【真のデジタルマーケッターとなるために】第3回:ブランドが果たす役割

2020年07月11日森田 広一

今日は「ブランド」の本質的価値と、どのようにして成長させるのかについてお話ししたいと思います。

ブランディングって何?

近年のマーケティングにおいては、「ブランディング」が大切とよく言われます。
自社や自社商品に対し良いイメージを持ってもらい、購買促進を図ろうという考え方ですね。

ところで、皆さんは「ブランド」が果たす本当の意味での役割、そして「ブランド」はどのようにして目的を果たすまで進化するのかを、正しく理解されていますか?

そう、「ブランドは大切」「お客様に愛されなくてはいけない。そのためにはブランディングが必要だ」とは言っているものの、なぜブランドが大切なのか? ブランドはどのようにして成り立っていくのか? 正しく理解されている方は少ないのではないでしょうか。

今日はそんな「ブランド」の本質的価値をどのようにして成長させるのかをお話しします。

ブランドは「利益を生み出す」源泉

日本の企業は欧米の企業と比較して、ブランディングが下手だと言われます。
それには日本企業特有の環境と歴史が影響していると思います。

日本の多くの企業は高度成長時代にその根幹を構築してきました。
そして高度成長時代には日本は足りないもの、欲しいものが沢山あったのです。
ですから、機能の良いものをつくりさえすれば他社より多く売れたのです。
そして日本国内の需要に応えるだけで日本企業は潤ってきました。

つまり技術力という基本的強みと生産効率を上げるという社内的改善力を持った企業が大きく成長してきたのです。

ある意味技術力による差別化と呼べるかもしれません。

しかし、バブルは弾け、周りを見渡すと海外企業の進出が加速していました。
それらの海外企業も優れた技術力を持つようになっていたり、既に海外で「ブランド」を確立していました。

新たな差別化の必要性を強く認識したのが、日本企業は、欧米の企業に後れを取っていたということです。

さて、では本題の『ブランドが果たす役割』です。

何故、『ブランド力』を上げなくてはいけないのでしょうか?!

「お客様に選んでいただくために」「売り上げを上げられるから」「周りの競合と差別化できるから」そのとおりですね。

では質問です。

お客様に他社と比較して自社を選んでいただき購買していただきやすくすると、企業にとってはどのようなメリットが生まれるのでしょうか?
ここが本質的問題です。

それは、【利益】を上げられるからです。

お客様が他社と比較しても自社を選んでくれるということは、要らぬ価格競争をしなくてよいということになります。
すると商品発売時に設定した【適正な価格】で売ることができ、【適正な利益】を得られるのです。

この【利益を上げる力】こそが、ブランドの持つ価値なのです。

ブランドの特性

では、ブランドにはどのような特性があるのか整理しましょう。

1、 ブランドは、〔無形性〕です。

ブランドは、「顧客の心」の中の存在であり、他の人からは見えないものです。

2、 ブランドは、〔間接性〕により構築されます。

商品を販売する際に、(顧客に)この商品は「〇〇なメージ」を持つブランドです。などと直接的に訴えないですよね。
広告やパブリシティまたは(購入した顧客が)商品の利用を通して、間接的にその商品の顧客価値を伝えていくことにより、ごく自然と顧客の心の中に一つのブランドとして認識されるのです。

3、 ブランドは、〔多層性〕により成り立っています。

顧客価値を生むためには、やはり基本的機能は満たしていなくてはいけません。
食品なら、安全品質は基本機能です。
自動車なら、走る・止まる・曲がるは基本機能です。
そのうえで、ちょっとユニークな味とか乗り心地が良いなどの付加価値、情緒的な満足を与えることが必要です。
この情緒的価値を高めることにより、顧客価値を絶対のものにするのです。

4、 ブランドは、〔関係性〕を構築することが重要です。

顧客は移り気です。
何か目新しいものが出てくるとそちらを試してみたくなります。
その顧客の心を留めておくことが必要になるのです。
第1回の「マーケティングの役割と目的」でお話しした「顧客を維持する」のです。
これが出来れば、顧客は永続的なファンになってくれます。

「かけがえのない存在」になることを目指す

ブランドの特性を理解したところで、どのように進化させるべきかを理解しましょう。

1、 機能としてのブランド(良い製品)

前節でも書きましたように、まずは機能がしっかりしていなくてはいけません。たとえ低価格であったとしても、安かろう、悪かろうでは今の時代顧客は相手にしてくれません。

2、 好みとしてのブランド(好きな製品)

機能が良いだけでは、たくさん存在する競合に勝てません。顧客が望むデザインや使用感などに応えることが必要です。

3、 社会評価としてのブランド(評判の良い製品)

機能がしっかりしており、デザインや使用感もよいとなると世間の評判を生みます。安心感や憧れを持っていただくことが出来ます。
しかし、ここで満足してはいけないのです。

4、 意味的価値としてのブランド(かけがえのない製品)

顧客は浮気者です。同じように機能がしっかりしていてデザインや使用感が良い製品が出てくると、そちらを試してみたくなるものです。それをさせないためには、顧客との関係性を強化し。顧客にとってなくてはならない存在に高めることが重要なのです。

我々ビジネス社会に生きるものとしても、社会的に「あのブランド」は私にとってなくてはならない、かけがえのない製品だ、と言われたいものです。

自らが求める目標達成には、それなりの準備と戦略が必要です。ただやみくもにやればよいというものではありません。
ビジネス社会で成功させるためには、マーケティングの知識と活用力は重要です。
皆さまも「マーケティング」に興味を持ってみてはいかがですか。
必ずご自分のお仕事に活かされますよ。

 

【真のデジタルマーケッターとなるために】シリーズ
第1回:マーケティングとは
第2回:現代マーケティングに重要なデータ
第3回:ブランドが果たす役割
第4回:マーケティングの仕組み
第5回:3C
第6回:PEST
第7回:5F
第8回:SWOT
第9回:STP
第10回:ブルーオーシャン戦略
第11回:リサーチの役割
第12回:集計と分析
第13回:戦略ドメインとコンセプト設計
第14回:競争戦略と隠れた競合
第15回:百年ブランドとなるために

 

参考:「3Cとは、SWOTとは」「強みを生かす!『SWOT』分析」「3C、4P、使いこなしていますか?!」「STP、ターゲティングの成功事例」「ファイブフォース分析とは」「JMLAベーシックパスポートの魅力

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森田 広一
広告代理店でマーケティング戦略立案、コンサルティングファームでデータ分析や各種のコンサルティング業務を経験。そこで培われたノウハウを元に人間の「感性」を紐解く独自の分析手法を確立し、そのノウハウを広く世の中に伝えるべく、一般社団法人日本マーケティング・リテラシー協会を設立。目に見えない消費者の深層心理「感性」を数値化し分析することにより、消費者や企業の隠れた欲求を解明し、各種提案やマーケティング戦略立案に役立てる分析体系を教える講座を開設。現在、様々な業種、職種の受講者から評価を得て、大手コンサルティング企業などの昇格必須講座としても認定されている。同時に各種企業のマーケティング・コンサルタントとしても活動中で、現代企業の悩み解決の実質的なサポート活動も継続している。