM STUDIO』の魅力

魅力は、

1、知識ゼロの人でも作れる
動画制作の知識が全く無い人でも15秒/30秒のビジネス動画を自分で作ることができます

2、アシストしてくれる
アシスタント機能がついており、1ステップ1ステップ、ナビゲートしてもらいながら操作する感覚で安心です

3、動画シナリオは、テンプレートから選べる
例えば、会社PR用動画を作ろうとする場合、どんなシナリオにしようか考えるのが一般的ですが、『CM STUDIO』の中に、目新しいテンプレート(コレクション)が多数あり、業種や用途に合わせて選べます

4、素材(画像など)の手持ちがなくても大丈夫、上質な写真を選べる
『CM STUDIO』の中にある、約70万点のアマナイメージズの質の高い、豊富なストックフォト素材から選んで自社の会社や商品のイメージフォトに使えます(+料金がかかりますが上質な素材です)

5、好きなBGMを選べる
動画用のBGMも、 『CM STUDIO』の中で、オーディオストックの中からお好みの音源を1つ選んで使えます

6、メッセージは、テンプレートに沿って短文・最小限でOK
動画に載せるメッセージ(会社紹介文など)は、例えば、紙の会社案内パンフレットを制作する場合、文章を整えるのに時間がかかりますが、『CM STUDIO』を使うと、上記の魅力3で選んだテンプレートに沿ってキャッチコピーを入力するだけで、スタイリッシュな動画に自動で仕上げてくれます

7、いつでもどこでもつくれる
動画制作のためにスタジオを予約して夜中まで籠って制作に時間をかける必要は全くなく、時間と場所を選ばず、インターネットにアクセスできる環境さえあれば、動画を作れます

8、気に入ったら購入、でOK
動画を作り始める前にお金を払うのではなく、自分で動画を作ってみたところで、見積金額を確認し、制作した動画を気に入れば購入するという流れです

当会[JMLA]と『CM STUDIO』の関係

『CM STUDIO』について、今後数回に分けて、使い方の紹介割引のご案内をしていく予定です。

当会(JMLA)と『CM STUDIO』(株式会社スプラシア)の関係について

株式会社スプラシアの社員様が当会(JMLA)の感性マーケティング講座を受講くださったことがご縁で、『CM STUDIO』(CM動画制作クラウドサービス)のセールスパートナー契約を締結いたしました。

JMLAは、「人の気持ちをつかむ感性マーケティング」に軸足を置き、「人財教育」と「事業支援」の2つの柱で事業を展開しています。両事業とも、企業が「利益を生み出す仕組み作り」を目的として運営していますが、その仕組みの中には、“メッセージを伝える=コミュニケーション“活動が重要な比重を占めています。

そして、日頃からICTやIoT、多様なツールを導入するだけではなく、目的を持って使いこなす能力が必要であるということをお伝えしています。

この『CM STUDIO』は、自社の社員が自由に制作作業を行えるため、「自分で考え」「表現する」ことを可能にします。

その「自分で考える」ことは、JMLAのマーケティング基礎講座で養うことができます。
どういうメッセージを動画上に流すと、会社のブランドを向上させられるか、収益に貢献できるか、といった戦略的な視点で、動画を作れるようになります。

考える力をアウトプットする「表現」方法の一つに、この 『CM STUDIO』があると考えます。
単に「動画を作る」ことが目的ではなく、戦略的な視点で動画を作ると、テンプレートの選び方やメッセージの載せ方が大きく変わり、社内外への影響力も高まることでしょう。

『CM STUDIO』については、こちら
JMLAのマーケティング基礎講座は、こちら

ビジネス動画制作『CM STUDIO』のテンプレートとは その1
ビジネス動画制作『CM STUDIO』のテンプレートとは その2

3Cとは、SWOTとは

事業戦略を考えるシーンや、ビジネス上のプレゼンテーションの場で、特異なポジションを築いていない限りは、常に競合(競争相手)を意識しているでしょう。

競合を意識するあまり、顧客や市場を見落としてしまいがちですが、その状況を整理して的確に判断するのに有用なのが、3CとSWOTの組み合わせです。

整理プロセスに意義がある3C

3C※分析は、シンプルで日常的に使い易く、汎用性のある、奥深いフレームワークです。
※3C:「Customer(市場・顧客)」、「Company(自社)」、「Competitor(競合)」の頭文字を取って3Cと呼ぶ。マーケティング環境分析の際に用いられるフレームワーク。

現状の事業に問題を抱えているとき、まず、事実はどうなっているか、正確に把握するところから始めます。
わかっているけれど、現実は、「正確に」事実を把握することが案外難しいようです。

理由は、
・どういう情報を集めればよいのかわからない
・集めた情報をどう扱えばいいのかわからない
・整理した情報がどう役に立つのかわからない
だから、前向きに取り組めない、などという心理的ハードルが大きいようです。

しかし、集めた情報には価値があります。
3C分析は、分析対象に設定した競争市場において、自社の成功要因を導出することを目的に行います。

業界構造が急激に変化している時期は、5FやPEST※も意識しながら、3Cを整理すると情報に抜け漏れがなくなります。
※PEST:Politics(政治・法律的な要因)、Economy(経済的な要因)、Society(社会・文化・ライフスタイル的な要因)、Technology(技術的な要因)

「Company」は、機能的品質評価だけでなく、顧客が感じる知覚品質評価も行う必要があります。

共創プロジェクトや協業の事前にもSWOT

SWOT※分析は、目標達成のために、自社の経営資源が競争相手と比較して優位性はあるか、環境要因のチャンス・機会の活かし方と、リスク・脅威の対処法を分析し、戦略代替案を導出する、とても実用的なフレームワークです。
※SWOT:  「Strength(強み)」、「Weakness(弱み)」、「Opportunity(機会)」 、「Threat(脅威)」の頭文字を取ってSWOTと呼ぶ。

3CからSWOTに情報を移動させると、収集した情報を戦略に結びつけやすくなります。
3Cの「company」情報を、→ SWOTの 「Strength」と「Weakness」に分解し振り分け、
3Cの「competitor」情報を、→  SWOTの「Opportunity」と「Threat」に、
3Cの「customer」情報を、→  SWOTの「Strength」「Weakness」「Opportunity」「Threat」に分解し振り分けます。

3Cのフレームワークを用いず、SWOTのみでも問題ありませんが、そのときは、競合と市場環境のどちらかを見落とすことがないよう、3Cを頭に入れながら情報をインプットするとよいでしょう。

複数の企業と連携して事業に取り組む際にも、事前にSWOT分析を行っておけば、自社の強み/弱みをしっかり把握できるので、貢献すべき業務が明確になり、より有益な共創関係を築けるでしょう。

 

今日の競争相手は、明日の仲間かもしれません

急速なビジネス環境が変化している今、独占的な勝ちは一過性のことが多く、すぐに新しい別のサービスや商品が生まれます。
独自技術を守りながらも、積極的に共創関係を構築したり、新しい何かを生み出すコラボレーションが求められる時代といえます。

そのため、競合視していた企業が、協業関係に変化する可能性がなきにしもあらず、です。
今日の競争相手は、明日の仲間かもしれません。
仲間といってもビジネスの上では、仲の良いお友達関係とはいきません。

貢献できる経営資源(人、もの、金、情報)の分析や、共創する目的(ゴール)を明確にするための環境分析は、どのようなマーケティングシーンにも登場します。

異なる分野の人たちと交わりながら新しい何かを生み出す、ますます、マーケティング・スキルが大切な時代といえます。

JMLAでは、マーケティングの基礎講座、から個別のプロフェッショナル能力を養う5つの講座、「感性分析」から戦略立案を行う体系を学ぶ『感性マーケティング講座』、「ビジネス・コミュニケーション力」向上のための『ヒューマンコミュニケーション講座』、統計の考え方から定量データ(顧客ニーズ)分析を身につける『アナリスト講座』、BtoBセールスの極意を身につける『セールス講座』、感動商品を企画する体系を学ぶ『商品企画講座』などを提供しています。[JMLA資格講座体系]

きっと貴方の役立に立ちますよ。

また、感動商品開発・事業開発は企画から拡販までワンストップでご支援いたします。お気軽にお問合せください。

参考:「3C、4P使いこなしていますか?」「5F(ファイブフォース)分析とは」「STP(ターゲティング)」「営業や提案をする立場になる人が必要なスキル

マーケティングリサーチの役割とは

マーケティングリサーチが必要なシーン

マーケティングリサーチとは、企業のマーケティング課題に対して意思決定を支援するための調査・分析のことです。
マーケティングリサーチが必要なシーンは、多岐にわたります。例えば、

商品開発
・自社の技術で福祉に役立つサービスを開発するため、福祉の現場の困りごとを知る必要がある
・スポーツ観戦の来場者を増やしたい、ソフト面のサービスでそれを実現するためには、どのようなサービスが望まれるだろうか?

商品改良
・競合商品の容器形状は爆発的に売れている、自社の容器形状は受け入れられなくなるのか、もし受け入れられないなら、自社の工場で生産可能などんな容器形状に改良する必要があるか?

ターゲティング&コミュニケーション戦略
・主力商品の売上を倍増させたい、そのために新しく狙うターゲットは誰か?明確にする必要がある
・これまでは一部のターゲットにしかアプローチできていなかった、もっとターゲットを広げるためには、誰にどのような商品価値をどのように伝えればよいか?

価格戦略からマーケティング全体
・業界全体の価格戦略に追従し客離れを起こしてしまった。自社商品の本質価値を再確認し、顧客を呼び戻す必要がある

営業戦略
・営業から入ってくる顧客情報は自分の得意客の意見に偏る傾向にある。既存顧客を網羅した情報収集を行い、営業戦略を検討する必要がある

ブランドマネジメント
・応募が見込み通りではない。自社のブランドが認知されていないのか、それとも伝え方が間違っているのか、明らかにし、次年度に向けて対策を打つ必要がある
・自社の顧客満足度指標をモニタリングし、PDCAを回す

上記のような例は、いずれもマーケティングリサーチを実施しないと、今後の方針が立てられません。

マーケティングリサーチは、目標と現状のギャップを明らかにし、目標に向かう道筋をつくる戦略策定や実行計画・プランニングの意思決定に役立ちます。

リサーチデータを取得する4種の方法

マーケティング活動を成功に導くためには、マーケティングリサーチは必須ですが、リサーチを実施する際は、リサーチの目的を設定することが最も重要です。
そして、目的に応じて適したデータ取得の方法を選択するとよいでしょう。

リサーチデータの取得方法は4種類です。

データ取得の種類

1.質問法
2.傾聴法
3.観察法
4.実験法

 

データ取得の種類と選択のポイント

1.質問法 

アンケートやインタビューという呼び方をされることが多いのが質問法です。
調査を設計する担当やマーケターが、調査目的、調査対象者、回収数、実施タイミング、質問などを設計する方法です。

調査媒体としてどの方法をとるか、2方向で検討するとよいでしょう。

一つは、質問を決めてリサーチをしたい場合: インターネット、電話、郵送、同梱はがき 等

もう一つは、質問をある程度決めて詳細はゆるく(適宜)変えられるリサーチをしたい場合: グループインタビュー、デプスインタビュー 等、ディスカッションやインタビューに触発されて新しい発言から新しい質問を創造しながら進めることができるリサーチ

 
2.傾聴法 

生活者や顧客の自由な発言を、傍らで傾聴しデータを取得する方法です。
知りたいことを知る「質問法」と、知るべき事を見つける「傾聴法」と、特長づけて理解しておくとよいかもしれません。

企業側から仕掛ける場合: 一定期間に設定したテーマについて自由に発言してもらい新たな発見を得る、MROC(Market Research Online Community)やネットグループインタビューという手法があります。

受動的に傾聴する場合: SNSやブログ等で発信されている情報を取得する方法です。

 
3.観察法 

「1.質問法」も「2.傾聴法」も言語情報が主ですが、「3.観察法」は非言語コミュニケーション(ノンバーバル、non-verbal communication)を重視する情報という点が特徴となります。

購買履歴が理解しやすいと思います。民族の文化を観察する人類学や社会学の研究で用いられるエスノグラフィーも観察法です。
入店から購買までの顧客行動を、IoTデバイスの1つである「アイトラッカー」を用いて顧客の視線の動きから分析し、そこにPOSデータを掛け合わせると、棚ごとの買上率なども分析を可能にします。

観察法は「人」による観察か、「機械」による観察か、大きく2方向あります。
・「人」による観察: ミステリーショッパー、エスノグラフィー等
・「機械」による観察: Webログ解析、POS、アイトラッカー等

 
4.実験法 

実験法と聞くと、実験室の中を想像してしまいがちですが、マーケティングリサーチでは、実際のビジネスで顧客となりうる対象に行うフィールド実験を意味します。
受動的な「2.傾聴法」の対局、能動的な「4.実験法」と位置付けると特長を理解しやすいかもしれません。

例えば、あなたが実験したい広告原稿をA、B、C、3タイプ準備しレスポンスの違いをみるテストを行うとします。これはスプリットランテスト※と呼ばれ、実験法の一種です。

※スプリットランテスト: A/Bテストとも呼ばれます。同様の環境下で分割(スプリット)した調査対象者に、複数の素材(広告原稿等)を露出し、どれが最も効果があるかを測定するテスト。

実験場所は、調査会場(CLT:Central Location Test)、店舗、映画館(試写会)、個人宅(HUT:Home Use Test)、折込(新聞)、WEB上、等です。

4種の特徴を頭に入れておくと、マーケティングリサーチを検討し易くなるのではないでしょうか。

実際にどうやってやるの?

どきどき、「どこで調査できますか?」と質問を受けることがあります。

調査は、調査専門の会社があります。
調査会社は、モニター(調査に回答することを前提として自主的に登録している生活者)を保有しています。

マーケティングリサーチのフロー

バターンA: 問題・課題整理、調査設計(自社) → 調査実査(調査会社/その他※1) → 分析(自社/調査会社) → 課題解決(自社)

パターンB: 問題・課題整理(自社) → 問題・課題整理のためのヒアリング、調査設計(※2) → 調査(調査会社/その他※1) → 分析、課題解決ご提案(※2) → 課題解決(自社)(サポート付き※2)

※1・・・「その他」は多岐にわたりますので割愛します。
※2・・・調査含めて※2の業務を外注します。

パターンA
貴方が調査設計を行い、設計した調査内容で調査を(調査会社へ)依頼すると、調査会社が「調査を実施」(実査)してくれます。
実査回収データを調査会社から納品物として受け取り、集計や分析を貴方が行います。
調査会社では分析サービスも行っているところがありますので、分析レポートを納品物に希望すれば、分析結果をレポーティングしてもらえます。

パターンB
パターンBを採用することが多いのは、
・事業戦略を立案する場合
・リサーチが大規模な場合
・リサーチ方法が具体的にはよくわからないが実施する場合
(リサーチの頻度が高くない、社内に人員がいない・ノウハウがない)
などが挙げられます。

会員組織が既にある企業様(例えば、生協の組合員、通販の顧客、自社発行のカード会員等)は、調査会社でいうモニターが、自社の会員にあたりますので、自社の会員を対象に調査を実施することができます。
若干のデメリットは、自社会員に対する調査なので、他社(競合)に関する情報を収集しづらい点が挙げられますが、それ以上に、既に調査モニターを保有していることは、アドバンテージになります。

まとめ

・マーケティングリサーチは、目標と現状のギャップを明らかにし、目標に向かう道筋をつくる戦略策定や実行計画・プランニングの意思決定に役立つ
・マーケティングリサーチを実施する際は、リサーチの目的を決めることが大事
・データ取得は4種(質問法、傾聴法、観察法、実験法)あり、目的に沿った適切な方法を選択する
・マーケティングリサーチの始め方は2パターン、「リサーチの知識を持っている場合は、自分で調査設計から集計・分析まで行う方法がよい」、「人員・ノウハウ・時間など不足要素がある場合は、課題や目的をしっかり設定した後は外注する方法がよい」

マーケティングリサーチに取り組みたいがやり方がわからない方は、お気軽にお問合せください。
また、弊社ではマーケティング基礎講座や顧客ニーズ分析から戦略策定までの型を習得する資格講座などマーケティング力アップのための講座を開催しています。
マーケティング基礎講座: JMLAベーシックパスポートを見る
顧客ニーズ分析から戦略策定の型を学ぶ講座: JMLAマーケティング解析士プロフェッショナル 感性を見る
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なぜ、AではなくBを買ったの?

どんなパーソナルギフトを贈っている?

ギフトの購買行動と心理プロセスについて、考えてみたいと思います。

ギフトの種類は、ギフト研究所によると、
「パーソナルギフト」と「法人ギフト」に大分類し、
「パーソナルギフト」をさらに、「フォーマルギフト」と「カジュアルギフト」に小分類に分けています。
「法人ギフト」は同様に、「ビジネスギフト」と「セールスプロモーション」に分けています。

DNP(大日本印刷)の「ギフトコミュニケーション研究」では、「パーソナルギフト」を3つの小分類に分けています。
「シーズンギフト」「ライフイベントギフト」「カジュアルギフト」。

シーズンギフト: お正月、バレンタイン、母の日、お歳暮、クリスマス等
ライフイベントギフト: 七五三、入学、就職、結婚、誕生日、引越等
カジュアルギフト: 日常的なプチギフト、帰省土産、旅行土産、お見舞い等

こう見ると、かなりの頻度でギフト用途の買い物が発生していることに気づかされます。
あなたはどれくらいギフト用途で買い物をしていますか?
そして、どのような購買行動プロセスで、その時々のギフトを選んでいますか?

贈る相手やギフトの種類によって、「一過性」の買い物と「継続性」の買い物に分かれますよね。
母親の誕生日は毎年繰り返し継続的に発生する誕生日ギフトの買い物です。
姪の成人式は一度だけで一過性のギフトです。

「継続性ギフト」について、先日、知人と興味深い話をしました。

「継続性ギフト」の購買行動と心理

知人は、母親の誕生日には毎年必ずギフトを送っているそうです。
そのギフトを考えたり選んだりする時間が楽しいそうで、良い品に出会うと、メモしておいたり、お店の名刺やパンフレットをもらっておくのだそう。
10月に入って、そろそろ母親の誕生日が近づいてきたので、買物に行き選んで贈る手配を済ませました。

今回は、自宅近くの大型ショッピングセンターの中に入っている「B」という食料品のお店で購入しました。
実は最初は、「A」という食料品のお店で購入予定でした。
「A」も「B」も同じ大型ショッピングセンターに入っているお店です。

「A」店は世界中から直輸入している食料品店で、知人が以前から愛用しており、ギフト用のラッピングもきれいにしてくれることから、昨年の母親の誕生日ギフトは「A」店で購入しました。
ギフトケースを開けた瞬間、世界のめずらしい食料品の詰め合わせにワクワクしたと、母親は大変喜んでくれたそうです。
その経験から、今年の母親の誕生日ギフトも「A」店にしようという心づもりで買い物に行きました。

一方、知人は自宅用に「B」店も愛用していました。素材を生かした体に良い、見た目は素朴な商品が多い「B」店で、野菜類を何度となく購入し、素材の品質の良さを実感していました。
「地味だけど本当にいい品だな。母親にぜひ送ってあげたい。」と、かなり前から目を付けていた加工食品がありました。
「B」店にはラッピングサービスはありません。

結果として、知人は「B」店で買い物し、自宅でラッピングし、郵便局からゆうパックで母親へ送りました。

理由は、
・自分が前から気に入っていて自信を持って使ってもらえる商品
・今回のキーワード(テーマ)は、「環境」「生産者・製造者」「素材」「旬」「健康」
・「楽しさ」要素を加えるために、多種類の商品を揃えバラエティ性を出そう
・そして、ラッピングは自分でなんとかしよう
というのが、「A」店と「B」店を見て回り悩んだ末の結論だったそうです。

ニーズの多様性は思わぬ商品がギフトに?単価UPに?

「B」店のお店側からすると、「わたしたちのお店は自宅用のものしか販売していない」つもりかもしれません。
だから、ラッピングサービスを行っていないのかもしれません。
もしかしたら、ラッピングは過剰包装でムダなゴミを出すからという理由かもしれません。

包装の議論はさておき、知人は母親へのギフトによって、自宅用に購入する時より高額の買い物を「B」店でしました。
「B」店は客単価UPに成功しました。
「A」店側からすると、「A」店で買おうと思って来店したお客様を「B」店に奪い取られてしまいました。

来店客に対してお客様アンケートを実施しているお店はよく見かけます。
私も仕事柄、必ずアンケート用紙をもらい設問に目を通します。
そこで毎回思うのは、これが本当に役立つアンケートになっているのかどうか?と疑問に思うケースも多くあります。

定期的に来店客にアンケートをとっているならば、テーマをいくつか設けてそれぞれのテーマを定点的にリサーチを続けると、お客様の購買行動に変化の兆しを見つけることができると思います。

例えば、今回のようなケースを想定したアンケートテーマを考えると、「いろいろな用途(他店で購入予定だったのに自店で購入してくれた理由/自店になくて他店で代用した経験)」をテーマに、来店客アンケートの設問を作成してみるという具合です。

そうすると、店側が想像していない思わぬ顧客ニーズが見つかり、離反防止や単価UPにつながるヒントが得られるかもしれません。
ニーズは多様化していると言われているけれど、もっと具体的に自店の顧客ニーズを知ることが出来るかもしれません。

心理的プロセスの感性については、こちら『感性マーケティング』も参考にご覧ください
顧客ニーズの分析方法を知りたいという方は、『感性マーケティング』講座をご覧ください
お問合せはこちらからお願いします

事業戦略に感性分析はなぜ必要か

日本の文化とマーケティング

面白い話を聞いたことがあります。
ある有名なバイオリンづくりの名人が、日本の桧(ひのき)に着目し、桧でバイオリンをつくったそうです。
すると、そのバイオリンの音色は、和風の響きがするというのです。
日本の風土で育ったものは、日本の味がするということでしょう。

桐の箪笥(たんす)、桧の風呂、杉の箱の羊羹(ようかん)、蕎麦をズルズルっとすする音、煎餅をばりばりと噛んで食べる音も、日本人にとっては違和感を感じない、魅力的なものです。しかし、海外の多くの人々にとってはどのように感じるでしょう。

さらに、仏像や法隆寺のような古い建造物になると、時を経てくすんだ木肌を「侘び(わび)、寂び(さび)や枯れた味わい」として、日本人は評価します。
また、日本の『び』には、「美」だけでなく「微」も存在します。不完全なゆえの美しさを『び』として捉えるのです。水墨画の枯れた味、省略の面白さなども共通します。

ビジネス上のルールの曖昧さは問題ですが、文化としての曖昧さは、日本の精神の豊かさの表れともいえます。

そのような日本において、欧米発のマーケティング理論をそのまま当てはめようとしても無理が生じるのは、当たり前のことです。
日本人には、日本人にしか理解できない“感性”があります。その感性によって生活におけるさまざまな事項が判断されているのですから、企業が対応するマーケティングも、日本独自の手法が必要になってくるのが必然です。

理論に当てはめるためにも、日本人の感性を解き明かすことが重要となります。

感性とは感受性の能力

「感性」とは、外界の刺激に応じて、人間の五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)などからなる感覚により、心から生まれた感受性の能力のことです。
言い換えると、観察されている対象物に対し、鑑賞者が感じ取る美しいイメージや不満足感などで、受け取った刺激を判断し表現する一連の能力を「感性」と呼びます。

参考:感性マーケティングとは

ビジネスで対価を生む「感性価値」とは、消費者や生活者の感性に働きかけ、感動や共感を得ることによって顕在化される価値のことです。
機能や性能の基本的な価値を超える、人間として(その人が)プラスの方向に感じる主観的な価値が感性価値です。

美しさ、心地良さ、繊細さ、リッチ感などのブランドに含まれる要素や雰囲気といったニュアンスで表現されるソフト的要素が感性価値です。
(醜い、心地悪い、素朴などでも、人のプラスの感動や共感が得られるならば、それは感性価値と呼びます。)

この「感性価値」について、「感性価値創造イニシアティブ」(経済産業省)のなかで、提供される商品・サービスが作り手と使い手の間で「もの語り」というものを通じて、生活者にいかに共感を呼ぶかが図でわかりやすく示されていました。それに加筆修正したものが下記の図です。

感性が経済価値を生む

感性が経済価値を生む、なんとなくわかるようでまだ抽象的ですよね。
具体例で説明します。

ファストフード業界の大手が、価格競争を仕掛けた時期がありました。大手企業はこぞって商品単価を下げました。その結果当然、商品単価を下げて成功した企業と、戦いに敗れて失敗した企業が出ました。
成功した企業は、商品単価を下げたことで客数を伸ばし、売上増大させることに成功しました。
一方、失敗した企業は、商品単価を下げた途端、客数が減少し、売上も激減しました。その後、V字回復を達成し、後の現在は当時より明確な戦略で企業規模を拡大させています。

失敗した企業は、なぜ価格競争で負けたと思いますか?

自社商品の価値を見間違えていたからです。
つまり、感性価値を削ぎ落して売ったためです。

失敗後、自社商品の価値を徹底的に分析し、感性価値が何であるか見つけ出し、商品価値を見直せたことで、商品の単価アップを成功させ、客数も回復・増大させました。

このように価格UPや、利益UPと感性価値は密接に関わっています。

自社の商品価値を見直してみたいという方は、感性マーケティング講座もぜひご覧ください。
お問合せはこちらからお願いします。

ファイブフォース分析とは?業績を上げるための戦略フレームです

従来通りの業務遂行で業績が上がらないときに、ファイブフォースで見直しを

業績向上、成長発展は、企業の共通する願いですが、従来通り業務遂行しているのに業績が上がらないということは起きていませんか?
そのような場合、ファイブフォース(5F、5Forces)分析(※)を行ってみてはいかがでしょうか。

ファイブフォース(5F、5Forces)(※)という、業界動向や変化を分析し、利益を生むポテンシャルを明らかにする戦略フレームがあります。

※ファイブフォース:5F、5 Forces 、5つの競争要因分析。マイケル・ポーター(アメリカの経営学者)が提唱した戦略フレームワークです。

5つの競争要因は、以下のようなものがあります。

  1. 買い手の交渉力
  2. 供給業者の交渉力
  3. 業界内の既存企業間競争
  4. 新規参入の脅威
  5. 代替品の脅威

ファイブフォースの競争要因1.買い手の競争力

商品やサービスを利用する顧客の交渉力が強くなればなるほど、既存企業の利益ポテンシャルは低くなります。
顧客からの、値引き要求やもっと良いサービスを要求する行動が増加すると、その要求を押し返すだけのパワーがなければ、利益ポテンシャルは低くなります。顧客のスイッチングコスト(金銭・手間・心理)の高低により左右されます。

ファイブフォースの競争要因2.供給業者の供給力

供給業者(仕入れ先)の交渉力が大きければ大きいほど、既存企業の利益ポテンシャルは低くなります。
スーパーマーケットという流通業態が登場した当初は、メーカー(供給業者)の方が立場が上でしたが、今では逆転しています。野菜等の原材料を仕入れて加工品を製造販売している企業は、天候の変動によって仕入れ値が左右されますが、販売価格を毎日変動させることは難しいです。

ファイブフォースの競争要因3.業界内の既存企業間競争

業界内既存企業の間で競争が激化すればするほど、利益ポテンシャルは低くなります。
値下げ競争、広告戦争、サービス競争、新商品開発、などどのような施策を行っても
業界全体の市場規模が拡大しない場合、企業間のシェア争奪競争を引き起こします。

ファイブフォースの競争要因4.新規参入の脅威

新規参入の脅威が大きければ大きいほど、既存企業の利益ポテンシャルは低くなります。
新規参入企業が多いと、業界全体の生産能力が高まり、規模拡大を目指す企業が競争を仕掛けてくる危険が増加します。商品価値を高めたり価格設定の見直しなどが必要かもしれません。

ファイブフォースの競争要因5.代替品の脅威

代替品により、既存の商品・サービスの市場が奪われる可能性がある場合、既存企業の利益ポテンシャルは低くなります。代替品と違う価値を検討する必要があるかもしれません。

【業界例】サイゼリヤを例にファイブフォース分析を解説

イタリアンワイン&カフェレストラン「サイゼリヤ」を例に、イタリアンレストラン市場をファイブフォース分析してみます。

イタリアンワイン&カフェレストラン「サイゼリヤ」の、イタリアンレストラン市場をファイブフォース分析した図解

【業界例:サイゼリヤの場合】ファイブフォースの競争要因1.買い手の競争力

顧客は「サイゼリヤ」以外のイタリアンレストランを利用したいと思ったとき、「サイゼリヤ」に解約金などのコストを支払うことなしに、他のイタリアンレストランを利用できます。そのためスイッチングコストは低いです。
けれども、「サイゼリヤ」のメニューは、パスタは299円から、グラスワインは100円と低価格で、かつ原材料にこだわったメニューを提供し、「安い」「おいしい」という顧客ニーズに応え続けています。「これほどコストパフォーマンスの高いイタリアンレストランはない」と顧客に思わせるポジションを築いています。

【業界例:サイゼリヤの場合】ファイブフォースの競争要因2.供給業者の供給力

直輸入のワインや、天候に左右されやすい食材を自社生産するなど、自社でコントロールしやすい供給体制を構築しています。

【業界例:サイゼリヤの場合】ファイブフォースの競争要因3.業界内の既存企業間競争

既存のイタリアンレストランチェーンは、サイゼリヤをはじめ、イタリアントマト、洋麺屋 五右衛門、ポポラマーマ、ラ・パウザ、PASTA壁の穴、ピエトロ、マンマパスタ、カプリチョーザ等多数あります。サイゼリヤの店舗数は国内外1,500店舗と最大で、また独自のキッチン戦略をとり、業界のリーダーカンパニーです。

【業界例:サイゼリヤの場合】ファイブフォースの競争要因4.新規参入の脅威

「俺のイタリアン」は、古本買取販売の「ブックオフ」創業者・坂本孝氏が俺の株式会社を創業し、今までにないビジネスコンセプトで飲食業界に参入しました。
しかし、店舗数は「サイゼリヤ」の方が多く、また、ビジネスコンセプトにも差異性があります。「サイゼリヤ」は顧客視点「毎日食べられる体にいいおいしい食」、「俺のイタリアン」は職人視点「職人が生き生き働ける店」です。

他に、ミシュランに選ばれたラーメン「ドゥエイタリアン」、都市型ワイナリー「清澄白河フジマル醸造所」「深川ワイナリー」、日本各地の生産者やイタリア食材をつなぐレストラン「QUINDI(クインディ)」など希少性に富んだ新規参入は存在しますが、「サイゼリヤ」を脅かす規模ではありません。

【業界例:サイゼリヤの場合】ファイブフォースの競争要因5.代替品の脅威

代替品は非常の多いといえます。
冷凍のパスタ:日清製粉「オーマイ」、日清「スパ王」「もちっと生パスタ」、日清フーズ「マ・マー」「青の洞窟」、コンビニのパスタ―商品、スーパーマーケットのイタリアン総菜・弁当、宅配ピザ:ピザハット、ドミノピザ、ピザーラ、ナポリの窯、ファミリーレストランのパスタやピザなどイタリアンメニュー、等です。
「サイゼリヤ」は現在国内では、この代替品の脅威に晒されているといえるかもしれません。

ファイブフォース分析による情報整理の方法を解説

ファイブフォース(5F)分析に取り掛かる場合、まず中央の対象企業(自社)と分析対象範囲(業界)を設定することが大切です。
中央の対象とする企業と業界を設定することで、残りの4つのFに入れる情報の基準ができます。

より詳しいターゲティングの仕方はこちら

前項「サイゼリヤを例に5Fを解説します」に入れた情報は、粗い情報です。
意思決定のためには、より深い客観的データを用います。

自社の情報について、意思決定に必要な分析を行うための情報が整備されていない場合は、将来のためにも準備を始めると良いでしょう。
競合情報もなかなか取得が困難です。

まず、世の中に公開されている二次情報から収集するのがスムーズです。次に、競合調査(顧客が自社と他社を利用している場合、自社の情報も他社の情報も調査可能)を実施し、一次情報を収集するというステップを踏むと、時間的・経済的に効率的です。

まとめ
ファイブフォース(5F)分析は、自社が属する業界が変化しているとき、一歩引いた(俯瞰した)ところから、外的環境を把握し、このまま事業を継続して収益を上げ続けることができるのかについて知ること、あるいは、収益を上げるにはどうすべきかを検討するうえで役立つ分析手法です。もしくは、これから参入の検討をしている業界でも、収益性の検証に重要な分析手法です。

ただし、ファイブフォース(5F)分析1つで全ての答えが出るわけではありません。また、客観的データを収集しないと判断を誤ります。情報の取捨選択スキルや変化するビジネス環境を分析して見極めるスキルを普段からトレーニングしておくことが大切といえます。

皆さまも「マーケティング」に興味を持ってみてはいかがですか。
必ずご自分のお仕事に活かされますよ。

参考:「3Cとは、SWOTとは」「3C、4P使いこなしていますか?」「営業や提案をする立場になる人が必要なスキル

ターゲティングの成功事例

顧客の気持ちをつかんだ企業の価値提供

自社商品のターゲティングはうまくいっていますか?
「STP」を成功させている商品やサービスまたは企業は、業績も良いというプラスの相関関係にあるようです。

*STP
S: セグメンテーション(Segmentation)、市場の細分化(ニーズのグループ化)
T: ターゲティング(Targeting)、自社が狙うのに最も魅力的な市場(狙う顧客)を決める
P: ポジショニング(Positioning)、設定したターゲット市場における自社の立ち位置(優位性)を決める

羊羹(ようかん)で有名な和菓子メーカー「虎屋」(東京・赤坂)は、百貨店に出店しているがスーパーマーケットでは販売していないですよね。販売間口を狭め、特定顧客のニーズに応えた高品質・高価格な和菓子を提供することで、「老舗ブランドとしてのステータス」維持に成功しています。

SPA※の「ユニクロ」(ファーストリテイリングの子会社)は、ベーシックで機能的な普段着を安く買えるところがないという消費者の不満に狙いを定め、高品質なカジュアルウエアを手頃な価格で提供し大成功しました。
※SPA: 企画・素材開発・素材調達・生産・物流・販売までを一貫して行うアパレル製造小売業

高級スーパーの「成城石井」は、大量販売のスーパーマーケットにはない高品質な食料品の品揃えが豊富で、裕福な主婦層をターゲットに成功しています。

STPに成功しているポータルサイト

ポータルサイトの中でも特定のテーマに特化して成功している企業があります。
葬儀・墓石・仏具などの事業者とお客様をマッチングさせるポータルサイト「いい葬儀」「いいお墓」「いい仏壇」を運営する「株式会社 鎌倉新書」です。

社名の通り、創業当初は印刷業で、それも大変ニッチな仏教業界の仏教書や仏具関係の書籍を手掛け、その後、仏教以外の供養業界向けの印刷物を取り扱うようになりました。
つまり、葬儀業社や墓、仏壇など供養業者のネットワーックを築く中で、知識やノウハウも蓄積されたことでしょう。

一方で、社会の変化として、戦前、檀家と寺の関係が成立していた時代から、戦後、交通の発達による民族大移動時代、産業構造の変化、核家族化などの要因から、従来の葬儀・供養の習慣が薄れ、死の場面を迎えたときに何をすればよいか、知識を学ぶ経験の場が激減しています。

そこに着眼し、知識・ノウハウの情報発信とサービスの提供、必要な人に必要なサービスを届けるマッチングサービスを行う手段として、これから将来を見据えると、ポータルサイトが最適だと経営者は考えたのでしょう。

ポータルサイト市場というと、GoogleやYahoo!など大手企業も多数存在しますので、ターゲティングとポジショニングは必須です。

ポジショニングは、当事者(葬儀社)ではない第三者として、葬送文化や風習などの情報価値の提供ではないでしょうか。

測定可能な情報を使う

STPの目的は、変化する市場や多様化する顧客ニーズ、競合の変化、様々な要因により変化するビジネス環境において、自社が優位に戦える方法を検討することです。

セグメンテーション

まず、「戦う市場はどこか」大きな枠組みを決めます。
たいていは、扱う商品・サービスを括る市場と考えれば問題ないです。
ケーキを作っていればスイーツ市場、食品を販売しているスーパーマーケットであればスーパーマーケット市場という具合です。

「戦う市場はどこか」を決めたら、その市場を細分化します。
細分化する軸は、消費者をターゲットにする場合は、下記4種が一般的で、その中から2軸の組み合わせを決めます。
組合せは1つだけでなく複数でも構いません。

人口動態変数: 性別、年齢、家族構成、収入、職業など
地理変数: 地域、気候、文化、宗教など地域特性
心理的変数: 人の感性、ライフスタイル、価値観など
行動変数: 商品の購買、サービスの利用、顧客行動など

※「心理的変数」に関する参考:事業戦略に感性分析はなぜ必要か

測定可能な情報(感性情報も測定可能な情報に変換可能)を選ぶと、市場規模の計算や将来予測が可能になります。
セグメンテーションは細分化するところまでです。

ターゲティング

大きな枠組みを細分化した中から、自社が狙う小さい枠の集合体(ターゲット)を選択して決めます。
決める基準は、「顧客の数(市場規模)」「競合の存在」「成果の測定可能性」などを考慮するとよいでしょう。

例えば、あるスイーツ屋が、スイーツ市場において、価格軸(高価格から低価格)と性別(男女)でセグメンテーション(細分化)し、「高級」(価格軸)スイーツを「男性」(性別)向けに作るターゲティングを行う、という具合です。
価格帯も性別も、調べようと思えば調べられるので測定可能といえます。(男性向け高級スイーツ屋があるなら、ニッチで話題になるかもしれませんが、売上の成長性は疑問ですね。)

ポジショニング

ターゲット市場(自社が狙う小さい枠組みの集合体)における自社の立ち位置を明確にします。
ポジショニングは、企業目線で自社の優位性を考え、立ち位置を決めます。強みを発揮できる位置取りを行います。

例えば、図の横軸を「こだわり(素材⇔デコレーション)」、縦軸を「健康⇔デザート」とし、図右上(健康をテーマに、生産者から直接仕入れる素材にこだわったスイーツを提供する)を自店の売りにするという具合です。

市場や顧客目線で行うセグメンテーションおよびターゲティングと、企業目線で行うポジショニングは質が違うのが留意点です。

まとめになります。

STPとは、
S: セグメンテーション(Segmentation)、市場の細分化(ニーズのグループ化)
T: ターゲティング(Targeting)、自社が狙うのに最も魅力的な市場(狙う顧客)を決める
P: ポジショニング(Positioning)、設定したターゲット市場における自社の立ち位置(優位性)を決める

分析の手順は、
S→T→Pの順に一つずつがっちり決めて順に進めなければならないかというと、そういうわけではありません。
Pがすぐに決まる場合は、Pを決めておいて、SとTを考えるという順でも問題ありません。

STPを行うからこそ、ビジネスを有利に進めることができるのです。

STPのトレーニングは、『JMLAベーシックパスポート』
セグメンテーションの心理的変数に関する感性分析は、『感性マーケティング』
お問合せはこちらからお願いします

参考:「3Cとは、SWOTとは」「5F(ファイブフォース)分析とは」「3C、4P使いこなしていますか?」「営業や提案をする立場になる人が必要なスキル

「ひと手間の愛情」感性マーケティング

年間365日1095回の食事の助っ人

「今日の朝食は何にしようかな」「今日のランチは何食べようかな」「夕食は何にしようかな」
一日3度の食事を、みなさんはどのように選択していますか?

働く女性が増え、家庭での料理作りにかける時間が減っているにもかかわらず、レシピサイトやレシピ本、料理番組の人気は相変わらず続いていますよね。
私も、「時短」レシピには大変お世話になっています。

それに、1日3回のうち、ランチは外食やお弁当に頼っています。
朝食や夕食も、相当な回数で時短食品を利用しています。
近年のお惣菜やチルド食品、冷凍食品は、おいしく、彩りも美しく、作り方も楽しく、高品質なのにお値ごろなものが多く、感動しています。

後ろめたさも吹っ飛ぶ感動食品

一昔前、お惣菜やチルド食品、冷凍食品など、「味が濃すぎて」とか「脂っぽい」とか、手作りの味とはだいぶ違うという時代がありました。
はたまた利用すると「手抜きしている」と、家族に言われたり。

しかし、近年のお総菜やチルド食品、冷凍食品は、味が良く、健康にも配慮された、高品質な商品が次々と発売されています。

加えて、楽しい!

例えば、
キユーピーのたまご つぶしてつくろう たまごサラダキユーピー株式会社
テレビCMはインパクトがありましたね。作り方を見ているだけでワクワクしてきます。

Youtube キユーピー公式チャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=vOdmu99yPp4

味の素 ギョーザ味の素冷凍食品 株式会社
油なし、水なしで、冷凍のままフライパンに並べるだけ、そんな簡単に作れるの?疑りながら、でも作り方を信じて作ると、本当につくれてしまった!

Youtube 味の素冷凍食品公式チャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=g_kk8rR-HIY

美味しいだけではない、驚きや感動まで与えてくれます。
まさに、顧客の感性に響くCX(顧客体験=Customer Experience)を通して、顧客の「満足感」や「喜び」といった価値を提供しています。

他にも、「国民1万人がガチで投票!冷凍食品総選挙」2019年結果2018年結果の商品をご覧になると、「我が家も使ってる」という商品が多数ランクインしていることでしょう。

滋味に富む懐にもやさしい外食チェーン店

家族や子供の食事を考えて毎食料理をすることは、後片付けまで含めると、時間も手間もかかり、「愛情」という言葉で片づけられない切実な問題があります。

そんな悩みを持つ主婦にとって、外食は一つの解決手段ではないでしょうか。

野菜不足を補う、栄養バランス、家族で食べに行っても懐にやさしい、と思ったとき、思い浮かぶ外食店はどちらでしょうか?
私がすぐに思い浮かべるのは、自宅近くのショッピングモールの中に入っている、(600店舗以上を展開する)長崎ちゃんぽんの専門店「リンガーハット」です。

リンガハットの3C分析をしてみると、「栄養バランス」で独自のポジションを築いています。
長期的に戦略にブレがない企業だと、利用させていただく度に関心しています。

国産野菜たっぷりちゃんぽんは、きっと、主婦の心をわしづかみしていることでしょう。

お母さんが疲れているときに、疲れた顔をしながら料理をする姿を、子供やご主人が見るとつらくなるでしょう。
それよりも、そんな時は外食でもして、家族で楽しく食事ができれば、お母さんも子供もお父さんもみんな幸せな気分になれるでしょう。

このように、お客様の感性を掴んだ商品やサービスは、お客様に喜んで消費していただけます。
お客様の気持ちを掴み切れていないなとお悩みの方は、当会の感性マーケティング講座にご参加ください。
JMLAマーケティング資格講座体系はこちらからご覧ください。

最近変化しているなと感じたこと

20歳の渋野選手がメジャー制覇しても平静なわけ

イギリスで行われたゴルフのAIG全英女子オープンで、4日、初出場で20歳の渋野日向子選手が初優勝したニュースが連日報じられていますね。

笑顔で楽しそうにプレーする!
プロテスト合格から1年、初出場初優勝!
樋口久子選手以来42年ぶりとなる日本人のメジャー制覇を成し遂げた!
お気に入りのお菓子「タラタラしてんじゃね~よ」まで話題に取り上げられ。
日本の「スマイル・シンデレラ」(と海外でも絶賛)

それでも会見で渋野選手が発する言葉はいたって平静。
生まれ育った環境も影響しているでしょうし、今の若い選手たちは、以前とは違いアマチュア時代から場数を踏む機会が多くあり、経験値が上がっていることも影響しているでしょう。

また、社会変化としてグローバル化が進み国際交流が増えたことや、デジタル化が進み世界の情報が身近になったこと、スポーツや教育の分野もデジタル化が進み、世界の技術を学べる機会が増えていることなども、間接的に経験値の向上に影響しているといえるでしょう。

滝川クリステルさんの結婚会見にみる新生内助の功

昨日のニュース番組を見て、びっくりしました。
小泉進次郎さん(自民党衆議院議員)と滝川クリステルさん(フリーアナウンサー)の結婚報道。
8日日中、小泉議員の地元、横須賀市役所に代理人を通じて、婚姻届けを提出したそうです。

知的・美人・語学が出来て華やかで仕事ができて、かつこれからは、将来日本を背負って立つ政治家になることを期待されている旦那さんを、出世させるという仕事も加わりますね。
相当の覚悟と能力が必要だと思います。

天皇の退位と即位(4/30・5/1)後、トランプ米大統領の訪日で、新皇后・雅子さまがメラニア・トランプ夫人と話す姿が映像で流れた光景が記憶に残っていますが、その姿と滝川クリステルさんの未来の姿とが不思議と重なりました。

「内助の功」という言葉は昔から使われていますが、これからの時代は、昔ながらの「内助の功」に加えて、「新生内助の功」の能力が必要そうです。

旦那さんがいない場所では主役だが、旦那さんと一緒にいるときは右腕として旦那さんの出世を支援する能力。

女性がますます広い社会に出てパワフルに活躍する未来予想が描けそうです。

時代変化は自社のビジネスチャンスにつながる

女性の社会進出、男女平等と言われて久しいですが、本当の意味での実現はこれからも継続されるはずです。
一方、少子化による人口減の問題を日本は抱えており、この大きな課題に立ち向かうべく、インバウンド需要増や外国人労働者増の方向にビジネス環境が動いています。

さまざまなことが変化するので、将来を見据えることは難しい・・・。

アンコントロールなことは将来予測から除外し、自社でコントロール可能なことに絞り、将来のビジョンを描くとよいと思います。

世の中が変化したことで、恩恵を受けていることがきっとあるはずです。
そのことと自社の提供価値がフィットしているから商売が成立しているということが最低1つはあるはずです。

その芽を見出し、その本質や周辺を眺めるとチャンスに気付くかもしれません。
そのチャンスをヒントにビジョンを描いてはいかがでしょうか。

JMLAでは、自社を見つめ直し将来の事業を考えるお手伝いを、プロジェクト型と受講型と選択いただけるようご提供しています。

お気軽にお問合せください。

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