【真のデジタルマーケッターとなるために】第5回:3C

2020年07月23日森田 広一

意外に使いこなせていない「3C分析」の使い方

現代社会における「3C分析」の正しい使い方

「3C分析」とは、

 「ustomer(市場・顧客)

 ompany(自社)

 ompetitor(競合)

の頭文字をとった言葉で、自社がどのような経営環境に置かれているのかを分析する手法です。古くからある分析手法で、使いやすく便利なため多くの方が使われていると思います。

しかし、古くからあるがため、現代マーケティングにおいて重要な視点での情報が抜け落ちたまま使用され、マーケティング戦略に齟齬が生じている場合を垣間見受けることがあります。

そこで今回は、で「3C分析」を正しく使えるようになるヒントをお話しします。

 

「Customer=顧客は人だけど・・・

「Customer」は、顧客のニーズや購買動向を把握するパートです。

社会の変化が激しく顧客ニーズもどんどん変化しますから、顧客の隠れたニーズを把握することが大切になります。

ということは、「Customer」のパートでは、直接的な人の購買動向だけを把握していても、顧客の後追いになってしまう危険性があります。そうです。顧客の購買行動から発想して商品を市場に送り出したころにはもうブームが終わっているということになりかねないということです。

ではどうしたらよいのでしょうか?

社会環境の変化により、顧客がどのような心理になるのか、どのような状況になるとどのようなものが求められるのか。顧客を取り巻く社会環境顧客のニーズや購買行動を併せて把握することにより、顧客の心理変化を理解することができます。

つまり「Customer」のパートの情報には、顧客のニーズや購買行動に関する情報に加えて、社会環境に関する情報も入れる必要があるということです。

 

「Company」=自社は定量的評価だけではない

「Company」は、自社の経営資源や活動状況について把握するパートです。

経営資源や活動状況といわれると、集める情報は定量的データとなりがちです。

資金力、技術力、売上、利益率、社員数等々、いろいろなデータがあります。

しかし、このような定量的データだけだと、実は自社の長所・強みを見落とすことが起きてしまいます。

社員数が少なくても何かに秀でた優秀な人材がそろっていれば、大きな強みです。或いは営業マンが顧客からとても信頼されているということも強みです。

単に技術力だけでなく、サポートが素晴らしいという評価も強みです。

つまり、「Company」のパートでは、定量的情報だけでなく、定性的評価情報も重要だということです。

自社の提供する機能的品質評価だけでなく、顧客が感じる知覚品質評価(顧客が他と比較して優位と感じた品質)も行う必要があるということです。

 

「Competitor」=競合は目の前の相手ばかりではない

「Competitor」は、他社との競争状況について把握するパートです。

 

競争相手の強みや弱み、どんな商品をいくらでどのくらい販売しているのか。主な顧客は誰か。どのようなルートで売っているのか。資金力は営業マン数は等々、このパートも必要な情報は沢山ありますね。

しかし、このような競争相手の情報を収集分析しても、自社の課題が的確に把握できない場合があります。

「競争相手より自社の方が絶対に優位だ。それなのに売上が落ちてきている。」ということが時々起きてしまいます。

そのような時は、直接目の前にいる競争相手ではない競争相手が出現している可能性が大きいのです。

町の本屋さんが衰退してしまった理由は、直接的な競争相手である書店が脅威になったわけではありませんでした。「本」というものを紙で読まなくてもスマホで読めるようになった。或いは、本を読むという時間そのものをスマホのゲームを楽しむという時間に奪われてしまったというのが現実でしょう。

そうです。「Competitor」のパートでは、直接的な競争相手だけではなく、間接的競合(隠れた競合)も視野に入れなくてはいけないということです。

自社の商品と同じ「顧客価値」を持つ競争相手が出現していないかという情報が大事だということです。

 

いかがでしたでしょうか。マーケティングには、様々な理論や分析手法があります。それらの根本的目的や意味合いは変化することはありませんが、必要な情報や使い方などは、社会環境により変化しているのです。

今のマーケティングに適応した使い方を正しく理解することが必要ですね。

自らが求める目標達成には、それなりの準備と戦略が必要です。

ビジネススキルの基本の一つが、マーケティングの知識と活用力です。

皆さまも「マーケティング」に興味を持ってみてはいかがですか。

必ずご自分のお仕事に活かされますよ。

 

【真のデジタルマーケッターとなるために】シリーズ
第1回:マーケティングとは
第2回:現代マーケティングに重要なデータ
第3回:ブランドが果たす役割
第4回:マーケティングの仕組み
第5回:3C
第6回:PEST
第7回:5F
第8回:SWOT
第9回:STP
第10回:ブルーオーシャン戦略
第11回:リサーチの役割
第12回:集計と分析
第13回:戦略ドメインとコンセプト設計
第14回:競争戦略と隠れた競合
第15回:百年ブランドとなるために

 

参考:「3Cとは、SWOTとは」「強みを生かす!『SWOT』分析」「3C、4P、使いこなしていますか?!」「STP、ターゲティングの成功事例」「ファイブフォース分析とは」「JMLAベーシックパスポートの魅力

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森田 広一
広告代理店でマーケティング戦略立案、コンサルティングファームでデータ分析や各種のコンサルティング業務を経験。そこで培われたノウハウを元に人間の「感性」を紐解く独自の分析手法を確立し、そのノウハウを広く世の中に伝えるべく、一般社団法人日本マーケティング・リテラシー協会を設立。目に見えない消費者の深層心理「感性」を数値化し分析することにより、消費者や企業の隠れた欲求を解明し、各種提案やマーケティング戦略立案に役立てる分析体系を教える講座を開設。現在、様々な業種、職種の受講者から評価を得て、大手コンサルティング企業などの昇格必須講座としても認定されている。同時に各種企業のマーケティング・コンサルタントとしても活動中で、現代企業の悩み解決の実質的なサポート活動も継続している。