【真のデジタルマーケッターとなるために】第13回:戦略ドメインとコンセプト設計

公開日:2020年09月24日最新更新日:2020年10月13日JMLA 事務局

ターゲットを明確にし、ターゲットに響く言葉が必要。
マーケティング戦略を実行していくためには、自社がどのような戦場で戦うのかを決めなくてはいけません。
自社の商品が優れているからといって、やみくもに広告宣伝を行ったり、営業活動を行っても、顧客には響きません。
*自社の優位性を受け入れる顧客は誰か?
*自社の優位性をどのように表現するのか?
*顧客にどのようにして伝えるのか?
*顧客にどのような言葉、表現で伝えるのか?
を決めることが必要です。

マーケティングにおける『ドメイン』とは、

マーケティングにおける『ドメイン』とは、「誰に」、「何を」、「どのように」を決定することを意味します。

ドメインを決定し、コミュニケーションコンセプトを決めます。

コミュニケーションコンセプトとは、顧客に対する基本メッセージです。

 

「誰に(ターゲット)」

自社の商品はどのような顧客に受け入れられるのか、或いはどのような顧客に売りたいのかを明確にします。

ターゲットを決めず誰でもいいから買ってくれればよいでは、かえって誰も振り向いてくれないことになってしまいます。今日のような飽和市場では、自分にとって価値のあるものしか顧客は購入・利用しません。

自社の商品にはどのような価値があり、どのような顧客が欲しがるのか。そのことを前回までに学んだマーケティングセオリーやリサーチ、分析手法を駆使して決めていきます。

「何を(顧客価値)」

同時に、顧客に対する自社商品の価値(顧客メリット)は何なのかを明確にします。
自社商品の価値とは、単に機能的な価値ではありません。

その商品を購入したら、その人の生活の中でどのような付加価値をもたらすのか?
顧客の情緒的な満足はどのようなことで得られるのか?
つまり情緒的価値を満たす自社商品の優位性を明確に把握することです。

わかりやすい例では、ディズニーランドです。入場料は高いですよね。そしてもっと安く行ける遊園地やテーマパークはあります。でも人々はディズニーランドに行きたいと思います。ディズニーランドに行ったら、単に面白い乗り物があるではないからです。施設の作り、キャスト(スタッフ)の言葉・行動・対応、毎日繰り広げられるパレードなど、日常空間とは全く違う「夢の国」での時間を過ごせるからです。乗り物という機能的価値ではなく、夢の国で過ごすという情緒的価値を大満足させてくれるからです。

「どのように(伝達方法)」

誰に(ターゲット)と何を(顧客価値)を決められたら、どのようにして伝えるのか(伝達方法)を決めます。

伝達方法は、ターゲットが良く目にする耳にする媒体、そして自社の顧客価値を伝えやすい媒体の双方を満たす媒体を選定していきます。ターゲットと顧客価値が明確であれば、使うべき媒体が明確になるということです。
現在、情報媒体は生活の中で溢れかえっています。特にインターネットの発達により、昔のような一方通行の情報伝達では顧客は満足しません。双方向のコミュニケーションがとれる媒体ほど、伝達力は強くなっています。SNSなどは良い例かもしれません。ただし現在良くない利用の仕方が増えていますので注意は必要ですが、それだけ影響力が強いといえます。

「コンセプト(基本メッセージ)策定」

戦略ドメインが決まったら、次にコミュニケーションコンセプトを決める必要があります。
コミュニケーションコンセプトとは、企業が発信する顧客に対するメッセージのことです。何を(顧客価値)を決めたとしても、具体的にどのような表現で伝えるのかを決めておかないと、Aさんは〇〇と表現する。Bさんは△△と表現する等、表現方法、文章、言葉が様々では受ける側の顧客は混乱したり、統一したイメージで理解することが出来なくなってしまいます。どの媒体でも、どの社員でも同じ言葉、表現で伝えることが重要です。

コンセプトは、「どのような顧客が、何故、自社商品を受け入れてくれるのか」という分析結果と、企業や社員の想いや分析結果からひらめくキーワードなどから糸を紡ぐように導き出します。世の中でクリエイターと呼ばれる人たちが得意な分野ですが、リサーチによる情報収集と分析が的確に行われていれば、誰にでも策定できるはずです。
リサーチを適切に行い、的確な分析を行うことにより、顧客に伝えるべきコンセプトまでも担当の社員が策定できるということです。

 

自らが求める目標達成には、それなりの準備と戦略が必要です。ただやみくもにやればよいというものではありません。

ビジネス社会で成功させるためには、マーケティングの知識と活用力は重要です。

皆さまも「マーケティング」に興味を持ってみてはいかがですか。

必ずご自分のお仕事に活かされますよ。

 

【真のデジタルマーケッターとなるために】シリーズ
第1回:マーケティングとは
第2回:現代マーケティングに重要なデータ
第3回:ブランドが果たす役割
第4回:マーケティングの仕組み
第5回:3C
第6回:PEST
第7回:5F
第8回:SWOT
第9回:STP
第10回:ブルーオーシャン戦略
第11回:リサーチの役割
第12回:集計と分析
第13回:戦略ドメインとコンセプト設計
第14回:競争戦略と隠れた競合
第15回:百年ブランドとなるために

 

 

参考:「3Cとは、SWOTとは」「強みを生かす!『SWOT』分析」「3C、4P、使いこなしていますか?!」「STP、ターゲティングの成功事例」「ファイブフォース分析とは」「JMLAベーシックパスポートの魅力

☆感性マーケティングに興味のある方はこちらもご覧ください。
感性とは
感性マーケティング講座

 

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JMLA 事務局

一般社団法人 日本マーケティング・リテラシー協会(JMLA)は、「マーケティング」および「商品開発/事業開発」において、人財育成(認定資格講座、企業研修)および企業様の事業支援・開発支援を行っています。また、商品開発/事業開発の系統的なメソッド「Neo P7」を用いて企業の社員様が自分たちで持続的に開発を実現できるようにするための内製化支援を行っています。