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堀内香枝 について

女性の感性を活かした調査設計や市場動向の分析により、お客さまの深層心理「感性」の解明を得意とします。コンサルティングファームで食品メーカー、外食産業、エステティック産業、通販企業、冠婚葬祭業、工作機械メーカーなど幅広い業種のマーケティング・コンサルティング業務を経験しました。これまで培った経験を元に、一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)設立に参画し、感性マーケティング『マーケティング解析士』講座カリキュラム策定に携わりました。現在は、『マーケティング解析士』講座の講師活動を行っています。同時に、企業様のマーケティング課題解決のサポート活動を継続しています。

農耕民族と狩猟民族の感性~コロナ禍における日本人の対応とその感性~

2020年から、コロナの脅威が続きました。
ここで、コロナ禍における、農耕民族と狩猟民族の感性の違いを考えてみたいと思います。
特に日本人特有の感性を理解することが、マーケティングにおいて重要なことであることを確認してみたいと思います。

コロナ禍における日本人と欧米人の意識差

日本はコロナの感染者数において、欧米や他国と比較してかなり低い数値で抑えられています。その理由は、専門家の間で様々に言われていますが、素人目に見ても日本人のマスク着用対応のすばらしさは、日常生活上、目に見えるものがあると感じます。

テレビの報道を見ていても、海外の人たちはほとんどマスクをしていないのに比べ、日本ではほとんどの人がマスクをしています。欧米人の方々は、「マスクは弱い人間がするものだ」という考えを持っている、マスクをする文化がない、といったことは聞き及びますが、現在ある意味、緊急事態社会だといえる中、有効な対策とされるマスクをしないのは、なぜなのでしょうか。

そこには、農耕民族と狩猟民族という、目に見えない遺伝子ゆえの感性の違いがあるのではないでしょうか

欧米人と日本人の違いは狩猟民族と農耕民族という民族性にある?

農耕民族と狩猟民族の違い

農耕民族は、季節の移り変わりを理解し、作物を育てることが自分たちの糧につながります。年間を通した計画性が重要です。そしてお隣同士が協力し合うことが、水の確保や収穫においても必須で、仲間同士の連携、協力体制、すなわち隣人、同士を気遣う気持ちが、心の中に根付いていると考えられています。

一方、狩猟民族は基本狩りは一人で行い、小集団で生活し、獲物が獲れればおなかが満たされ、獲れなければ空腹を我慢するといった、偶然性に依存する生活を送っていました。よってお隣さんや他の集団はライバルであり、協力するという発想は生まれにくかったと考えられています。
つまり個が最重要で、自分の考えや行動を大切にする、という考え方が根付いているのでしょう。

農耕と狩猟

農耕民族と狩猟民族の考え方→『感性』の違いを理解することはマーケティングにおいても重要

そのような農耕民族と狩猟民族の考え方、『感性』の違いこそ、日本におけるマーケティングを考える際に、重要視しなくてはいけない大切な要素です。

日本人のマーケティングにおいては、自分自身の充足を求める『個』に加えて(=個性を大事にという考え方に加えて)、日本人の心根、共通して納得、理解、受容する価値観の理解が求められます。

少し複雑な捉え方になりますが、『個』の時代とはいえ、日本人にとっては単に『個』イコール『個性』ではなく、『周囲、社会、世の中に受け入れられる個』が重要な判断基準となっているということです。

One To Oneマーケティング(顧客ひとりひとりに合わせたマーケティング)という考え方がありますが、日本においては周囲に配慮する日本人の感性を理解したうえで、応用することが大切です。これは日本における固有のマーケティング特性といえます。

「周囲に配慮する日本人の感性を理解する」

どうやって?!

そのような悩みに対応するマーケティング手法が『感性マーケティング』です。

当会(JMLA、日本マーケティング・リテラシー協会)では、『感性マーケティング』を学べる「マーケティング解析士🄬プロフェッショナル 感性」という講座を開催しています。ご興味をお持ちになった方は、こちらからご覧になってみてください。(↓)

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☆参考:「感性とは、感性マーケティングとは」

「顔パンツ」に感じる日本人の感性~文化受容度が高い~

”顔パンツ”という言葉が認められる日本人の文化受容度

コロナ禍において必需品となっている「マスク」ですが、若者の間では思わぬ文化を生んでいるようです。

それが「顔パンツ」。

マスクを日常的に着用しているうちに、マスクをしない顔を他人から見られるのが恥ずかしくなってしまい、マスクがまるで下着のパンツのような存在になっているというのです。

海外では、マスクは弱いものが着用するものなので、着用に対し抵抗感があるという話がある中で、日本人の規律正しい性格がコロナ流行を抑えていると思われる中での面白く興味ある話です。

        

         

        

      

日本人は他民族文化を取り入れる名人

昔から日本人は他民族文化を取り入れることが上手です。

縄文時代から近隣の中国や韓国から伝来した文化や技術を取り入れ、日本独自の文化を発展させてきました。その後も西洋からの様々な文化や技術、食生活などが入ってくる中、同じように日本独自の文化へと醸成してきました。

他国からの強い影響を受けてきたにもかかわらず、日本独自の発展を遂げたのはなぜでしょう。

そもそも日本は広大な島国の中に多くの民族が共存し、海、山、平地などに生活する人々がそれぞれ協力しあいながら、お互いの生活を豊かにする知恵を出し合ってきたことにより、日本という国全体が栄えてきました。

その結果、海外からの文化、他国からの影響があっても「日本」という国として自分を見失わない力があり、現代においても古代からの日本文化が色あせることなく、受け継げられてきたのでしょう。

      

     ビードロ娘と歌舞伎役者

           

日本人には日本人独自の「感性」がある

このことをマーケッターとしてどう捉えるべきでしょう。

日本人は様々な現象を繊細な感性の中で上手に受け入れる民族です。

顔パンツなどの言葉も、一見奇妙奇天烈と感じますが、若者の間では違和感なく取り入れられ発せられます。

新しいものを上手に取り入れる柔軟な受容性を、日本人は持っているということです。

まれに新しく発売された商品が、開発者の意図した使われ方と異なる使われ方でヒットしてしまうという現象も起きます。開発者の発想を超える感性を利用者が発揮したときです。

開発側の想いだけでは、ヒット商品を生み出し続けるのは難しいです。

魅力的な商品を持続的に生み出すためには、顧客側の感性を上手に取り入れることが重要だといえます。

      

新商品開発は顧客の感性を取り入れることが重要

顧客の感性を取り入れるといっても一部の尖った意見だけを取り入れていたのでは、イノベーター理論※でいうイノベーター、あるいは、アーリーアダプターの人たちだけにしか受け入れられない商品に終わってしまいます。

       

※イノベーター理論とは:

新商品や新サービスの市場への普及率を表したマーケティング理論です。

  1. イノベーター(革新者。普及率2.5%)
  2. アーリーアダプター(初期採用者13.5%。ここまでの普及率16%)
  3. アーリーマジョリティ(前期追随者34%。ここまでの普及率50%)
  4. レイトマジョリティ(後期追随者34%。ここまでの普及率84%)
  5. ラガード(遅滞者16%。普及率100%)

            

         

アーリーマジョリティー、レイトマジョリティーといった多くの顧客に受け入れられる商品を開発したいと思っている企業は多いでしょう。

大多数の人に共通する感性【潜在欲求】に響くためには、本質を見極めることが重要になります。

    

でもどうやって?!

顧客をよく知る、知って知って知って知りまくる。

顧客数が少人数の場合は、一人一人の意見をよく聴き、記録をとり、それらをたどると本質が浮かび上がります。

しかし、人数が多くなると不可能です。

そのような悩みに対応するマーケティング手法が『感性マーケティング』です。      

『感性マーケティングとは』についてはこちらをご覧になってみてください。

       

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コロナ禍でも高業績なのは人気商品の開発力

コロナ禍で苦戦している外食業界の中で好業績なコメダ珈琲店

コロナ禍で苦戦している外食業界ですが、コメダ珈琲店は好業績を確保しているそうです。その理由は業態としてのコスト構造や客席間に距離があるレイアウトだったことなどが挙げられていますが、それらは従前からの構造です。

新しい魅力的な新商品の投入こそ大きな理由だと考えます。

      

コメダ珈琲店の好業績3つのポイントを整理

コメダ珈琲店がコロナ禍においても好業績な理由として下記の3つのポイントが挙げられています。

        

  1. FC店主体の店舗展開のため、固定費が少ないため売り上げ減少に強い
  2. 高年齢ターゲットに対し、滞在時間をゆっくり過ごせるように配慮したレイアウトだったため、コロナ対策としての「密」を避けやすい
  3. コメ牛などの商品がヒット

     

経済評論家などの専門家は1と2の理由を強く評価していますが、マーケッターとして考えると、3の商品力こそ一番の大きな理由だと思います。

     

        

 

魅力ある商品こそ一番の売上アップ要因

コスト構造の理由は企業戦略上の背景であり、顧客にとっては関係ありません。

客席間に距離のあるレイアウトが密を避けやすいという理由も、多くのテンポが客席をすべては使用せず、距離を取れるように配慮しています。

利用しようというモチベーションを上げた最大の要因は、魅力的な新商品の投入でしょう。

コロナ禍において「食」の重要性が再認識されました。ただ空腹を満たすのではなく、おいしいものを楽しく食べたいという欲求を持つことが大切だと、こういう時期だからこそ、私たちは気づかされました。

そのような欲求に応える商品を投入したからこそ、好業績を上げることが出来たのです。

業態や店舗のレイアウトだけでは、既存の顧客の一部しか来店せず、売上はかなり減少したはずです。若者から家族受けもする、楽しそうな商品を投入したからこそ、新規の顧客も呼び寄せ、好業績に結びつきました。

     

 

 

新商品開発には、思いつきや勘ではなくプロセスの体系化が重要

魅力的な商品開発をすればよいといっても、そもそも新商品開発は各企業が頭を悩ましている業務です。良かれと思って開発した商品が全然売れないことはよくあり、商品開発担当者が苦い経験をしていることです。

やはり、新商品開発も、他の業務と同様、体系化された開発プロセスを持つことが重要です。

なぜなら、結果やプロセスの検証ができ、業務改善を行えるからです。

でもどうやって?!

そのようなお悩みにお答えできる商品開発/事業開発の系統的な方法があります。

それは、『Neo P7』(ネオピーセブン)という商品開発の7ステップです。

成城大学名誉教授の神田範明氏が、長年かけて研究を続け、110社以上の産学協同プロジェクトにおいても、上場大手企業/前向きな小規模企業/業種業態問わず幅広い商品・サービス・事業において、成果が実証された、系統的な商品開発プロセスです。絶対失敗しない新商品開発手法として推奨しています。

KKD(経験・勘・度胸)だけに頼らない、また、カリスマと言われる特殊能力を持つ社員が他社に引き抜かれる心配をすることなく、持続的に魅力的な商品を開発し続けられる、系統的な商品開発手法を取り入れてみてはいかがでしょうか。

プロセスが決まっていれば、安心して商品開発に取り組め、安定して魅力的な商品開発を行えるようになります。それだけでなく、社員が笑顔になり、会社や組織も元気になります。そんな幸せな会社の商品を買ったり利用したりした顧客は、幸せになれます。そんな正のスパイラルを目指したい方は、ぜひ、系統的な商品開発手法を学んでみてください。

                         

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栗料理にみる日本人の豊かな感性は、日本におけるマーケティングに不可欠です

旬の食材を楽しむ「栗」

栗の旬は、あっという間に駆け抜ける。もう一度食べたいと思ったときには市場から姿を消している。悩ましい食べ物です。

しかし、そのような食べ物だからこそ、日本人の豊かな感性が働くのではないでしょうか。
ヨーロッパでも冬の代名詞として、焼き栗がありますが、それ以外の食べ方はスィーツ系以外あまり聞きません。一方日本では、ゆで栗、栗ごはん、渋皮煮、栗おこわ、栗きんとん、甘露煮、焼き栗など様々な調理法により食べられています。旬の時期が短い栗を楽しく、おいしく食べる工夫が花咲くのでしょう。

 

旬の食材を楽しむ日本人の感性はマーケティングにも影響する

旬の食べ物を食べたいという思いは、多くの日本人が持っている気持ちでしょう。

日本は細長い島国で、北は北海道から南は九州・沖縄まで様々な顔を持ち、四季があります。この四季がもたらす季節ごとの豊かな食べ物を日本人は古くから享受してきました。

ゆえに、短い間の旬の食材を、その土地柄や慣習に合わせて、工夫をこらして美味しくいただこうと、日本人の豊かな感性が働いた結果、さまざまな楽しみ方、食べ方が生まれたのでしょう。

      

     

この感性は、食だけに留まりません。

四季の移り変わりを感じながら過ごすことにより、日本人は世界でも有数の感性が豊かな民族となりました。

現代でも、生活におけるさまざまな場面において、日本人は豊かな感性により、物事を判断しているのです。

つまり、日本におけるマーケティング活動は、「感性」を抜きにしては成り立たないのです。

         

 

「感性」をマーケティングに活かす感性マーケティング

感性マーケティングとは、まさしく人が持つ「感性」を把握し、人それぞれ異なる価値観を理解し、マーケティング(戦略や活動)に活用するというものです。

人が選択する商品やサービス、あいは余暇活動、行動などを単なる「行動変数(Behavior ビヘイヴィア変数)」として捉えるだけでなく、その判断を成した心理的背景「心理的変数(Psychographic サイコグラフィック変数)」を解明し、顧客の先手を打てる戦略を策定するというものです。

つまり、結果のデータによる近似値なものを推奨するのではなく、その人の感性を理解し、同じ価値を持つ商品やサービス、あるいはコミュニケーションの取り方を解析し、将来を見据えた戦略を展開できるマーケティング手法なのです。

    

 

 

人に関する4種の情報ー人口統計変数/地理的変数/行動変数/心理的変数

      

 

コミュニケーションが重視される現代には必須の感性マーケティング

人の基本的欲求として存在するコミュニケーションを、企業もマーケティング活動において重要視すべきなことは周知に事実ですが、どうすれば良いか未だに悩み事になっていることが多くみられます。

最近ではAIによる「行動変数(Behavior ビヘイヴィア変数)」を活用したデジタルマーケティング・Webマーケティングが盛んですが、これにも限界はあります。何故なら、結果のデータを活用するからです。

人(消費者・顧客)がどのような理由でどのような商品やサービス、そして行動を選択したのかという、その人の本質的欲求・価値観を理解し、コミュニケーションをとり、必要とされる商品やサービスを提供すること、このことが、これからはますます求められる時代なのです。


仕事を進めていく上において、学ぶべきことはとても多くあります。

古くからの教えにも学ぶことがあり、近代において考え出された学問や理論などもどんどん学び吸収していくとよいでしょう。
社会人にとっては、マーケティングの基本の考え方は必須の学びだと思います。
皆さまも「マーケティング」に興味を持ってみてはいかがですか。

 

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必ずご自分のお仕事に活かされますよ。

 

参考:「感性とは、感性マーケティングとは」についてはこちらからご覧ください。

 

 

「プロモーション」から「コミュニケーション」へ B2B2Cの失敗事例から学ぶ ヒト対ヒト

Facebook社が、社名をMetaに変えました。仮想現実空間「メタバース」を企業のメインドメイン(中心的事業領域)とするということだそうです。

メタバースとは、インターネット上に構築された、三次元仮想空間のこと。VRやARなどの技術を用いることで、仮想空間を現実世界にいるような感覚で体験することができます。
メタバースは、ユーザーとユーザー、ユーザーと企業を結ぶ新たな概念と言っていいでしょう。ゲームやソーシャルVRの他、バーチャルオフィスなどもメタバースの一つです。最近では、教育の現場や、美術館、博物館でも利用されているケースがあります。
メタバースは、あらたなコミュニケーションの舞台として機能し始めているのです。

メタバースそのものには、現在賛否両論あるようですが、ここではそのメタバースそのものではなく、マーケティングにおけるコミュニケーションの重要性に関してお話ししたいと思います。

マーケティング「4P」の意味的変化

マーケティングの戦略立案に必須の4Pという言葉がありますが、その4つのPのひとつに「Promotion(プロモーション)があります。

「マーケティングの4Pとは」についてはこちらをご覧ください。

昔は言葉通りに、企業が商品やサービスをプロモート(Promote)する活動が「Promotion(プロモーション)」の主体でした。商品やサービスの特徴を宣伝することが重要だったのですが、その「Promotion(プロモーション)」の意味合いが近年変化してきています。

何故でしょうか?
それは消費者・顧客の情報収集能力が飛躍的に高くなったからです。

一昔前は、消費者・顧客は商品情報をテレビCMや新聞、雑誌などの企業広告活動から、情報を収集するしか方法がありませんでした。しかし現在は違います。

SNS等から様々な情報の入手が簡単にできるようになりました。個人でも情報収集が可能です。
様々なメディアが競って情報を発信しています。情報収集先を一つに絞らなくてもよくなりました。
SNS等で人々は情報を交換できます。企業本位ではなく、ユーザーの視点からも情報が得られるようになっています。
企業からの宣伝広告により商品の存在を認知したとしても、すぐには飛びつかず、周囲の信頼する人の評価など、レビューを参考にし、その良しあしを判断するようになりました。

「Promotion(プロモーション)」は「コミュニケーション」へ変化したのです。

「Promotion(プロモーション)」は「コミュニケーション」へ変化した

         

メタバースは受け入れられるのか!?

「相棒」というテレビ番組(刑事ドラマ:season20 第13話「メタバース殺人事件」)でも、仮想現実空間「メタバース」を題材にした物語が繰り広げられましたが、いよいよ一般社会にもその時代が来るのでしょう。

コロナ過でリモートによる企業活動や教育活動が展開され、人々もその方法に慣れてきています。これは、メタバースの利用が多くなってきているとも言えることです。

しかし、実際に経験すると、「Web会議では人の感情が捉えにくい」という声や、「学生からは仲間と会えず、友達ができない」などという悩みも多く聞かれます。

これらの問題の本質は何でしょう?

それはまさしくコミュニケーションなのです。人は人とのつながりを求めます。

悲惨な例としては、電車内での凶行を起こした「小田急線 無差別刺傷事件」の犯人の理由も、「仕事に失敗し周りの人とうまく付き合えなくなった」という人とのつながりが問題だったようです。極端な例を挙げてしまいましたが、それくらい人は「人とのコミュニケーションが生きていくうえでとても重要」だということです。

人とのコミュニケーションが生きていくうえでとても重要

         

人間の基本的欲求としてコミュニケーションは存在します。
つまり、企業がそのコミュニケーションに対応することは非常に重要であり、必然であると言えます。
 
コミュニケーションの方法は、テクノロジーの進化に伴い、発達した様々なツールやソリューションを利用するものに変化しました。
一般消費者が容易に情報を入手したり、自分自身で発信できるようになったわけですから、企業側にもますます対話力が求められるようになっています。 

「メタバース」世界でも、企業は、消費者・顧客とコミュニケーションを取りながら、「人が何を欲しているのか?」を感じ、その要求にどのように応じるか、といった、「対話すること」が求められるのではないでしょうか。

プロモーションからコミュニケーションへ BtoBtoCの失敗事例から学ぶ

ここで一つ具体的に、B to B to C のコミュニケーション失敗事例を挙げます。

マンションの「管理会社(サービス提供会社)」と「管理組合(住民の組合)」と「個人としての組合員=住民・理事長」との間で起きたコミュニケーションの失敗例です。

マンションの管理会社は、契約しているマンション(マンションの管理組合)に対して月次の理事会運営を中心に、さまざまなサポートを提供しています。これまでは人的対応が中心でしたが、近年、ICT化(情報通信技術「Information and Communication Technology」)を進めており、その一つに決済があります。
これまでは、担当の営業が支払い用紙を準備して、マンションの管理組合の理事長に捺印をもらうために家庭訪問をして、決済を進めていました。

それをオンライン決済(ネットバンキング)に切り替えています。決済の都度、理事長宅に訪問しなければならなかったのが、管理会社の経理システムから自動送信するだけで済むので、何軒ものマンションを担当している営業担当者の業務負担が減り、効率化を図ることができます。

しかし、それまでの決済には、人と人のコミュニケーションがありました。住民が参加する理事会で決済承認をして、加えて決済金額と内容について、担当営業から説明をし、そこで初めて、組合の住民を代表する理事長が決済手続きを行っていたのです。
このフローがあったからこそ、安心して決済業務を管理会社に任せることができていました。しかし、フローがオンライン決済に切り替わった途端、理事会での決済承認もなくなり、何の決済なのか担当営業からの説明もなく、自動配信のみで決済を済ます流れに変わってしまったのです。
当然、説明もなく決済が行われてしまったために、住民たちがから不満が出てしまいました。

決済および金銭のやりとり

「決済および金銭のやりとり」は、「人と人のコミュニケーションが信頼を築き、その信頼の上に成り立っている」ことに、改めて気づかされたケースです。

このコミュニケーションの失敗は、住民代表の理事長からの要求で、決済承認を自動配信する前に、下記のステップを踏むことで解決しました。

Step1 理事会で決済承認を行う
Step2 オンライン決済の承認を行う人(組合の理事長)に対して、担当営業から電話などで、自動配信により決済承認を依頼する旨の連絡を入れる

決済の前に、人と人のコミュニケーションが事前に行われることで、管理会社の信頼が回復しました。

消費者・顧客が支払う対価とは、企業が提供する商品やサービスの価値に対する支払いです。
企業は、消費者が何を欲しているのか、そして自社の商品やサービスが、どのようにその欲求を満たすのかを真摯に理解する必要があります。
その理解に基づいて、商品やサービスを開発・提供することで、消費者は喜んで対価を支払います。

「消費者・顧客が何を欲しているのか? 自社の商品・サービスはその欲求にどのように応えるのか?」についての、具体的な活動が「マーケティング」です。

「消費者・顧客が何を欲しているのか? 自社の商品・サービスはその欲求にどのように応えるのか?」

マーケティング活動の基本的なフレームワークや考え方を、日々の業務の中に取り込むと、仕事を進めていく中で、学ぶべきことがとても多く見つかります。
古くからの教えにも学ぶことがあり、近代において考え出された学問や理論なども参考になります。どんどん学び、吸収するべきでしょう。

社会人にとっては、マーケティングの基本の考え方は必須の学びだと思います。
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KKD(経験に基づく経営)とDDM(データに基づく経営)

KKD経営の弊害

KKDとは

KKDとは、K(経験)とK(勘)とD(度胸)の頭文字です。「経験・勘・度胸」による経営の意です。

仕事にはスピードが求められます。自分自身も早く結果を出したいと思います。そのため様々に存在するはずの代替案や不明確な要素を無視して、安易に自身の経験や勘により、物事や戦略を判断してしまうということが、多々あるのではないでしょうか?

しかしそのような場合、目先の結果に囚われ過ぎて、自社にとって重要なことを見落としてしてしまう機会損失のリスクも出ます。

日本には優れた企業を創設した、数多くの優秀な先人たちが存在します。

松下幸之助さん(松下電気器具製作所(現・パナソニック)創業者)や安藤百福さん(日清食品創業者)、本田宗一郎さん(本田技研工業(通称・ホンダ)創業者)など、今の日本を支えるような企業を創り出した人たちです。

彼らは、自分が感じる社会の状況変化をいち早く察知し、必要とされる商品を生み出し、一代で今の会社の基盤を創り出しました。自分自身の経験により社会状況から感じることを、自分自身で判断し、いばらの道を度胸をもって乗り切り、世の中に認められる商品を生み出していったのです。
素晴らしい先見性と能力だと感じます。

しかし、現代社会はモノがあふれ、顧客ニーズは多層化・多様化し、それぞれの人の考え方や価値観が個々に違い、判断も異なります。OneToOneの考え方が必要な時代と言われるゆえんです。

そのような時代に、企業の方向性や損益にかかわる事項や新商品開発を、一人の経験や勘だけで判断し、周りの評価や不安をも無視して度胸だけで進めることは不可能です。

      


KKDの考え方で、周りの評価や不安をも無視して度胸だけで進めることは不可能です。

     

   

DDM経営への進化 事実の把握と因果関係を分析する能力

DDMとは

DDMとは、Data Informed(データに基づく) Decision Making(意思決定)の頭文字です。社会一般に広く知られている名称ではなく本記事の中で使用した複合語です。データに基づく経営の意です。

最初にお断りしておきますが、KKD経営は必要です。

ですが、それだけでは今とこれから先の経営は難しいので、DDMを加えて進化する必要があります。

では、どうすればよいのでしょうか。

1.事実の把握

複雑な現代社会に受け入れられる商品開発や戦略立案には何より事実を把握することが必須です。

2.因果関係の把握

そしてその事実を整理し事実を引き起こしている要因、背景を分析する能力が必要です。

進め方について、下記Step1~4が大まかな工程になります。

Step1 事実の把握

  • どのような商品やブランドがもてはやされているのか?
  • どのような商品は受け入れられず売れていないのか?

など、事実(実際の現象、実態)を把握することが第一歩です。

Step2 因果関係の把握

  • そして、それらの事実がどのような人にどのような理由で受け入れられているか?
  • 目指していることは何か?

など事実を取り巻く因果関係を整理・分析し、把握します。

Step3 把握した情報(分析結果)の解釈

情報の整理と分析に基づき、今の社会や数年後の社会に必要とされる共通する/本質的な「価値」を見出します。

Step4 「社会・市場・顧客」と「自社」をつなぐ提供価値を創る

Step1~3を踏み「社会・市場・顧客」が求める 「何?」 が明確になったところで、「自社・自社の事業・自社の技術」とつなげます。これが「自社の価値を顧客に提供し喜んでいただく」ことです。

Step1~3が実は非常に大事だということは、やってみて初めて実感できることでもあるので、面倒だから省いてしまうことは、案外頻繁にあることなのです。

「Step1 事実を把握する」取り組みやすい4ポイント

第一歩となる「事実を把握する」について、費用をかけずに取り組みやすい4つの方法をご紹介します。

事実を把握する 取り組み方法1 今使っている人(利用者)に聴く

自分の会社の商品カテゴリーを利用する人々に、今利用している商品やその理由を聞くなど、取り組みやすいところから始める。

事実を把握する 取り組み方法2 傾聴する

今やネットの時代です。ネットに流れる自社の商品にまつわることや、今どきの人の考え方などを収集する。

事実を把握する 取り組み方法3 観察する

利用者の購入方法や選択手順を、リアルに観察する。店頭や会場などで人々の動きを観察する。

事実を把握する 取り組み方法4 試してもらう

開発予定商品をユーザーに試していただく。

上記の方法が取り組みやすいと思います。自分たちでもできますし、予算があれば専門の調査会社に依頼することもできます。

そして、把握した事実を分析する方法として多数存在しますが、傾向を簡単に把握できる方法をご紹介します。

把握した事実の傾向分析 方法1 単純集計

単純集計は、言い換えるとランキングです。どの商品の売り上げが一番かなどを数値をもとに傾向を把握できる最も取り組みやすい分析手法です。

把握した事実の傾向分析 方法2 クロス集計

クロス集計は、例としては、「年齢」と「健康状態」の関係を傾向把握するといったように、1項目だけでランキングを把握するだけでなく、年齢ごとに健康状態はどのように変化していくのか? 10代は「痩せやすく太りにくい体」から、加齢とともに変化し、50代は「痩せにくく太りやすい体」になるなど、2項目間の関係がどのような傾向かを把握できる便利な分析手法です。

マーケティングとデータは切り離せない関係性

更に、多変量解析(因子分析やクラスター分析、重回帰分析、数量化理論など)高度な分析手法があります。つまり、集められない情報はほとんどなく、分析できないデータもほとんどないので、どんどんチャレンジしていけます。複雑な要素が渦巻く現代社会ですが、必要な情報を収集し、的確に分析すると、KKD(経験・勘・度胸)よりさらに進化できます。

DDM(データに基づく意思決定、データに基づく経営)は、仕事を進めていく上で、また、マーケティングの実務を遂行する中で、学ぶべきことはとても多くあります。古くからの教えにも学ぶことがあり、近代において考え出された学問や理論もどんどん学び吸収していくことで私たちは進化していけるのだと思います。

マーケティングを遂行する上でデータは欠かせません。

しかし、データは大量にあるのでデータに振り回されて本質を見失いがちです。そうならないためには、マーケティングの基本的なフレームワークを活用するのが大変有用です。

マーケティングの基礎にご興味をお持ちにの方は、JMLAベーシックパスポートをぜひご覧になってみてください。

必ずご自分のお仕事に活かされますよ。

※マーケティングの基本フレームワークについて詳しくはこちらをご覧ください。
  3C5FSWOTSTP4P【真のデジタルマーケッターとなるために】シリーズ

※調査・リサーチに関して詳しくはこちらをご覧ください。
 
リサーチの役割アンケート調査10のポイント(シリーズ)

すぐに正解を求める貴方へ! 守破離と第三者確認

「正解」が見えている道を歩かないと不安になる?

社会人生活において、私たちは常に正解のない問いと向き合います。任された仕事をどのように推進すれば良いのか、どのような商品を作れば売れるのか、どのように売れば良いのか。

答えを求める焦りは、誰もが経験するものです。
また、インターネットやスマートフォンで膨大な情報のなかからすぐに必要な情報を取り出せる現代では、多くの「正解」らしきものがあちこちで得られます。答えがあるのに、すぐにそれを選択しないのは非効率的だと思う人もいるでしょう。

しかし、複雑な現代社会において、正解というものは一つだけではないのです。

答えを早急に求めているだけでは、多くある「答え」の中で、より最適な判断をすることは難しくなります。また、主体性や探求心も育ちません。既存の答えを選択することにより、責任感も育たなくなります。
すぐに正解を求めたり、答えを求めたりすることは、短期的には一見効率的に思えますが、長期的な視点で見ると、かえって成長の妨げになることが多くあります。

    

 

          

        

しかし、やみくもに動いても労力とコストがかかり、それはそれで確かに非効率的と言えます。

その「先の見えない中で動かなければならない不安」や「正解がわからない不安」、「非効率的な試行錯誤」を軽減してくれるのが、先人たちや偉人たちの教えや、膨大な研究から生まれた数々の理論などです。

守破離とは ビジネス・仕事・物事を進める上での大切な考え方

      

「守破離」とは

元々は武道や習い事の世界で使われていた言葉です。

師の教えを守り、更に研鑽し自分に合ったより良い形をつくり今までのやり方を破る、そこから独自の道を切り開き師の形から離れること。

道を究めるために必要なプロセスを教えてくれたのです。

何より大事なのは、まずは師の教えを忠実に守ることですが、その際に必要なのが「素直な心」なのです。

※素直とは:詳しくは「素直な心構えが先見の明を鍛え事業の成功確率を上げるワケ」をご覧ください。

社会人でも本当に伸びる人は、素直な心をもって、人の意見をよく聞き、自分自身を見つめることのできる人です。

どこかの国の新総裁も同じように自分を評していますね。一国を代表する方が表明するくらいですから、やっぱり大切な考え方なのだと再認識します。

素直な心をもっていると自然と周りに人が集まってきて物事をうまく進めることが出来るものです。

     

     

守破離の教えを仕事に活かすためには

さて、では仕事で守破離の教えを具体的に考えると、以下のようになると思います。

    

ビジネスに活かす 守破離の「守」

まずは先輩や上司から教えられたことを素直に実行する。

自分はこう思うなどという邪念を払しょくして、とにかく素直に実践することです。

そうすれば教えられたことの良い点、少し改善した方が良いと思えることが見えてきます。

最初から自己流でやってしまうと失敗することが多くなり、成功しても何が良かったのかはっきり見極められず、次に生かせないということになりがちです。

    

ビジネスに活かす 守破離の「破」

基本が分かってきたら、改善した方が良いと感じる点を、少しずつ試行錯誤しながら自分流のやり方を見つけ、それまでのやり方を破るのです。

工夫も必要ですし、その途中では、やはり素直な心で周りにアドバイスをもらうことも必要です。

   

ビジネスに活かす 守破離の「離」

少しずつやり方を工夫し自分流のやり方を作り上げ変革し従来のやり方から離れるのです。

ここまでくれば、オリジナルで有効な仕事の進め方が新たに生まれます。

     

結果を求めすぎて焦らないことです。

何事も一歩一歩地道に進めることが大切です。

     

第三者の目線による確認の重要性

一方、仕事を進めるうえで大事なことがもう一つあります。

それは第三者の意見や思いを常に確認することです。

守破離の守にも通じることですが、何か新しい商品やサービスを生み出すときは、その顧客となる人の反応を的確に把握することが必要です。

社内的仕事のプロセスも自分が良いと思っても他の人からするとやりにくい、問題があるなどということも多々あります。

自分独自の判断だけではなく、第三者の意見を確認するということはとても大切な行為です。

くれぐれも唯我独尊とならないように気を付けてください。

仕事を進めていく上において、第三者視点から学ぶべきことはとても多くあります。

   

       

      

ビジネスに有用な理論の一つ マーケティング基本理論

古くからの教えにも学ぶことがあり、近代において考え出された学問や論理などもどんどん学び吸収していくべきです。

その中で、マーケティングの基本理論や考え方は、社会人にとって必須の学びだと思います。

そのマーケティングの基本理論については、書籍で読んだことがあるという人が多いでしょう。

       

では、質問します。 3C5FSWOTSTP4P ご存知ですか?

知ってるよ、知ってる、知ってる。(回答者)

   

では、実際に使っていますか?

「使ってるし、使えるよ」とすぐに回答できるでしょうか?

知っていることと実際にできる・使えることとは違います。

      

続いて質問です。市場調査やニーズ調査といった調査手法をご存知ですか? 第三者の意見を定量的に、あるいは、定性的に調査する手法をご存知ですか?そして、分析手法をご存知ですか?

調査、リサーチとも言いますが、苦手な方が多いように見受けます。

       

自信がないと感じる方は、少しのトレーニングで使いこなし方のコツを身に着けられます。

ぜひ、使えるようになりませんか?

マーケティングの基本にご興味をお持ちにの方は、JMLAベーシックパスポートをぜひご覧になってみてはいかがでしょうか?

     

     

必ずご自分のお仕事に活かされますよ。

※マーケティングの主な基本理論について詳しくはこちらをご覧ください。
  3C5FSWOTSTP4P【真のデジタルマーケッターとなるために】シリーズ

※調査・リサーチに関して詳しくはこちらをご覧ください。
 
リサーチの役割アンケート調査10のポイント(シリーズ)

トレンドの表層と深層 潮流を読むマーケティング力 ”持続性”&”Why?”

世の中の潮流を読む 表層と深層の違い

コロナ過が継続している現在、巣ごもりマーケティングなどという言葉も生まれていますが、マーケティングにおいて重要なことは世の中の潮流を読むことです。


潮流を読むというと、現在は外出ができないから家の中で楽しくラクに過ごせるようなもの(商品やサービス)、あいは、家の中の整理や見栄えをよくするもの (商品やサービス) を売れば売れるだろうと、安易に考えてしまうと、表層にだけ対応してしまいます。

それだけでは世の中の人に長く受け入れてもらえません。深層を捉える必要があります。

では、どうすればよいのでしょう。

    

家の中で過ごさざるを得ない人がどのような気持ちになっているのかを理解する

家の中で一日中過ごさなくてはいけない人は、最初はデリバリー食を楽しんだり、DIYをやってみたりしているかもしれません。

そして、そのニーズに対応した商品が売れます。


しかし、それらのニーズ(デリバリー食やDIYを、流行りだからと始めた人たちのすべて)は長続きするでしょうか?

DIYは最初は楽しいかもしれませんが、継続できる人がどれほどいるでしょうか。デリバリー食もおいしいしラクだし便利だし楽しい。しかし、濃い味や印象に残る味が連続すると、飽きがくるし、先のことを考えるとコスト面も気になり始め、頻度が落ちるでしょう。


このような一過性のニーズを追って対応すると、すぐに飽きられてしまうリスクも大きいです。


コロナ過により、人々は家の中で過ごすことが多くなり、それにより、ライフスタイルも変化したでしょう。リモートワークを含め、今までの生活スタイルとは異なるスタイルで、生活していけることを人々は学んだでしょう。

例えば、家族と一緒に料理を作ることで絆が深まることに改めて気づかされて、料理作りの時間の過ごし方が変わった、それにより、食材の選び方や調理器具の選び方に変化が生まれた、このような本質的な価値観を企業が掴むことが新しい事業の芽を見つけることに繋がります。

消費者や顧客の本質的な価値観(本質的なニーズ)は、言い換えると、「トレンドの深層」です。

    

    

          

本質的なニーズを理解するために 深層を浮き彫りにするリサーチ

では、その本質的なニーズを理解するためには何が必要でしょう?

それは、調査しかないのです。

調査といっても会社の規模により実現可能な方法で実施すればよいでしょう。大企業であれば多くの人に受け入れられ多く売れる商品やサービスを生み出す必要があるので、専門の調査会社を活用して大規模なアンケート調査を行う必要があるでしょうし、街の商店や中小企業などは予算によって、自社のターゲット層や顧客、さらに小さい規模としては知り合いや親族に聴くことによって気づきやヒントが得られるでしょう。

本質的なニーズ(深層)には潮流があるので、1回きりで終えず、定期的にモニタリングする(1年に1度とか2年に1度とかシーズンに影響を受ける場合はシーズンごとなどでアンケート調査をする)ことが望ましいです。


「いま、何に困っているか」を2年前と今それから2年後、きっと変化するでしょう。それが何人か集まると傾向をつまめます。10年の間に社会の変化に合わせて人のニーズが変化します。調査とはこれらのことを言い、中長期のスパンで変化するのが「トレンドの深層」です。

今だけにフォーカスしすぎてもアンケート調査で、「どのような物やサービスがあったら良いか」などを聞き出すことが多いですが、ストレートに聞いても人はなかなか自分の真のニーズに思い当たりにくいことが多いです。

調査も聴取方法や聴く内容だけでなく、”持続性”も重要になってきます。

    

     

     

          

本質的なニーズを理解するために 人の深層ニーズを引き出す設計

調査でよくある「次の中から選んで答えてください」という「選択肢=プリコード」による設問・回答方法は、設問設計者、つまり何かを聞き出したい側が設計しています。

このことは何を意味しているかというと、設計者が既に既知の知識として持っている仮説の範囲内しか出てこないということで、新しい発見に繋がりにくいデメリットがあります。

ではどうしららよいのか。自由回答(フリーアンサー)を活用することです。

回答してくれる人たちが、自分の本音に気がつくような設問を設計します。

設計方法としては、初心者でも取り組みやすいのは、「なぜ?なぜ?なぜ?」と深堀りして聴く方法です。

なぜ?」(Why?)とう問いかけは、問題発見の基本中の基本で、問題だけでなく、「なぜ?」(Why?)と問いかけられると視野が広がり、新たな発見に気づきやすくなります。

真のニーズを引き出す方法や、回答者が日頃思っていることを自由に(フリー)答えてもらい、その文章の中からキーワードを抽出する方法などいくつかの方法がある。何を知りたいかテーマを具体的に考えていくことで、どのような設問を設計すればよいか、聴きたいことの取捨選択もしやすくなります。

このアンケート調査を設計する際に、自分で考える、考え抜くという行為も大変重要です。

世の中を何気なく見ていると自社にとっても大きなヒントとなることを見逃してしまいます。マーケッターとして、常に意識をもって世の中の動きを把握することが大切です。

そのために、アンケート調査という便利で役に立つ手法を学んでおくことは、仕事にも有用です。

顧客ニーズを理解するアンケート調査に今日をお持ちの方は、こちら⇒「マーケティングの基本 JMLAベーシックパスポートをご覧になってみてはいかがでしょうか。


必ずご自分のお仕事に活かされますよ。

    

参考:「リサーチの役割」「アンケート調査10のポイント」はこちらからご覧ください。

インクルーシブな職場環境作り、プラごみ削減の取り組み B2C、B2B事例から開発ヒント

個性を受け入れて最大限に生かすインクルーシブな職場環境づくり モスバーガー

まず、BtoCビジネスで、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を積極的に推進しているSDGsの取り組み例を採り上げます。

  • 性別、年齢、国籍、ライフスタイルなどの多様化=「ダイバーシティ(Diversity)」
  • 個性を受け入れて、最大限に生かす環境をつくる=「インクルージョン(inclusion)」

     

ロゴ:外務省ホームページ「持続可能な開発のための2030アジェンダ」より

  「SDGsとは」についてはこちらから   

 

外食店の人手不足の問題を解消する対応策として、最先端技術を有効活用し、身体に障がいのある人や子育てや介護などの社会的ハンディキャップにより外出困難な人が自宅にいながら、離れた場所の店舗で配膳や接客をするという在宅勤務の新しい機会を創出している、ファストフードチェーン「モスバーガー」です。

モスバーガーの店に1台のロボットがいて、10人の身体障がい者が、ロボットを交替で(自宅から)遠隔操作する仕組みで、ハンバーガー等の調理・料理は店舗内(現地)で実際に働くスタッフが調理・料理し、出来上がった料理を、遠隔操作者がテーブルに運ぶオペレーションを実験したニュースを見聞きしました。

さらに、遠隔で料理を運ぶ人が、ロボットを通してお客様と会話をすることが可能となるシステムも試しているようです。

    

YouTube「ANNnewsCH」ハンバーガー運搬ロボ 外出困難者も自宅から操作(2021年7月27日)より

       

     

プラスチックごみ削減の取り組み ソニー、カシオ、リコー 

   

次に、脱プラスチックの視点からSDGsの取り組みを集めてみました。BtoCビジネスからソニー、BtoBビジネスからカシオ、リコーをみてみます。

リサイクルされずに廃棄されるプラスチックごみは、河川などから流れ込んで長期にわたって海に残存するため
地球規模で海洋汚染が懸念され、海の生きものたちもエサと間違えて食べて胃の中で消化されずに死んでしまうという危機に直面していることはみなさま既知のことですよね。

    

ロゴ:外務省ホームページ「持続可能な開発のための2030アジェンダ」より

     

企業の商品や事業において「プラスチックごみ削減」をどう実現しているのでしょうか。

     

プラスチックごみ削減の取り組み ソニー

ソニーの最新ワイヤレスイヤフォンのパッケージは、プラスチックを一切使用してない、竹とサトウキビの繊維と再生紙でできた素材「オリジナルブレンドマテリアル」が採用されています。
この素材を他の商品パッケージでも採用するかもしれませんね。

       

プラスチックごみ削減の取り組み カシオ

カシオ計算機の商品「ラベルライターLateco(ラテコ)」は、環境省が主催する「プラスチック・スマート」キャンペーン登録商品です。従来機種に比べプラスチックごみを約97%削減しています。

テープの外側(テープアダプター)はそのまま使い続けられテープを詰め替えるだけ、テープの芯の部分も紙でできておりごみはテープの芯(紙)の部分のみです。

YouTube CASIO Japanチャンネル CASIO Lateco EC-K10 特長紹介【プラスチックごみ削減】より

     

プラスチックごみ削減の取り組み リコー

リコー(精密機器大手メーカー)は、トナーで培った技術をプラスチックごみ問題の解決につながる新素材を開発しました。植物由来のかつ生分解されて一定条件のもと土に還るプラスチック新素材「PLAiR(プレアー)」です。緩衝材・梱包材から商品トレイまで幅広く対応することを目指し、新素材の市場開発を行っています。リコーのコピー機の緩衝材にも採用しています。

説明表現を訂正し、「プラスチックごみによる海洋汚染」から「廃棄物による環境汚染」に訂正し、「脱炭素/循環型社会の実現」を目指す取り組みと説明しています。

https://www.youtube.com/watch?v=s6HiIsyOB1k
YouTube リコー公式チャンネル RICOH CHANNEL  植物由来の新素材「PLAiR(プレアー)」より

     

      

SDGsの実現と関連させた事業開発を成功させるために 7つ道具

企業の事業課題を社会や地球の課題、SDGsの実現と関連させて解決のための新しい開発の取り組みをみてきました。

当会(JMLA、日本マーケティング・リテラシー協会)では、新しい開発を支援する専門チーム『WAKU WAKU 創造 LABO』(ワクワク創造ラボ)が、企業様の新商品や事業開発をご支援しています。

現在は特にSDGsの目標のいずれかにあてはまるテーマでのご支援が主流となっています。

『WAKU WAKU 創造 LABO』は、独自メソッド=新商品/事業開発のための七つ道具「Neo P7 システム」を用いてご支援します。

新商品/事業開発のための七つ道具「Neo P7 システム」

      

     

この新商品/事業開発のための七つ道具「Neo P7」(ネオピーセブン、ネオピーナナ)は、その名の通り、7つの工程に沿って進めると開発を実現できる、定性手法と定量手法を巧みにバランスよく組み合わせた、日本初の系統的メソッドです。


メソッドの開発者は、JMLA会長・神田 範明(成城大学 名誉教授)で、この七つ道具は産学共同研究による開発110社以上の実績から成果が検証されたメソッドで、多くの企業様、規模・業種問わず導入いただいています。

    

   

■ Neo P7 7つ道具

新商品/事業開発のための七つ道具「Neo P7」 1 仮説発掘法

アイデアの種を大量に発掘します。

新商品/事業開発のための七つ道具「Neo P7」 2 アイデア発想法

アイデアを大量に創出します。

新商品/事業開発のための七つ道具「Neo P7」 3 インタビュー調査

仮説アイデアを評価する指標をつくります。

新商品/事業開発のための七つ道具「Neo P7」 5 ポジショニング分析

市場性のある売れるアイデアを絞り込みます。

新商品/事業開発のための七つ道具「Neo P7」 6 コンジョイント分析

開発に向けた最適コンセプトを決定します。

新商品/事業開発のための七つ道具「Neo P7」 7 品質表

技術へ橋渡しします。

 

 

新しいチャレンジ、新しい人と知り合う、新しい物事を考える、そういう行動が、今、大事ですね。

何か新しい創造に着手したいが、何から始めたらよいかと思案している方は、私共、商品開発を支援する専門チーム、WAKU WAKU 創造 LABO (略称:WAKULABO ワクラボ)へ、お気軽にお問合せください。

 

 

パラリンピックに学ぶーSDGs&サステイナビリティにかかわる中小企業の取り組み

企業が取り組むべきテーマの一つとして「SDGs」というユニバーサル(普遍的)な国際目標があります。

または、SDGsは2030年目標なので「SDGs」の代わりに、「持続可能な」=「サステナブル(Sustainable)」や、「持続可能性」=「サステナビリティ(Sustainability)」という考え方を取り込み、企業/事業/マーケティング活動に伴って得られる収益の追求と同時に社会課題(自然環境や人間社会の課題)の解決も目指すことが求められています。

しかし、どのような取り組みが必要なのか? 躊躇や疑問を持っていらっしゃる方もいるのではないかと思います。

そんな疑問を解決するヒントをパラリンピックから見出しましたので、今回はそのことについてお話ししたいと思います。

SDGsを実現しているパラアスリート

パラリンピックの参加選手たちを見ていると、そのポジティブな姿に驚きと感動を覚えます。ハンディキャップをものともせず、前向きにひたむきに頑張る姿はすがすがしささえ感じます。

何故でしょう?

それは彼らが自分のできる限りのことを真剣に精一杯取り組んできた結果を見せてくれているからだと思います。

そしてその過程と結果は、SDGsの目標である、
SDGs 17の目標 Goal 1(貧困をなくそう)
SDGs 17の目標 Goal 3(すべての人に健康と福祉を)
SDGs 17の目標 Goal 4(質の高い教育をみんなに)
SDGs 17の目標 Goal 5(ジェンダー平等を実現しよう)
等の目標を達成したり後押ししていることにつなっがっていると思います。

51歳のアスリート成田真由美さんなどは、東京大会の組織委員会理事にも就任し、様々な社会課題の解決にも貢献していらっしゃると聞きます。

より詳しい「SDGsとは」についてはこちらから

SDGsを実現しているパラアスリート パラリンピックの参加選手たちを見ていると、そのポジティブな姿に驚きと感動を覚えます。ハンディキャップをものともせず、前向きにひたむきに頑張る姿はすがすがしささえ感じます。

SDGs-身近な目の前のことから取り組めばよい

アスリート一人一人の力は限られています。
彼らが競技後のインタビューで一様に答えている言葉に、周りの人のサポート、応援、そしてパラリンピック開催に関係するすべての人々への感謝の言葉があります。

その言葉を聞くたびに私はパラアスリート本人たちに感謝します。

何故なら、彼らこそがこの素晴らしい大会を見せてくれている人だからです。
彼らの努力無くしてはパラリンピックは存在しません。
そして彼らはその大舞台に立つために日々努力し、目の前の課題を解決し、自身を向上させているのです。そしてその先にある大きな社会課題の解決に貢献しています。

SDGsの中には企業/事業/マーケティングの活動に身近なテーマがたくさん含まれている-選べる

我々マーケッターの日々も同じではないでしょうか。
自社の収益をより向上させるために、社会に役立ち持続可能な発展を成しえるために、企業人、マーケッターは頑張っているはずです

ついついマーケティングとはとか、SDGsとはとか、大きな課題にぶつかると自分では無理だとか自社では無理だとか、躊躇したりあきらめてはいませんか。

そんなときはパラアスリートの姿を思い出してください。
一人一人が目の前の事、自分ができる範囲のことを精一杯努力して行えば、周りが動き出します。
そうすればきっと大きな力が沸き上がり、「SDGs」や「サステナブル(Sustainable)、サステナビリティ(Sustainability)」への取り組みもマーケティングへの取り組みもきっと道が開けるはずです。

まず、ゼロベースの方の最初の一歩としては、こちら「SDGsとは」がわかりやすく説明していますので、ご覧になってみてはいかがでしょうか。

外務省ホームページ「持続可能な開発のための2030アジェンダ」より、持続可能な開発目標(SDGs)の概要、1.貧困、2.飢餓、3.保健、4.教育、 5.ジェンダー、6.水・衛生、7.エネルギー、8.成長・雇用、9.イノベーション、10.不平等、 11.都市、12.生産・消費、13.気候変動、14.海洋資源、15.陸上資源、16.平和、17.実施手段

SDGs&サステナブルをテーマにマーケティングに取り入れるには マーケティング×SDGsトレーニング

企業/事業の発展にはマーケティングは欠かせません。
「マーケティング」とは、「社会に貢献する価値を提供することで企業の収益を上げる仕組みづくり」です。
つまり、「仕組みづくり」が鍵で、サステナブルの考え無しに仕組みはつくれないのです。

企業/事業のマーケティングの仕組みづくりの本質はBtoCビジネスもBtoBビジネス(BtoBtoC、B2B2C、BtoBtoB・・・)も変わりませんが、実務上は全く同じというわけにはいきません。

BtoC(B2C)ビジネス、が持続可能なマーケティングの仕組みをつくるには

直接的な関わり合いとしては、「企業(自社)」と「従業員」と「消費者」が持続的に満足する仕組みが必要でしょう。
(細かくは、株主や仕入れ先なども含まれます)

加えて、関節的に関わり影響を受ける/影響を与える、人間社会や地球環境といった「社会課題」を良好な状態に維持するよう「社会の幸せ」にも配慮する必要があります。
近江商人の経営哲学として広く知られいてる「三方よし」(※)のようですね。

(※)「三方よし」とは、事業活動を「自分良し」、「相手良し」、「世間良し」の三方を持続的に満足させるよう行わなければいけないという意味。自らの利益のみを追求するだけではだめで、社会の幸せも願う。

BtoBビジネス(BtoBtoC、B2B2C、BtoBtoB・・・)が持続可能なマーケティングの仕組みをつくるには

「企業(自社)」と「納入先企業」と「(最終)エンドユーザー」が持続的に満足する仕組みが必要でしょう。
どこまでいってもBで終わるBtoBビジネスの場合でも、(最終)エンドユーザーである企業の中の誰かヒトが使う”もの”や”こと”でしょう。

「自分(自社)」ー「相手(相手企業)」ー「(最終)エンドユーザー」
「自分(自社)」ー「第1納入先企業」ー「第1納入先の相手企業」ー「第2納入先の相手企業」ー「・・・」ー「(最終)エンドユーザー」
そして間接的に関わる社会や地球環境まで。

これらのどこか1つでも悪い状態になってしまうと、結局「自分(自社)」も先細りになってしまいます。

持続可能なマーケティングの仕組みをつくるには、やはり、マーケティングの本質を知り、基本理論を使えるということが大事だと実感します。

マーケティングの基本理論は、本で読んだという方は多くいらっしゃるでしょう。
しかし、自社の持続可能なマーケティングの仕組みを実際につくるということに携わったことがある方はぐんと人数が減ります。
そのような立場になった方にとっては使えるスキルが必要になるでしょう。

実務スキルを身につけたいと思っている方は、こちらの「マーケティング」セミナーをご覧になってみてはいかがでしょうか。
必ずご自分のお仕事に活かされますよ。