【真のデジタルマーケッターとなるために】第10回:ブルーオーシャン戦略

公開日:2020年08月31日最新更新日:2020年10月13日JMLA 事務局

競争相手がいなければ、一人勝ちできる。

最近、旅番組がコロナの影響で過去の放送を流すことが多くなっている。新しい映像を見られないのは残念だが、見逃した回や忘れていた映像が見られて、これはこれでありかなと思っている。
そんな映像の中で、今好きな映像は「海」である。世界各国や日本の島など透明度の高い透き通ったブルーの海を見ると一度は訪れたいと思うのである。
特に人のいない浜辺や船でしか行けない島などを見ると、ほんとに自由に過ごせて気持ちがいいだろうなと思う。
ビジネスの世界でも、他社のいない市場があればとても良い環境と言えるだろう。今日はそのような市場環境を指す『ブルーオーシャン』に関してお話します。

ブルーオーシャンとは

 「競争相手がいない、或いは少ない市場や分野」

  のことを意味します。

競争相手がいなければ、その市場は自社の独占市場となります。要らぬ競争戦略に時間やお金を掛けることなく、自社の望む適正価格で商品を売ることができ、企業の体力が奪われることがありません。
企業にとっては、まさにパラダイスですよね。
ちなみに、競争相手がひしめく競争の激しい市場や分野のことを「レッドオーシャン」=血で血を洗う市場と呼びます。
 

 

ブルーオーシャン戦略の事例

良く知られた例として、任天堂が「Wii」の開発の際に、ブルーオーシャン戦略の考え方を用いたといわれています。
それまでメインユーザー層である子供や若者だけでなく、比較的高年齢のゲーム慣れしていない層に受け入れてもらえるゲームというものにより、新市場を開拓したいという思いから生まれたものです。
その思いは「ブルーオーシャン戦略」により見事に具現化され大ヒットしたのは皆様ご存じのことと思います。

ブルーオーシャン戦略の考え方

競争戦略の考え方は、古くからある「ランチェスター戦略」やマイケル・ポーターの「競争戦略」などがありますが(第14回で「競争戦略」のことを詳しく説明します)、ブルーオーシャン戦略は比較的新しい考え方で、2000年代に入って述べられた経営戦略論です。

競争戦略の考え方においては、「低価格戦略」か「差別化戦略」のいずれかを選択しなくてはいけないとされていますが、ブルーオーシャン戦略の考え方は、「低コスト化」と「高付加価値化」を両立し、新しい価値を持つ商品を生み出すというものです。

 

『Wii』の価値を生み出した要素

Wiiが誕生した時代は、競合他社が高機能の製品を次々と打ち出し、高機能化競争の真っただ中でした。まさに血で血を洗う技術開発競争が繰り広げられていたのです。そんな中Wiiは市場から埋没しかけていました。

そこで考えられたのが逆転の発想ともいえる「ゲーム慣れしていない人を引き込もう」というものでした。

ゲーム慣れしていない人向けのゲーム機ですから、簡単に扱えなくてはいけません。Wiiはその当時の比較的ロースペックのハードを使用していました。その代わりリモコンなどの使いやすい機能を付加したり、何より「家族で遊ぶ」「おじいちゃんやおばあちゃんと遊ぶ」という、一時期失われていた「家族で遊ぶ」という市場を作り出したのです。

まさに、「低コスト化」と「高付加価値化」を両立させたのです。

 

 

自らが求める目標達成には、それなりの準備と戦略が必要です。ただやみくもにやればよいというものではありません。
ビジネス社会で成功させるためには、マーケティングの知識と活用力は重要です。

皆さまも「マーケティング」に興味を持ってみてはいかがですか。

必ずご自分のお仕事に活かされますよ。

 

【真のデジタルマーケッターとなるために】シリーズ
第1回:マーケティングとは
第2回:現代マーケティングに重要なデータ
第3回:ブランドが果たす役割
第4回:マーケティングの仕組み
第5回:3C
第6回:PEST
第7回:5F
第8回:SWOT
第9回:STP
第10回:ブルーオーシャン戦略
第11回:リサーチの役割
第12回:集計と分析
第13回:戦略ドメインとコンセプト設計
第14回:競争戦略と隠れた競合
第15回:百年ブランドとなるために

 

 

参考:「3Cとは、SWOTとは」「強みを生かす!『SWOT』分析」「3C、4P、使いこなしていますか?!」「STP、ターゲティングの成功事例」「ファイブフォース分析とは」「JMLAベーシックパスポートの魅力

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JMLA 事務局

一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)は、「マーケティング」および「商品開発/事業開発」において、人財育成(認定資格講座、企業研修)および企業様の事業支援・開発支援を行っています。また、商品開発/事業開発の系統的なメソッド「Neo P7」を用いて企業の社員様が自分たちで持続的に開発を実現できるようにするための内製化支援を行っています。